腰痛

ヨガによる腰痛の改善と効果を高めるポイント

2024年4月3日

 

ヨガにおける腰痛改善の効果

腰痛の改善のためにヨガに取り組んでいる人は多いことかと思います。

一般的にヨガに取り組むことは腰痛に対して効果があると言われており、実際にヨガが腰痛が改善したという研究結果は多く存在します

また、ヨガの腰痛への効果に対して否定的な論文は少なく、ヨガは腰痛に対してマイナスに働くことよりもプラスに働くことが多いと言えるでしょう。

ヨガ

様々なリハビリやエクササイズがある中でヨガが腰痛に対して特別に優れた効果を発揮するかというと、そういうわけではありません2・3

あくまでヨガのスタイルや哲学に共感できる、ヨガが好きな人が腰痛改善にヨガを取り入れるのが好ましいかと思います。

 

ヨガを腰痛防止につなげるポイント

柔軟性の向上

ヨガで身体の柔軟性を高めることは腰痛の改善に役立つため、ヨガで体幹周りや股関節などをストレッチすることは良いことです。

しかし、ヨガをやっていて腰痛を抱えている人は柔軟性が足りていないというケースは珍しく、むしろ十分すぎるくらいの柔軟性を抱えていることが多い印象です。

ヨガ

より高い柔軟性を求めることが必ずしも腰痛改善につながるわけではなく、過度に高い柔軟性がある場合には逆に腰痛を引き起こしてしまうことがあります。

ヨガに取り組んでいるのに思うように腰痛が改善しないという場合には、柔軟性ではなく他のところに原因があることが珍しくありません。

ストレッチ
高い柔軟性を持っている人は意外と怪我をしやすい

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体幹トレーニング

ヨガに取り組むことで体幹など身体の様々な筋肉を鍛えることができ、これが腰痛の改善に役立ちます。

ヨガには様々なポーズがあり、簡単なものからバランスの取りにくい複雑なものまであり、ヨガのプログラムによっては体幹を重点的に鍛えることができます。

疲労困憊になるまで体幹を鍛える必要はありませんが、体幹に刺激が入るようなポーズも適度に取り入れることが腰痛を改善するポイントになります。

ヨガのポーズ

さらにヨガにおいては呼吸の重要性が強調されることもあり、しっかりと意識して呼吸をすることで体幹をより効果的に鍛えることができます。

 

適度な休養とリラックス

ヨガで心をリラックスさせることも大事であり、精神的ストレスが腰痛に関わっているためヨガで精神を安定させることが腰痛改善につながります。

ポーズの出来栄えばかりを気にするのではなく、肩の力を抜いてヨガを楽しむとい心構えもあったほうがいいかもしれません。

ヨガとマインドフルネス

そして、ヨガが腰痛に良いと言ってもやりすぎてしまうと腰に負荷がかかりすぎてしまうことがあるため、ヨガをやらない日を適度に設けることも忘れてはいけません。

頑張りすぎずにゆるく続けた方が長続きしやすく、結果的により大きな効果を手に入れやすかったりします。

 

ヨガが腰痛に逆効果になる場合

過度なポーズ

ある研究ではヨガによって椎間板ヘルニアが起こることも報告されており、基本的には体幹部を過度に曲げてしまうことが原因であると考えられています

例えば体幹部を限界まで屈曲させるような動作では椎間板が圧迫されるような負荷が生み出されてしまいますし、他にも体幹部を極限までねじるような動作などによっても椎間板が圧迫される可能性があります。

特に、これ以上身体が曲がらないというところまで曲げてしまうと椎間板への負荷が急激に増える可能性があるので注意が必要かと思います。

過度にやり過ぎずに適度な範囲内でやることが腰痛などを防ぐ上でも重要になってくるかと思います。

ヨガ腰を反るポーズ

そして、ヨガのポーズ次第では別の種類の腰痛につながることがあります。

特に腰を反るようなポーズが脊柱分離症につながりやすいと考えられています。

これに過度に身体をひねるような動きが加わったり、限界まで身体を曲げることがさらに大きな負荷を生み出すします。

 

ヨガのポーズ種類が合わない

腰を圧迫するような負荷で腰痛が発生している場合には、ヨガで筋肉を緩めることで圧迫などの負荷が軽減され、痛みが軽減されることも考えられるかもしれません。

一方で脊柱分離症など関節が不安定になっていることで腰痛が起きている場合には、ヨガで身体を緩めてしまうことは逆効果になりかねません。

ヨガ

当然ながらどのポーズをとるのか、どういった性質のものをやるのか、どういった腰痛なのかによってもその効果は左右されてしまうため、一概にヨガが良い悪いと断言できるものではありません。

腰痛を抱えている人は医療従事者等の指導の元で運動をすることも大事になってくるかと思います。

 

まとめ

ヨガは腰痛改善に対して科学的根拠があり、ヨガに取り組むことで柔軟性の向上、体幹の強化、精神的ストレスの軽減など腰痛に役立ちます。

一方でヨガにおいて過度に反ったり捻ったりするポーズ、休みなくヨガを過剰に取り組んでしまうこと、過度な柔軟性などやり方次第では腰痛が悪化することがあるので注意が必要です。

 

<参考文献>

  1. Sharma M, Haider T. Yoga as an Alternative and Complementary Treatment for Patients With Low Back Pain: A Systematic Review. J Evid Based Complementary Altern Med. 2013;18(1):23-28.
  2. Wieland LS, Skoetz N, Pilkington K, Harbin S, Vempati R, Berman BM. Yoga for chronic non-specific low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2022 Nov 18;11(11):CD010671. doi: 10.1002/14651858.CD010671.pub3. PMID: 36398843; PMCID: PMC9673466.
  3. Anheyer D, Haller H, Lauche R, Dobos G, Cramer H. Yoga for treating low back pain: a systematic review and meta-analysis. Pain. 2022 Apr 1;163(4):e504-e517. doi: 10.1097/j.pain.0000000000002416. PMID: 34326296.
  4. Le Corroller T, Vertinsky AT, Hargunani R, Khashoggi K, Munk PL, Ouellette HA. Musculoskeletal Injuries Related to Yoga: Imaging Observations. American Journal of Roentgenology. 2012;199(2):413-418.

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