腰痛

野球選手の腰椎分離症の原因と改善方法

2024年2月7日

 

腰椎分離症とは?

腰椎分離症はスポーツでの繰り返しの負荷によって腰の骨にダメージが蓄積され、疲労骨折が発生している状態です。

腰を反らした時や腰を捻る時に腰痛があり、状態によってはお尻の痛みや歩いている時などにも腰痛が発生することがあります。

腰椎分離症

腰椎分離症でもスポーツができてしまうこともありますが、無理に運動を続けていると取り返しのつかない腰の痛みへとつながることがあるので初期段階での適切な対応が大切です。

腰椎分離症の疑いがある場合には整形外科で診てもらうことが重要です。

 

腰椎分離症の原因

長時間の練習

腰椎分離症はスポーツでの繰り返しの負荷が原因なのですが、腰椎分離症を抱えている野球選手は8〜10時間とかなりの長時間の練習をするような選手が多い印象を受けています。

チームとして長時間の練習をしている場合もあるので、練習時間を調整できない状況もあるかもしれませんが、リスクが高い状況であると言えるでしょう。

野球の投球動作

 

骨の強度不足

腰椎分離症は成長期の野球選手に発症することが多く、成長期の骨が弱い状態では野球の練習で腰にダメージが溜まりやすいと言えます。

カルシウムなどの栄養の摂取、睡眠不足などによっても骨が弱くなりやすいので、食事や睡眠などにも腰椎分離症の原因があるかもしれません。

野球成長期

腰椎分離症で骨に損傷がある状態では骨の構造が弱く、通常の練習時よりも腰の負荷が大きくなります2〜4

このため腰椎分離症を発症した場合には休養することが大事であり、無理に練習を続けるのは好ましくありません。

 

ピッチング・バッティング

ピッチングやバッティング動作で腰に負荷がかかり、繰り返しの練習で腰にダメージが蓄積されていきます。

そして、より大きく腰を反ったり回したりする動きが腰の負荷が高くなる傾向があります

股関節や肩関節などの柔軟性を高めて、全身を使った効率的な動作を獲得することは腰椎分離症の予防につながります。

野球ベースランニング

ダッシュやランニングにおいても腰に負担がかかるため、過剰なダッシュ練習などは腰椎分離症へとつながる可能性があります。

体幹を鍛えて、腰に負担がかからないようなランニングフォームの獲得が腰椎分離症の予防に役立ちます。

 

腰椎分離症を防ぐ体幹トレーニング

インナーマッスル

体幹の筋力不足がある場合には腰の負荷が増加し、腰椎分離症につながりやすいことが報告されています

特に体幹のインナーマッスルが弱くなりやすいため、しっかりと鍛えておくことが腰椎分離症の予防に役立ちます。

 

腹斜筋

野球選手は練習などで体幹トレーニングを取り入れているチームも多くありますが、腹斜筋などが十分に鍛えられていないことが珍しくありません。

横方向の腹筋も腰椎分離症を防ぐためには重要なので、忘れずに取り組んでおくことが大切です。

 

腰椎分離症の復帰期間

一般的な復帰期間

腰椎分離症が修復するのには数ヶ月かかることが報告されていて、他の研究では腰椎分離症からのスポーツ復帰に平均で5ヶ月かかるという報告もあるようです7・8

腰椎分離症の損傷度合いによって修復期間が長くなる傾向にあります9・10

腰椎分離症からのスポーツの復帰には整形外科医の先生に従うことが基本ではありますが、数ヶ月かかることは覚悟したほうがよいかと思います。

野球成長期ピッチャー

 

野球への復帰時の注意事項

骨の損傷度合いとその後の症状の経過との関連は弱いという報告もあり11、骨が完全に修復していなくとも野球ができてしまうかもしれません。

しかし、ここで判断を誤って腰椎分離症を悪化させてしまい、長期離脱を余儀なくされてしまう選手を何人も見てきました。

痛みが軽いからと自分の判断で野球に復帰せずに、整形外科医の先生のアドバイスを守ることが極めて重要です。

そして野球に復帰する場合にも軽い練習から徐々に復帰していくことが大切です。

医師

腰椎分離症の症状が進行すると骨が修復しにくくなる傾向にあり、最悪の場合には手術が必要なほどに悪化してしまうことも考えられます12・13

 

まとめ

腰椎分離症においては数ヶ月の復帰期間がかかり、骨をしっかりと回復させる期間を与えることが症状の悪化や再発を防ぐのに役に立つかと思います。

 

<参考文献>

  1. Chosa E, Totoribe K, Tajima N. A biomechanical study of lumbar spondylolysis based on a three-dimensional finite element method. Journal of Orthopaedic Research. 2004;22(1):158-163.

  2. Sairyo K, Katoh S, Sasa T, et al. Athletes with Unilateral Spondylolysis are at Risk of Stress Fracture at the Contralateral Pedicle and Pars Interarticularis: A Clinical and Biomechanical Study. Am J Sports Med. 2005;33(4):583-590.

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  9. Sys J, Michielsen J, Bracke P, Martens M, Verstreken J. Nonoperative treatment of active spondylolysis in elite athletes with normal X-ray findings: literature review and results of conservative treatment. Eur Spine J. 2001;10(6):498-504. doi:10.1007/s005860100326

  10. Warner WC, de Mendonça RGM. Adolescent Spondylolysis: Management and Return to Play. Instr Course Lect. 2017;66:409-413.

  11. Klein G, Mehlman CT, McCarty M. Nonoperative treatment of spondylolysis and grade I spondylolisthesis in children and young adults: a meta-analysis of observational studies. J Pediatr Orthop. 2009;29(2):146-156. doi:10.1097/BPO.0b013e3181977fc5

  12. Morita T, Ikata T, Katoh S, Miyake R. Lumbar spondylolysis in children and adolescents. J Bone Joint Surg Br. 1995;77(4):620-625.

  13. Bouras T, Korovessis P. Management of spondylolysis and low-grade spondylolisthesis in fine athletes. A comprehensive review. Eur J Orthop Surg Traumatol. 2015;25 Suppl 1:S167-175. doi:10.1007/s00590-014-1560-7

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