足の怪我のメカニズム

フォアフット着地がランニングの怪我を減らすのか?

近年ではつま先から着地するフォアフット走法を取り入れている選手が好記録を出したりすることがあり、ランニングの接地方法についても議論がなされています。フォアフット走法が注目を集めるなか、怪我のリスクにはどのように影響するのかについて現在のスポーツ科学を交えて解説していきたいと思います。

フォアフット・リアフット・ミッドフット着地

参照https://www.roadrunnersports.com/blog/running-foot-strike/

 

ポイント

  • つま先着地でもかかと着地でも総合的な怪我の発生率はあまり変わらないようです
  • 走り方次第では負荷がかかる場所が変わり、局所的な怪我の発生率が変わるようです
  • フォアフットの場合には膝周りの負荷が減り足部周りの負荷が高まる傾向にあるようです

 

総合的な怪我の発生率は変わらない?

フォアフット着地、ミッドフット着地、かかと着地でも怪我の発生率には大きな差がないという研究結果が多いようです

 

それぞれのランニングフォームの怪我の発生率を調べた研究がいくつかあるのですが、いまのところフォアフット着地の怪我の発生率が低いとする論文はひとつだけあり、そのほかの研究は怪我の発生率に差がないという結論になっているようです。

 

局所的な負荷が変わる可能性がある?

ただし、それぞれのランニングフォームで負荷がかかる場所が変わる可能性があります。

例えば地面からの力のかかり方などが変化すると考えられています

フォアフットとリアフットにおける地面反力

(Hamill and Gruber 2017より引用)

上の図において、フォアフット着地ではグラフがなだらかになっており、地面から急激な力がかかっていないことがわかりますね。その一方でフォアフット着地は足首やふくらはぎへの負荷は増す可能性があるかもしれないと言われています。

 

走り方を変えて膝の痛みが減った?

それぞれの走り方には長所も短所もあります。

膝の痛み

興味深いことにランニングフォームを変えてフォアフット着地にしたところ膝痛が減ったという研究結果があります。これはフォアフット着地にすると地面からの力を和らげることができることや、膝への負担が減ったのは足首が代わりに衝撃吸収をしているといったメカニズムがプラスに働いたと可能性があります。

ただし、これは個人差や状態に適しているのか?といった要素に影響されるためフォアフット着地のほうが怪我をしないというわけではありません。

 

フォアフット走法で負荷がかかりやすい場所

フォアフット走法をしていると負荷が高まりやすい場所もあるようです。

足首の痛み

  • フォアフット着地は足部への負荷が高くなるため、足部の疲労骨折やアキレス腱炎などのリスクを高める可能性があることが示唆されています
  • フォアフット着地はかかと着地に比べて足底筋膜への負荷が高い可能性があるということも報告されています

このように走り方でどこに負荷がかかるのかが変わる可能性があり、フォアフット走法では足回りの負荷が高くなる傾向にあるようです。

 

まとめ

怪我の発生率に大きな差はないためフォアフット走法が良い悪いと一概には言えず、その人の身体の状態や適応能力などを考慮し、その人に合っているかどうか?という見極めが重要なのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Hamill J, Gruber AH. Is changing footstrike pattern beneficial to runners? J Sport Health Sci. 2017;6(2):146-153.

  2. Cheung RTH, Davis IS. Landing pattern modification to improve patellofemoral pain in runners: a case series. J Orthop Sports Phys Ther. 2011;41(12):914-919.

  3. Wei Z, Zhang Z, Jiang J, Zhang Y, Wang L. Comparison of plantar loads among runners with different strike patterns. Journal of Sports Sciences. 2019;37(18):2152-2158.

  4. Chen TL-W, Wong DW-C, Wang Y, Lin J, Zhang M. Foot arch deformation and plantar fascia loading during running with rearfoot strike and forefoot strike: A dynamic finite element analysis. J Biomech. 2019;83:260-272.

-足の怪我のメカニズム

© 2021 Hero's Body