ランニング

芝生ランニングの効果と注意点について

2024年3月7日

 

芝生ランニングは舗装された道路ではなく、芝生の上を走るランニングのことです。近年、その健康効果やトレーニング効果が注目されることがあります。

 

芝生ランニングのメリット

着地衝撃の軽減

芝生ランニングの一番のメリットは柔らかい芝生がクッションとして機能し、ランニング時の着地衝撃が軽減され、怪我予防の効果があることです。

芝生でのランニングではアスファルトなどに比べて足部の負荷が約10%ほど軽減されることが報告されています1・2

芝生ランニング

芝生はダメージが少ないことがメリットですが、怪我をしている時に芝生で距離を走ると痛みが出ることがあります。

怪我をしているときに芝生でのランニングだったら大丈夫かもしれない、と思い芝生で練習してみたことがありますが、怪我が悪化してしまいました。

芝生ランニングといえど負荷がなくなるわけではないため、痛みを抱えている時など運動のし過ぎには注意が必要です。

 

普段と違う筋肉に刺激が入る

芝生でのランニングでは普段と違う筋肉の使われるため、異なる刺激を入れることができます。

具体的には芝生のランニングではふくらはぎの筋肉の活動量が少なく、腓骨筋の活動量が増える傾向にあります

また、不整地では足首の安定性が重要であり、転ばないように身体をコントロールするように筋肉が働くため、普段は鍛えにくい筋肉を強化することができます。

芝生ランニング

 

芝生ランニングのデメリット

走るスピードが遅い

芝生ランニングのデメリットがスピードが出にくいことです。

芝生でばかり練習していると、遅いスピードに慣れてしまいスピードが失われていく可能性があります

芝生ランニング

芝生ランニングによるスピード低下を防ぐためには芝生ランニングは週1〜2回に留めておき、芝生ではない通常のランニングを中心に練習することでスピードの低下を防ぐことができます。

レースや大会に近い状態での練習がメインであり、違った環境での練習はあくまで補助的なものと捉えておくことが無難です。

 

ランニングエコノミーの悪化

芝生が柔らかくクッションとして機能することが、ランニングエコノミーを悪化させる原因になることがあります。

クッションシューズのように柔らかい素材というのは衝撃を吸収するため、地面からの反発力が失われてしまい、結果としてスピード低下の原因になります。

基本的には速く走るためにはクッション動作や柔らかい素材が適しておらず、スピード練習を行うならば硬いアスファルトや反発力の高い陸上トラックなどで行うことがスピードに乗りやすくなります。

ランニング
ランニングエコノミーを高める方法について

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長期的には怪我予防にならない

芝生でのランニングは柔らかいクッション機能によって足部や膝のダメージが軽減されますが、これは長期的には怪我予防につながらない可能性があります。

芝生という温室の環境でばかりランニングをしていると、アスファルトなどの過酷な環境に対する耐性が徐々に失われていきます。

人の身体には度負荷に適応して強くなるという性質があり、あまり使われない身体の機能は徐々に衰えていきます。

 

膝の痛みを抱えている時など過剰な負荷がかかっている時には芝生ランニングで負荷を減らすことは痛みの軽減や予防につながりますが、

余裕があるときにも芝生ランニングで甘やかし過ぎてしまうことは好ましくありません。

シューズ
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芝生ランニングに対する賛否

芝生ランニングには一定のメリットがありますが、日常的に芝生で走っているランナーは少ないかと思います。

そもそも走りやすい芝生のランニングコースが少ないことがありますが、芝生で走らなくともゴムチップ舗装路やクッションシューズを使うことでランニング時のダメージを軽減することができます。

わざわざ芝生で走らなくても、他の方法で代用することができます。

 

とはいえクッションシューズやゴムチップだけでは鍛えられない筋肉があります。

芝生などの不整地を走ることは筋肉の偏りを防ぎ、バランスよく筋肉を鍛えるのに役立つため、たまに芝生を走ってみることはプラスに働く可能性があります。

芝生ランニング

 

まとめ

芝生の柔らかさはクッションとして働き、ランニング時の負荷を軽減させるため怪我予防につながります。

一方で芝生の上ではランニングのスピードが出にくく、やり過ぎてしまうと身体機能が低下する可能性があるため、芝生ランニングはあくまで補助的に取り入れることが無難です。

 

<参考文献>

  1. Tessutti V, Ribeiro AP, Trombini-Souza F, Sacco IC. Attenuation of foot pressure during running on four different surfaces: asphalt, concrete, rubber, and natural grass. J Sports Sci. 2012;30(14):1545-50. doi: 10.1080/02640414.2012.713975. Epub 2012 Aug 17. PMID: 22897427.
  2. Tessutti V, Trombini-Souza F, Ribeiro AP, Nunes AL, Sacco Ide C. In-shoe plantar pressure distribution during running on natural grass and asphalt in recreational runners. J Sci Med Sport. 2010 Jan;13(1):151-5. doi: 10.1016/j.jsams.2008.07.008. Epub 2008 Oct 31. PMID: 18977172.
  3. Dolenec A, Štirn I, Strojnik V. Activation Pattern of Lower Leg Muscles in Running on Asphalt, Gravel and Grass. Coll Antropol. 2015 Jul;39 Suppl 1:167-72. PMID: 26434026.

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