テニス肘

テニスの脱力スイングを実現するためのストレッチとトレーニング

テニスにおいては無駄な力を抜いて、脱力しながらラケットを振ることが効率的なスイングへとつながります。

脱力したスイングを実現するためには、どのように身体の使い方という視点での解説が多いのですが、

ストレッチやトレーニングといった身体作りも脱力スイングを実現するのに役に立ちます。

 

テニスの脱力スイング

テニスにおいては脱力しながらスイングを行うことが重要で、無駄な力の少ない効率的なスイングへとつながります。

上手に力を伝えることができるためパワーやスピードも生まれ、身体の負担も少なく怪我のリスクも抑えることができます。

テニスストローク

実際にテニススイングを解析した研究においても上級者のほうが腕の力が抜けていて、インパクトの瞬間に合わせて力を込めるようなスイングであることが報告されています

テニス肘につながりやすいバックハンドの打ち方

 

柔軟性を高める

テニスでの脱力を実現するためには、身体の硬い部分をしっかりとほぐして、柔軟性を高めることが役に立ちます。

 

肩と肩甲骨

肩や肩甲骨周りの柔軟性はテニスのスイングに直結するイメージがあるかと思います。

知らず知らずのうちに硬くなりやすく、肩はしっかりとストレッチやケアを行うことが重要です。

ある研究では長時間のテニスによって肩関節の内旋の可動域が減少し、肩関節の外旋の可動域は変わらなかったことが報告されています2・3

(Moore-Reed et al 2016より引用)

 

肩関節の内旋の可動域を改善するようなストレッチを忘れずに行うことが役に立つかと思います。

肩のストレッチ

(Chepeha et al 2017より引用)

 

体幹

体幹部の柔軟性は身体をダイナミックに動かすために重要で、体幹部が硬いと肩や腕の力だけでのスイングになってしまう可能性があります。

特に体幹部の横の柔軟性がポイントで、ここはスイングを改善する効果が大きいのですが意外と見落とされることがよくあります。

体幹のストレッチ

 

股関節

股関節の柔軟性というと大きく脚を広げるようなイメージがあるかもしれませんが、テニスにおいて特に重要なのは股関節の内旋・外旋の可動域です。

あるテニスサーブを解析した研究では、股関節の外旋の可動域がサーブのスピードに関係していたことが報告されています

股関節の外旋の可動域股関節の内旋の可動域の測定

股関節の可動域を改善させるには様々な方法がありますが、テニスボールをお尻の下において体重をかけてグリグリとほぐしていくのもひとつの方法です。

テニスボールマッサージ

 

注意点

ストレッチやマッサージで身体を柔らかくし続ければ、テニスで脱力スイングを実現できるのではないか?と考えていた時期もありましたが、

ストレッチやマッサージをやればやるほど脱力スイングに近づいていくわけではありません。

 

柔軟性を一定程度獲得してしまうと、それ以上の効果はテニスのスイングに反映されにくいという面があります。

 

そして身体に十分な筋力がない場合には、余裕をもってスイングをすることができず身体をリラックスした状態でスイングをしにくくなります。

 

筋肉のトレーニング

筋肉をしっかりと鍛えて身体作りを行っておくことで、脱力スイングを習得しやすくなります。

 

肩周りのトレーニング

テニス選手の肩まわりのトレーニングに関して様々な動画があります。肩のトレーニングからウォームアップのルーティンなど状況に合わせて違った動画があります。

脱力したスイングを実現するためのポイントとしては、肩甲骨周りやローテーターカフのエクササイズが重要になってきます。

肩周りの大きな筋肉は比較的使われやすく過剰に働いていることが多いのですが、インナーマッスルなどは意識しないと鍛えられないことがあります。

こういった肩甲骨周りやインナーマッスルの筋肉がしっかり働いていないと肩周りの筋肉がカッチカチに硬くなりやすいです。

テニス肘と肩甲骨の機能低下について

 

腕のトレーニング

腕の筋肉を鍛えることも欠かせませんが、テニス選手は上腕二頭筋が発達しやすく、上腕三頭筋が弱い傾向にあります。

このためトレーニングでしっかりと上腕三頭筋を鍛えておくことが大切です。

上腕三頭筋キックバック

上腕三頭筋トライセプスプレスダウン

他にもテニスでは前腕の筋肉で偏りが生まれやすく、弱い筋肉が生まれやすいので前腕の筋肉もしっかりと鍛えておきたいところです。

 

体幹

体幹の重要性を耳にすることがよくあるかと思いますが、テニスのスイングにおいても強い体幹があることで腕の振りが安定しやすくなります。

体幹といえば腹筋やインナーマッスルのイメージが強いかもしれませんが、テニスにおいては腹斜筋も重要です。

腹斜筋はスイングスピードなどに関係していますが、あまり鍛えられていないことも珍しくありません。

腹斜筋のトレーニング

ロシアンツイスト

さらには体幹の中でも背中側にある筋肉も重要で、脊柱起立筋なども鍛えておくことが脱力スイングを実現するのに役立ちます。

脊柱起立筋のトレーニング

 

下半身

下半身は大きパワーを生み出す原動力であり、テニスにおいても下半身の力をうまくラケットに伝えることで肩や腕周りが変に力んでしまうのを防ぐことができます。

テニスのスイング〜全身の運動連鎖と身体への負荷

 

下半身を鍛える中でもお尻の筋肉やハムストリングスなどがパワーに直結しやすいため、こういった筋肉を鍛えることが重要になってきます。

大臀筋のエクササイズ

ヒップスラスト

 

注意点

筋力トレーニングを行うことで筋肉が過剰に働き、肩や腕が力んでしまうクセが生まれやすくなります。

脱力スイングにつなげるためにも、トレーニング後にはしっかりとストレッチやマッサージなどでしっかりと筋肉をほぐしながら鍛えることが大切になってきます。

胸郭のストレッチ

脱力スイングを実現するためには、強い筋肉をさらに強くするようなトレーニングよりも、弱い筋肉を見つけてしっかりと補うことのほうが重要になります。

 

まとめ

柔軟性を確保し、弱い筋肉をトレーニングで鍛えることで、脱力したスイングを身につけやすくなります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Riek S, Chapman AE, Milner T. A simulation of muscle force and internal kinematics of extensor carpi radialis brevis during backhand tennis stroke: implications for injury. Clin Biomech (Bristol, Avon). 1999;14(7):477-483.
  2. Martin C, Kulpa R, Ezanno F, Delamarche P, Bideau B. Influence of Playing a Prolonged Tennis Match on Shoulder Internal Range of Motion. Am J Sports Med. 2016;44(8):2147-2151. doi:10.1177/0363546516645542
  3. Moore-Reed SD, Kibler WB, Myers NL, Smith BJ. Acute Changes in Passive Glenohumeral Rotation Following Tennis Play Exposure in Elite Female Players. Int J Sports Phys Ther. 2016;11(2):230-236.
  4. Palmer K, Jones D, Morgan C, Zeppieri G. Relationship Between Range of Motion, Strength, Motor Control, Power, and the Tennis Serve in Competitive-Level Tennis Players: A Pilot Study. Sports Health: A Multidisciplinary Approach. 2018;10(5):462-467. doi:10.1177/1941738118785348
  5. Chepeha JC, Magee DJ, Bouliane M, Sheps D, Beaupre L. Effectiveness of a Posterior Shoulder Stretching Program on University-Level Overhead Athletes: Randomized Controlled Trial. Clinical Journal of Sport Medicine. 2018;28(2):146-152. doi:10.1097/JSM.0000000000000434

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