卓球選手は柔軟性をあげることで脱力したスイングがやりやすくなり、パフォーマンス向上を狙うことができます。
しかし、ストレッチをしても思うように柔軟性が向上しないというケースも珍しくありません。
卓球選手の柔軟性について
柔軟性とパフォーマンス
卓球選手の肩周りの柔軟性というのは重要であり、柔軟性が高いほど効率的なスイングをしやすくなります。
そして柔軟性が低下していると肩の怪我のリスクが高まることが報告されており、肩の柔軟性を高めることは重要であると言えます1。
卓球選手の肩の痛みの原因と改善方法
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卓球選手のストレッチ
肩の内旋のストレッチ
肩の柔軟性の中でも肩の内旋の可動域が低下していると肩の怪我をしやすいと言われています1。
肩の内旋の可動域を改善するストレッチは痛みが出ることも珍しくありませんが、その中でもクロスボディストレッチと呼ばれるストレッチ方法は肩の痛みや違和感が出にくいストレッチであると言えます。
広背筋のストレッチ
広背筋をストレッチすることで腕をより高く伸ばしやすくなります。
広背筋は意外と硬くなりやすい部分であるため、ストレッチをすることで柔軟性の向上に役立ちます。
バランスボールを使って広背筋のストレッチをすることで、さらに肩を伸ばすことができるため柔軟性の向上に役立ちます。
多角的なストレッチ
卓球選手がストレッチで柔軟性を高める時には特定のものだけをやり続けるよりも、様々な角度からストレッチをすることが大切です。
特定のストレッチだけで問題が解決するような万能なストレッチはないため、色々な種類のものを取り入れていくことがポイントになります。
また、ストレッチだけでは効かせることができない筋肉の硬さもあるため、フォームローラーなどを取り入れることも役立ちます。
卓球のエリート選手を対象にした研究ではストレッチに加えてフォームローラーを取り入れることで柔軟性がより向上することが報告されています2。
ストレッチの注意点
肩のストレッチをしている時によくあることが、肩が変に引っかかって伸ばしたいところがストレッチで伸ばせないという現象です。
こういった問題を解消しながら肩のストレッチをすることが、高い柔軟性を獲得するために重要になってきます。
原因としては柔軟性が相対的に不足している箇所がある、関節が微妙にズレている、筋力不足など様々なものがあります。
何が原因でストレッチで肩が引っかかるのか?というのは専門家が診てみないとわからないことも珍しくありません。
卓球選手の肩甲骨のトレーニング
ただ肩をほぐすだけでは肩の柔軟性を伸ばすのに限界があり、肩甲骨周りにトレーニングで刺激を加えることで肩周りの柔軟性が向上しやすくなります。
肩甲骨のエクササイズには様々なものがありますが、柔軟性の向上にはインナーマッスルなどの細かい筋肉が大事になります。
まとめ
卓球選手は高い柔軟性を獲得することはパフォーマンスを向上させるためにとても大切です。
ストレッチを様々な角度で行うこと、そして肩周りのインナーマッスルなどの細かい筋肉も鍛えておくことが肩のコンディションを整えるのに役立ちます。
<参考文献>
- Zhang B, Wang K, Zhang E, Shang X. Correlation of Glenohumeral Internal Rotation Deficit With Shoulder Pain in Elite Table Tennis Players. Am J Phys Med Rehabil. 2023 Aug 1;102(8):687-691. doi: 10.1097/PHM.0000000000002180. Epub 2023 Jan 8. PMID: 36728366.
- Hsu FY, Tsai KL, Lee CL, Chang WD, Chang NJ. Effects of Dynamic Stretching Combined With Static Stretching, Foam Rolling, or Vibration Rolling as a Warm-Up Exercise on Athletic Performance in Elite Table Tennis Players. J Sport Rehabil. 2020 Apr 28;30(2):198-205. doi: 10.1123/jsr.2019-0442. PMID: 32350145.