膝痛

クロストレーナーでの膝痛について

2024年7月7日

 

クロストレーナーとは?

クロストレーナーはウォーキング、ジョギング、ランニング、階段昇降などの動作を組み合わせたような運動ができる有酸素運動マシンです。

手と足の両方を使うことで、全身の筋肉を効率的に鍛えることができますし、消費カロリーも大きくなります。

一般的にクロストレーナーはランニングのような着地衝撃がないため、膝に大きな負荷がかかりにくいと考えられています。

クロストレーナー

 

クロストレーナーによる膝痛の原因

長時間の運動

クロストレーナーで膝を痛める原因のひとつに長時間の運動があります。

クロストレーナーは脂肪燃焼、体力維持、リハビリなどの目的で行われますが、クロストレーナーは比較的軽い負荷であるため、より効かせるために長時間の運動になってしまうことがあります。

クロストレーナーマシン

クロストレーナーは負荷が小さいから大丈夫だろう、と甘く考えて50~60分といった長時間の運動をしてしまうと膝を痛めるリスクがあります。

たとえ主観的な負荷が軽かったとしても、時間を倍に伸ばすとダメージの蓄積も2倍と増えていく可能性があるわけです。

 

高い負荷での運動

クロストレーナーでの高い負荷の運動も膝を痛める原因になります。

効いている気がしないからと高い負荷に設定してしまうと、想像以上に膝にダメージが来てしまう可能性があります。

クロストレーナーでの運動

また、クロストレーナーには走った時のような着地衝撃がないため負荷が比較的軽いと考えられていますが、思っているよりも膝に負荷があるかもしれません。

実際にジムにあるバイクと比べると、クロストレーナー(エリプティカルマシン)のほうが膝の負荷が大きいことが報告されています

これはクロストレーナーでは膝に体重が乗ること、そして膝が大きく動くことが関係していると考えられます。

 

不適切なフォーム

膝がつま先よりも前に出てしまっていると、てこの原理によって膝の負担が大きくなってしまいます。

クロストレーナー膝の位置

また、クロストレーナーでは後ろ脚にも負荷がかかるような設計になっているのですが、この後ろ脚の動きの中で膝の位置が前に出てしまっていると膝に負担が大きくなります

クロストレーナー後ろ脚の位置

クロストレーナーにはサイズの調整機能がないことが多く、身体に合わない動きによって膝に負荷がかかっているケースも珍しくありません。

中にはステップの幅や動きを調整できるマシンもあるため、可能であればそういったマシンを使うことも役立ちます。

 

膝の状態

クロストレーナーで膝が痛くなる理由のひとつに、シンプルに膝の状態が良くない可能性があります。

特に長時間の運動をしていない、高い負荷での運動をしていない、それでも膝が痛くなってしまう場合にはそもそも膝の状態が悪い可能性があります。

クロストレーナーはランニングよりも負荷が軽いため、短い時間でのクロストレーナーの運動で膝が痛くなるというのであれば、走ることが難しいような膝の状態であると考えられます。

この場合には膝を回復させることが大事であり、少しでも痛みや違和感がある場合には運動を中止することが重要です。

 

クロストレーナーによる膝痛の改善方法

運動量の調整

クロストレーナーで膝が痛くなってしまう場合には運動量を調整することが大事になります。

痛みがある場合には痛みや違和感がなくなるまで運動量を減らすこと、十分な休養を取ることが大事になります。

痛みがなくなってきたら少しずつ運動量を増やすことがポイントであり、いきなり運動量を増やすことは避けた方がいいでしょう。

 

ストレッチ

クロストレーナーでは大腿四頭筋やハムストリングスなど膝周りの筋肉が使われやすいため、ストレッチでほぐすことも大事です。

太ももの前を伸ばすようなストレッチ、太ももの後ろを伸ばすようなストレッチを行うことが役立ちます。

大腿四頭筋ストレッチ

ストレッチ

 

他の有酸素運動を取り入れる

クロストレーナーで膝が痛くなってしまう場合には他の有酸素運動に切り替えてみるのもひとつの方法です。

ジムにあるバイクのほうが膝の負荷は軽いため、こちらを試してみるのも悪くありません

クロストレーナーの中でもアークトレーナーと呼ばれるマシンは比較的膝の負荷が小さいと言われています。

有酸素運動マシン
アークトレーナーの効果について

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それでも膝が痛い場合にはプールでのウォーキング、休養を取るといったことも選択肢になります。

こういった運動しかできない場合には専門家に相談し、治療やリハビリなどに取り組むことも大事です。

 

まとめ

クロストレーナーによる膝の痛みは長時間の運動、負荷が高い運動、不適切なフォームなどが関係しています。

膝の痛みがある場合には休養を取ること、運動量の調整、他の有酸素運動に切り替えること、専門家に相談することなどが大事になります。

 

<参考文献>

  1. He MY, Lo HP, Chen WH. Effects of Stationary Bikes and Elliptical Machines on Knee Joint Kinematics during Exercise. Medicina (Kaunas). 2024 Mar 18;60(3):498. doi: 10.3390/medicina60030498. PMID: 38541224; PMCID: PMC10972514.
  2. Lu TW, Chien HL, Chen HL. Joint loading in the lower extremities during elliptical exercise. Med Sci Sports Exerc. 2007 Sep;39(9):1651-8. doi: 10.1249/mss.0b013e3180dc9970. PMID: 17805099.

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