ランニングのお尻の痛み
ランニングのお尻の痛みには様々な種類がありますが、よくあるのが梨状筋症候群と呼ばれるものです。
梨状筋症候群とはお尻の筋肉のひとつである梨状筋が坐骨神経を圧迫している状態であり、お尻付近に痛みを引き起こしたり、場合によっては痺れなどの症状がお尻や足先などに表れることがあります。
梨状筋症候群と似たような症状の怪我も他に多いことから誤った診断が下されることもあり、重大な損傷の疑いがある場合には整形外科で精密検査を受けることが大切です１。
ランニングのお尻の痛みの原因
筋肉の硬さ
ランニングでお尻の筋肉を酷使するとお尻の筋肉が硬くなり、これが神経を圧迫して梨状筋症候群につながることが報告されています２・３。
お尻の筋肉の硬さが神経を圧迫する原因になっている場合には、ストレッチやマッサージなどでお尻の筋肉をほぐすと症状が緩和されます。
日頃の身体のケアの習慣などがお尻の筋肉の硬さに影響してくるため、身体のバランスの乱れを放置していることも原因になり得ます。
過剰な運動
ランニングなどお尻の筋肉を使うような運動を長時間行うと梨状筋症候群につながることがあり、過剰な運動はリスクを高めます。
お尻の筋肉が使われるたびに神経に微細な損傷が発生しますが、回復を上回るスピードでお尻に負荷がかかり続けると神経の炎症などを引き起こすことがあります。
神経が炎症を起こしている場合にはお尻の筋肉を緩めるだけでは症状が十分に緩和されないため、ランニングを休んで回復させる期間を設けるなどの対応が必要になることもあります。
お尻の圧迫
ランニングのお尻の痛みは走ることだけが原因とは限らず、長時間のドライブやデスクワーク、サイクリングなどお尻を圧迫し続ける負荷も梨状筋症候群につながることが報告されています２。
他にもお尻をぶつける、打撲するなど、お尻を圧迫するような出来事にも注意が必要です２。
梨状筋症候群の改善方法
ストレッチ
お尻の筋肉が硬いことが梨状筋症候群の原因のひとつであるため、ストレッチによって症状を改善させることができます２。
しかし、闇雲にストレッチすると梨状筋症候群の痛みが悪化してしまう事例が報告されているので注意が必要です４。
マッサージ
ランニングのお尻の痛みがある場合にはお尻の筋肉をマッサージすることで痛みが緩和させることができます。
フォームローラーを使ってお尻の筋肉をほぐすことができますし、テニスボールを使うとよりピンポイントでお尻の筋肉に効かせることができます。
しかし、闇雲にマッサージをしてしまうと痛みが悪化してしまうことがあり、特に強い力でのマッサージや繰り返しのマッサージは症状を悪化させるリスクがあるので避けたほうがいいでしょう。
梨状筋症候群ならではの筋肉のほぐし方というものがあり、必要に応じて専門家の施術を受けることが役立ちます。
トレーニング
ストレッチやマッサージなど柔軟性を高めるアプローチを取る人は多いのですが、お尻周りを鍛えようとする人は少ない印象です。
股関節周りのトレーニングで梨状筋症候群が改善されることが報告されていて、取り組む価値があるかと思います２。
スクワットのような激しいトレーニングだとお尻に過剰な負荷をかけてしまう可能性があるため、股関節周りのインナーマッスルを鍛えていくことが症状を和らげるための大事なポイントになります。
まとめ
ランニングのお尻の痛みは梨状筋症候群が関係していることが多く、お尻の筋肉が硬くなったり神経が炎症を起こすことで痛みが発生します。
ランニングのお尻の痛みの改善にはストレッチやマッサージ、トレーニングなどが役立ちます。
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