バレーボール選手の柔軟性について
バレーボール選手の肩周りの柔軟性は重要であり、肩の痛みやスパイクのスピードなどに関係していることが報告されています1。
また、怪我をしているバレーボール選手の方が肩周りの筋肉が硬いことが報告されています2。
このためストレッチなどで肩の柔軟性を高めることが役立ちます。
バレーボール選手のストレッチ
肩の内旋のストレッチ
バレーボール選手は肩の内旋の可動域が低下しやすいと言われていて、この柔軟性が低下していると腕の振りが悪くなってしまいます。
クロスボディストレッチと呼ばれるストレッチ方法で肩の内旋の可動域の向上に効果があります。
このストレッチは比較的肩の痛みや違和感が出にくく使い勝手が良いかと思います。
クロスストレッチにはバリエーションがあり、ストレッチの姿勢を変えることで肩の違う部分を伸ばすことができます。
広背筋のストレッチ
バレーボールにおいては高く腕を伸ばすことが必要ですが、広背筋をストレッチすることで腕を高く伸ばしやすくなります。
より大きくストレッチをしたい場合には体幹を横に曲げることで、広背筋がより引き伸ばされます。
肩のマッサージ
肩のストレッチだけではほぐすことができない細かい肩のコリがあるので、マッサージやフォームローラーなども取り入れると柔軟性が改善しやすくなります。
肩の後ろの部分だけでなく、腕や胸まわりなども含めて幅広くほぐすことで効果が高まりやすくなります。
ストレッチの注意点
肩のストレッチをしている時によくあることが、肩が変に引っかかって思うようにストレッチで筋肉を伸ばせないことや、ストレッチをする時に痛みが出てしまうことです。
原因としてはストレッチやマッサージに偏りがある、肩関節が微妙にズレている、肩甲骨やインナーマッスルなどの筋力不足があります。
細かい知識や経験が必要になることもあるため、専門家が診てみないと解決しないことも珍しくありません。
バレーボール選手の肩甲骨のトレーニング
ストレッチやマッサージで肩をほぐすだけでは柔軟性を改善するのに限界があるため、肩甲骨周りの筋肉をトレーニングで鍛えることでより高い柔軟性を獲得しやすくなります。
肩甲骨のエクササイズには色々なものがありますが、まずは様々な方向に幅広く肩甲骨を動かすようなエクササイズに取り組むことが役立ちます。
まとめ
バレーボール選手は高い柔軟性を獲得することでサーブやスパイクのパフォーマンス向上や肩の怪我予防につながります。
肩のストレッチに加えてマッサージなど幅広い方法を取り入れて肩の筋肉をほぐすこと、そして肩甲骨周りの細かい筋肉も鍛えておくことが肩の柔軟性を高めるのに役立ちます。
<参考文献>
- Challoumas D, Artemiou A, Dimitrakakis G. Dominant vs. non-dominant shoulder morphology in volleyball players and associations with shoulder pain and spike speed. J Sports Sci. 2017 Jan;35(1):65-73. doi: 10.1080/02640414.2016.1155730. Epub 2016 Mar 4. PMID: 26942858.
- Kugler A, Krüger-Franke M, Reininger S, Trouillier HH, Rosemeyer B. Muscular imbalance and shoulder pain in volleyball attackers. Br J Sports Med. 1996 Sep;30(3):256-9. doi: 10.1136/bjsm.30.3.256. PMID: 8889124; PMCID: PMC1332345.