身体のケア

ストレッチで柔軟性が改善しない事例の原因について

2023年2月14日

最近はストレッチに関する動画が増えてきていて、ネットで様々なストレッチ方法を知ることができます。

動画を見ながらストレッチをしているという人も増えてきていて、金メダリスト直伝のストレッチ動画なんかも珍しくない時代になりました。

こういった動画で身体が柔らかくなることが多いと思いますが、YouTubeの動画を見てストレッチを続けても身体が柔らかくならなかったという相談も増えてきています。

ここで、動画を見ながらストレッチしても思うように効果が得られない人の考えられる原因についてご紹介したいと思います。

 

狙った筋肉にピンポイントで効いていないケース

ストレッチは基本的に柔軟性を高める効果がありますが、ストレッチで狙った筋肉に効いていない場合には思うような効果を得られにくくなります。

動画などで紹介されているとおりにストレッチをやっても狙った筋肉にうまく効かないことがあります。

同じストレッチでも人によって伸びる場所が違うということも起こります。

胸郭のストレッチ

 

身体の他の部位が硬すぎる場合

身体の他の部位が硬すぎて、本来ストレッチで伸びるべき場所が伸ばされないということがあります。

この場合にはストレッチの効果を落としてしまっている他の場所を先にほぐしておくことが大切です。

広背筋のストレッチ

 

ストレッチに適していない部位が硬い場合

ストレッチは全身を満遍なくほぐすのに適していますが、ピンポイントに1点集中で筋肉をほぐすことに優れていません。

色々な種類のストレッチを試しても、狙ったところにあまり効いていないな〜と感じたらマッサージや筋膜リリースなど他の方法に切り替えることが役立つことがあります。

ボールでの筋膜リリース

漠然とほぐすのではなく、硬いところにピンポイントで効かせることが大切です。

⇨フォームローラーによる筋膜リリースの効果

 

筋力不足でストレッチの効果が落ちるケース

ヨガやバレエ、フィギュアスケート選手などからの相談としてよくあるのが、毎日のようにストレッチをしているのに柔軟性が思うように改善されませんというものです。

こういったケースで意外と多いのが、ストレッチはたくさんやっているけれどもトレーニングはあまりやっていないというケースです。

ストレッチ

意外に思われるかもしませんが、適度な筋力を獲得していたほうがストレッチの効果が高まり柔軟性が改善されやすくなります。

身体を柔らかくするにはストレッチやマッサージだけをやり続ければいいわけではありません。

何事も適度なバランスが大事です。

 

運動の習慣がない人の場合

普段あまり運動をしていないという人の場合は、ジョギングや自転車などでいいので何かしらの運動を始めてみることをオススメしています。

適度に身体を動かして筋力がついてくると、ストレッチの効果が高まることを実感しやすくなると思います。

 

 

普段から運動しているアスリートの場合

普段からたくさん運動しているアスリートの場合でも、局所的な筋力不足は起こり得ます。いわゆる身体のバランスが悪いというやつです。

この場合には体幹トレーニングなどで細かい筋肉を鍛えていくことが役に立つことが多々あります。

体幹のトレーニング

こういった体幹トレーニングなど様々なものを試しているけれども、身体のバランスが悪いのが改善されないという場合には専門家の指導を受けることがオススメです。

やはり自分だけでは気がつけない筋肉のバランスの乱れというものが存在します。

 

関節のズレ、骨の歪みケース

意外にも関節が数ミリズレているからストレッチが効きにくいというケースも少なくありません。

ストレッチをする時になんだか詰まっている感覚、骨が引っかかっている場合には、狙った筋肉が十分に伸ばすことができません。

ふくらはぎのストレッチ

骨格が歪んでいるとストレッチで本来伸びるべきところが伸ばされずに、歪んだ関節に邪魔されてしまうことがあります。

例えば、上の図のようなふくらはぎのストレッチも足関節がずれていると、本来伸びるはずのふくらはぎの筋肉が伸びないということが起こります。

 

姿勢矯正のエクササイズやツール

最近は本当に便利な世の中になったもので、姿勢矯正のためのエクササイズ動画もたくさんありますし、自宅でできる便利な矯正ツールも増えてきています。

まずはこういった道具を試してみて、身体の歪みを整えていくのも悪くないと思います。

身体の歪みが大きすぎて本格的な骨格矯正が必要な場合などには、整体施術を受けてみるのもひとつの方法です。

 

身体のどこが歪んでいるのかわからない場合

明らかに関節がズレている場合はともかく、数ミリの関節のズレや歪みというのは気がつかないことが多いことかと思います。

こういったわずかなズレがストレッチの効果を落としてしまっているということも珍しくありません。

足関節

身体のどこが歪んでいるのかわからない場合にも、専門家の指導を受けるのを考えてみるといいかもしれません。

 

痛みを抱えているケース

痛みを抱えている場合には身体が硬くなりやすく、柔軟性が足りていないと感じることが多々あるかと思います。

この場合には痛みを解消することの優先度が高く、しっかりと痛みに対する治療を行うことが大切です。

 

まとめ

ストレッチには身体を柔らかくして柔軟性を高める効果がありますが、思わぬことが原因でストレッチの効果が出にくいことがあります。

しっかりと原因を見極めて対処することで、ストレッチの本来の効果を引き出しやすくなります。

 

<参考文献>

  1. Thomas E, Bianco A, Paoli A, Palma A. The Relation Between Stretching Typology and Stretching Duration: The Effects on Range of Motion. Int J Sports Med. 2018 Apr;39(4):243-254. doi: 10.1055/s-0044-101146. Epub 2018 Mar 5. PMID: 29506306.
  2. Gunn LJ, Stewart JC, Morgan B, Metts ST, Magnuson JM, Iglowski NJ, Fritz SL, Arnot C. Instrument-assisted soft tissue mobilization and proprioceptive neuromuscular facilitation techniques improve hamstring flexibility better than static stretching alone: a randomized clinical trial. J Man Manip Ther. 2019 Feb;27(1):15-23. doi: 10.1080/10669817.2018.1475693. Epub 2018 Aug 1. PMID: 30692839; PMCID: PMC6338275.
  3. Morton SK, Whitehead JR, Brinkert RH, Caine DJ. Resistance training vs. static stretching: effects on flexibility and strength. J Strength Cond Res. 2011 Dec;25(12):3391-8. doi: 10.1519/JSC.0b013e31821624aa. PMID: 21969080.

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