プロスポーツ選手のケアをしていると「儲かるでしょ?」と言われることがあります。
しかし、アスリートケアというのは儲かりにくい分野であり、メジャーリーグの球団などプロスポーツチームで働いている専門家でさえ給料はそんなに高くない印象です。
憧れの対象となることの多い仕事ではありますが、思っているほど儲かりにくい分野ではないかと思います。
アスリートケア専門店の業界事情
お店にやってくるお客さんからよく言われるのが、アスリートケアを専門にしているお店がありそうで意外とないということ。
東京の中心地に行けばあるんだけど近くにはほとんどないとか。1ヶ月くらい探したけれど、よさそうなお店が見つからないとか。
プロスポーツ選手を診ているような専門家がいるお店だったとしても、メインは高齢者ケアやダイエットだったり。
埼玉県越谷市という首都圏でこのような状況なのですから、人口の少ない街ではアスリートケア専門店の数はさらに少なくなることでしょう。
理由はとしては需要が少なくて商売が成り立ちにくいから、儲からないからだと思います。
多くの専門家が憧れる王道の分野でありながら、スポーツという分野では簡単に食べていけないと言われることが多いのです。
アスリートはお金がないことが多い
アスリートは意外とお金がないということも商売が成り立ちにくい理由でもあります。
例えば、現役で部活をやっている中高生のアスリートの場合、子育てに多くのお金がかかっているのでお財布に余裕がないことが多いと思います。
子供の将来のためならとお金を惜しまない方々は多くいますが、部活やスポーツに大金を投資することは少ない印象です。
塾や英語教育など将来の稼ぎに繋がりやすいことには大金を投資しやすいのですが、なれる確率の低いプロ選手を目指すためには大金を投資しにくいのです。
全国大会に出場するようなアスリートでさえ、スポーツよりも勉強を頑張ってほしい、いい大学に行って欲しいと願う親は意外と多くいる印象です。
プロスポーツ選手であったとしても十分に稼げている人は多くありません。
例えばプロゴルファーは日本に1000人いると言われています。そのうち十分な稼ぎがあるのはわずか100人程度だと言われています。
プロ選手だからといってお金があるとは限らず、一般的なサラリーマンよりも安い給料で頑張っている選手も多いのです。
お店の値段を上げたいのならばスポーツ選手ではなく、会社役員や高齢者、芸能人などをメインにした方がいいと思います。
美容やダイエットなどの分野も相場が高く、アスリートよりも稼ぎやすい分野であると言えます。
とにかくアスリートは十分な稼ぎがないことが多く、憧れやロマンだけではお金になりにくいのです。
スポーツ整体は検索順位で不利になりやすい
検索結果で上位に表示させれば儲かるでしょ、と思う人は多いかもしれません。
しかし、スポーツ整体を選んだ時点でかなり不利な戦いを強いられることになります。
試しに検索結果で上位表示されているお店を調べてみて下さい。
アスリート専門店が上位表示されているケースはほとんど存在しないことに気が付くと思います。
検索結果で上位表示されやすいホームページの型というものが存在していて、スポーツ選手をメイン顧客に選んだ時点で上位表示されにくくなってしまいます。
そもそも現在の日本は高齢者の人口が最も多く、年齢を重ねた人の方が若いアスリートよりも身体の不具合が出やすいのです。
高齢者に好かれるホームページを作ることが検索結果で上位表示することが大切で、スポーツ整体は絶対的な需要が少ないのです。
アスリートケアは深夜番組のマニアック枠で、高齢者ケアは視聴率が稼げるゴールデン番組といったところでしょうか。
アスリートケアの仕事は儲かりにくい
スポーツ整体を運営しながらJリーグのチームを診ていた先輩が、いつの間にかダイエットや美容の専門家に転身していたり・・・
日本代表チームのトレーナーを担当し、「うちのお店は日本一ですから!」と誇らしげに言っていたお店が閉店していたり・・・
とても厳しい世界なんだなと思う出来事をたびたび目にします。
スポーツに関する仕事は簡単に儲からないということを象徴しているかもしれませんし、商売で大金を儲けたいのならば別の分野のほうがまだ可能性があるかもしれません。
一時期はSNSでバズっていた専門家も、時代の流れとともに勢いを失うことも多くあります。
アスリートケアは流行り廃りが激しい分野でもあるので、ヒットを生み出しても次の世代の波に飲まれることが多い印象です。
長年アスリートケアの仕事をするというのは簡単なことではないのです。
海外で活躍した専門家がお店を開いても苦戦しているという話はよく耳にします。
今はテレビや雑誌で大活躍しているあの人も、昔は仕事がなくて生活保護を受けていたという話もあります。
私もお店を始めた最初の時期はすごく苦労をしました。お店を軌道に乗せるのはすごく大変でした。
苦しい時にダイエットなどの分野に手を出さなかったのは、結局のところ怪我の改善やリハビリが大好きだからなのかもしれません。
私がお店を続けられているのは運が良かっただけなのかもしれません。
いい人に巡り会うことが出来たという偶然に助けられているのかもしれません。
もの凄い大金を稼げているわけではありませんが、それなりに余裕があって満足な暮らしをすることができています。
アスリートケアという仕事は決して簡単なものではなく、この仕事を続けられていることに感謝です。