足の怪我のメカニズム

足の横アーチと怪我との関係について

足の骨

足の怪我のメカニズムには様々なものがありますが、足部の横アーチもその原因のひとつではないか?という意見があります。横アーチが崩れることで足部の機能低下につながり、身体への負荷が高まり、怪我につながるという可能性が考えられます。そんな足部の横アーチですが科学的根拠も少なく、経験と感覚による部分が大きいのではないかと思います。

 

ポイント

  • 横アーチが崩れると足の横幅が大きくなり、これが負荷につながるのではないか?と考えられています
  • 横アーチと痛みの関係を示す科学的根拠はそこまで多くないようです
  • 横アーチへのアプローチは足部の他の要素も改善していける可能性があり、効果がないわけではないかと思います

 

足の横アーチとは

一般的に足のアーチは3つあると考えられており、足の内側と外側を通る縦のアーチと、足の前面にある横のアーチがあります。

参照http://www.sportspodiatryinfo.co.uk/the-transverse-metatarsal-arch/

これら3つのアーチが相互に機能して、足の衝撃吸収など様々な役割を果たしていると考えられます。

 

足の横アーチの高さと痛みの仕組み

足の横アーチは怪我や痛みと関係している可能性があります。

足の痛みを抱えている人達の足の横幅が大きくなっていることから、横アーチが崩れているのではないか?とも考えられるようです。

参照https://mysurgeryabroad.com/treatments/orthopaedic-surgery/bunion-surgery/

ただ、この研究では横アーチの高さが変わっていないことから、横アーチが本当に崩れているかどうかには疑問が残り、外反母趾が進行して足の横幅が広くなっている可能性も考えられます。

 

横アーチと痛みに関する統計

横アーチと痛みの関係を示す科学的根拠はそこまで多くないようです。

  • 外反母趾を抱えている人達の横アーチを調べた研究があり、これによると横アーチの高さと痛みに関係は見られなかったそうです
  • ある研究で300名を超える足の圧力を調べたところ、上記の図の左側のように足の真ん中の圧力が減少していることが確認されたのはほんの3%という報告があり、横アーチの有効性について疑問が残ります。
  • 別の研究でも外反母趾の人達を対象に横アーチと足の痛みの関係性を調べているものがありますが、痛みがあるほうが横アーチが高いという結果となっています

外反母趾

いずれにせよ、足の横アーチの高さと痛みや怪我との関連性を示す科学的根拠は少ない印象を受けています。

 

足の横アーチの柔軟性

足の横アーチの柔軟性が身体への負荷と関係している可能性があります。

シンスプリントを発症したグループは横アーチの柔軟性が低下していたという報告があります。ここでいうアーチの柔軟性とは立位時と加重時のアーチの違いを指しています。

(Kudo et al 2014より引用)

足の横アーチが硬いことで他の部分で衝撃吸収しなければならず、身体への負荷が高まる可能性が考えられます。

しかしながら、足の横アーチの柔軟性と怪我との関連性を示した研究が少ないことから、本当に関係しているのか?という疑問も残ります。

 

足の指の筋肉と横アーチ

指の筋肉が横アーチと関係している可能性があります。

短指屈筋と母趾外転筋

(Nakayama et al 2018)

ある研究によると短指屈筋及び母趾外転筋が横アーチの高さと関係していることが報告されています

しかし、こういった筋肉は横アーチだけでなく足部の他の要素も改善していける可能性があるかと思います。そのため、横アーチを改善したから痛みが改善されたのかどうか?という点には疑問が残り、他のメカニズムを通じて痛みが改善された可能性もあるかと思います。

 

いずれにしても足の指を鍛えることで身体への負荷を軽減できるのならば取り入れたほうがいいかとは思います。

関連記事
裸足の指
足の指の筋肉とアーチの高さについて

続きを見る

 

まとめ

足の横アーチと怪我との関係については大きな疑問が残るものの、足の横アーチを改善させるための足の指のエクササイズは他の効果も期待できるため、身体にいい影響を与える可能性があるのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Nakai K, Zeidan H, Suzuki Y, et al. Relationship between forefoot structure, including the transverse arch, and forefoot pain in patients with hallux valgus. Journal of Physical Therapy Science. 2019;31(2):202-205.
  2. Luger EJ, Nissan M, Karpf A, Steinberg EL, Dekel S. Patterns of weight distribution under the metatarsal heads. J Bone Joint Surg Br. 1999;81(2):199-202.
  3. Zeidan H, Ryo E, Suzuki Y, et al. Detailed analysis of the transverse arch of hallux valgus feet with and without pain using weightbearing ultrasound imaging and precise force sensors. PLoS ONE. 2020;15(1):1-17.
  4. Kudo S, Hatanaka Y. Forefoot Flexibility and Medial Tibial Stress Syndrome. J Orthop Surg (Hong Kong). 2015;23(3):357-360.
  5. Kudo S, Hatanaka Y, Naka K, Ito K. Flexibility of the Transverse Arch of the Forefoot: Journal of Orthopaedic Surgery. Published online April 1, 2014.
  6. Nakayama Y, Tashiro Y, Suzuki Y, et al. Relationship between transverse arch height and foot muscles evaluated by ultrasound imaging device. J Phys Ther Sci. 2018;30(4):630-635.

-足の怪我のメカニズム

© 2021 Hero's Body