足の怪我のメカニズム

足の指の筋肉を鍛えることでアーチの高さを改善できるのか?

足のアーチの崩れ

足の指を鍛えることの重要性がよく言われており、足のアーチと関連して語られることが多いことかと思います。

しかし、足の指を鍛えても足のアーチに大きな変化がないことも珍しくなく、足の指を鍛えることに疑問も少なからずあるかもしれません。

ここで足の指の筋力と足のアーチの関係性について解説していきたいと思います。

 

ポイント

  • 足のアーチの高さは足の指の筋力だけなく足首の筋肉や骨格などにも左右されます
  • 足の指を鍛えてもほんの数ミリの足のアーチの高さに変化が生まれないようです
  • 数ミリの違いでも負荷の軽減には想像以上の効果があるかもしれません

 

足の指の筋力だけでアーチの高さが決まるわけではない?

足のアーチの高さは足の指の筋力以外の要素によっても影響を受ける可能性があります。

足の指

  • 足の指の筋力とアーチの高さに強い関連性はなかったという研究結果があります1・2
  • 足の指の筋肉を疲労させても足のアーチの高さに大きな違いはなかったという報告もあります
  • 足の指の筋力も少なからず影響するけれども、他の多くの要素がアーチの高さに影響しているという報告もあります

足の指の筋力と足のアーチの高さには少なからず関係があるかと思いますが、足の指の筋肉と足のアーチの高さはあまり関係がないとする論文が多く見られます。

 

足の指の筋力以外の要素

足のアーチの高さは足の指の筋力だけで決まるものではなく、骨の形状などの様々な要因が重なって決まると考えられます。

ある研究では足首の筋肉である後脛骨筋とアーチの高さに関係があったという報告があります

このように足の指の筋力以外の要素もアーチの高さに影響しており、足の指の筋肉だけでアーチの高さが決まるわけではないということが言えるかと思います。

 

動いている時の足のアーチ

足のアーチは静止しているときではなく、動きの中で機能しています。

足のアーチの高さを評価する時には立位時のアーチの高さで評価することが多いのですが、次の図のように走っている時の足のアーチの高さのほうがより負荷を適切に表しているという考え方があります

ランニング時の足のアーチの高さ

(Lee et al 2010より引用)

というのも走っている時やジャンプする時など、地面を蹴る動作において足底へ負荷がかかり、足の指の筋肉が働くことでアーチが崩れないようにして負荷を軽減できる可能性があります。

足底筋膜の張力で足のアーチを支えているイメージ

参照https://www.youtube.com/watch?v=tUIBgUQ2aV0

 

足の指を鍛えることによるアーチの変化

アーチの高さを変えるために足の指を鍛えることがよく行われていますが、アーチの高さがあまり変わらないこともあります。それでも足の指を鍛えることは重要になってきます。

  • 8週間の足の指を鍛えるプログラムを実施した研究があり、何もしていないグループに比べてランニング時の足のアーチの高さが少しだけ維持されやすくなったという報告があります
  • ほんの数ミリの変化で足底筋膜には負荷が大きく減る可能性が示唆されています

足の指を鍛えたところで足のアーチにわずかな変化しかないかもしれませんが、そのわずかな違いが負荷を軽減するために役に立つ可能性があるわけです。

 

まとめ

足の指を鍛えることはアーチの高さに劇的な変化をもたらすわけではありませんが、それでも足のアーチに関与している可能性があります。

負荷を少しでも和らげるためにも足の指を鍛えることは大事かと思います。

 

<参考文献>

  1. Morita N, Yamauchi J, Kurihara T, et al. Toe Flexor Strength and Foot Arch Height in Children: Medicine & Science in Sports & Exercise. 2015;47(2):350-356.

  2. Yokozuka M, Okazaki K, Sakamoto Y, Takahashi K. Relationship between foot morphology and toe muscle strength in female university students. J Phys Ther Sci. 2019;31(5):457-461.

  3. Does the weakening of intrinsic foot muscles cause the decrease of medial longitudinal arch height? https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpts/29/6/29_jpts-2017-045/_article. Accessed April 30, 2020.

  4. Xiao S, Zhang X, Deng L, Zhang S, Cui K, Fu W. Relationships between Foot Morphology and Foot Muscle Strength in Healthy Adults. INTERNATIONAL JOURNAL OF ENVIRONMENTAL RESEARCH AND PUBLIC HEALTH. 2020;17(4).

  5. Nagano K, Okuyama R, Taniguchi N, Yoshida T. Gender difference in factors affecting the medial longitudinal arch height of the foot in healthy young adults. Journal of Physical Therapy Science. 2018;30(5):675-679.

  6. Lee SY, Hertel J, Lee SC. Rearfoot eversion has indirect effects on plantar fascia tension by changing the amount of arch collapse. Foot (Edinb). 2010;20(2-3):64-70.

  7. Taddei UT, Matias AB, Ribeiro FIA, Bus SA, Sacco ICN. Effects of a foot strengthening program on foot muscle morphology and running mechanics: A proof-of-concept, single-blind randomized controlled trial. Phys Ther Sport. 2020;42:107-115.

  8. Kitaoka HB, Luo ZP, Growney ES, Berglund LJ, An KN. Material properties of the plantar aponeurosis. Foot Ankle Int. 1994;15(10):557-560

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