シンスプリント

脛骨疲労骨折のメカニズム

脛骨の疲労骨折

練習のし過ぎによってシンスプリントを発症することがあり、ときには脛骨の疲労骨折につながることもあるかと思います。スポーツの動作によって単なる筋肉の使いすぎだけではなく、骨が変形するような力も加わっている可能性があり、こういった小さなダメージが積み重なって疲労骨折を生み出しているという考え方があります。こういった怪我のメカニズムを理解することが、疲労骨折の予防などへと役に立つ可能性があるのではないでしょうか。

 

ポイント

  • 地面からの衝撃が疲労骨折に影響する可能性があります
  • 筋肉が生み出す力によっても骨にストレスが加わる可能性もあります
  • ランニング中に脛骨は色々な方向に数ミリ程度変形しているようです

 

地面からの衝撃が疲労骨折につながる?

地面からの衝撃によって疲労骨折が起きているという考え方があります。

ランニングの着地前の瞬間

  • 脛骨の疲労骨折をしたことがあるランナーとそうでないランナー20名を比べたとき、脛骨の疲労骨折をしたことがあるランナーは地面からの衝撃が大きい傾向にあったそうです
  • しかし一方で地面からの力が必ずしも脛骨への負荷と一致するとは限らないという報告もあります

これは脛骨の疲労骨折を引き起こす要因が地面からの力以外のものがあるからではないでしょうか。

 

疲労骨折が発生する位置について

仮に地面からの衝撃で脛骨の疲労骨折を起こすのならば、なぜ地面に近い部分ではなくて脛骨の真ん中あたりが疲労骨折になるのでしょうか?

参照https://chiroup.com/shin-splints-stress-fractures/

つまり、脛骨の疲労骨折には地面からの衝撃以外の要素も働いていることを表しているかと思います。

 

骨を変形させるような力が働いている?

脛骨の疲労骨折の原因のひとつに、スポーツによって骨が変形するような負荷が積み重なっていることが考えられます。

(Milgrom et al 2004より引用)

  • 献体を使った実験で歩行路の骨の変形を計測したところ、数ミリに満たないような小さな範囲ではあるものの歩行時に脛骨が伸び縮みするような変形を起こしていることが報告されています
  • 手術により脛骨に計測器を埋め込み歩行動作やランニング動作を計測したところ、ほんの数ミリに満たない程度ですが脛骨が色々な方向に変形していることが報告されています

歩行時やランニング時の脛骨の変形は伸び縮みだけでなく、曲がるように変形したりと色々な角度からの力を受けていると考えられています。

このように考えると疲労骨折の発生箇所と身体への負荷のかかり方の辻褄が合うのではないでしょうか。

 

筋肉が発揮する力も骨に影響する

この骨を変形させるような力を生み出す理由は色々と考えられますが、大きなものとしては地面からの力や筋肉が生み出す力などがあるとかと思います。あらゆる力が骨にかかっていますので。(大腿骨の画像なのはすいません)

参照https://simtk.org/projects/force_direction

このため単に地面からの衝撃を減らすだけではなく、こういったメカニズムを考慮しながら筋肉のバランスを整えることも疲労骨折を予防するのに役に立つのではないでしょうか。

 

まとめ

スポーツの動作によって脛骨が色々な方向に変形するような負荷がかかっていることも疲労骨折の原因のひとつと考えられ、幅広い視点での対策が重要になってくるのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Milner CE, Ferber R, Pollard CD, Hamill J, Davis IS. Biomechanical Factors Associated with Tibial Stress Fracture in Female Runners. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2006;38(2):323–328.
  2. Matijevich ES, Branscombe ⨯ Lauren M., Scott LR, Zelik KE. Ground reaction force metrics are not strongly correlated with tibial bone load when running across speeds and slopes: Implications for science, sport and wearable tech. PLoS One; San Francisco. 2019;14(1):e0210000.
  3. Milgrom C, Finestone A, Hamel A, Mandes V, Burr D, Sharkey N. A comparison of bone strain measurements at anatomically relevant sites using surface gauges versus strain gauged bone staples. J Biomech. 2004;37(6):947-952.
  4. Burr DB, Milgrom C, Fyhrie D, et al. In vivo measurement of human tibial strains during vigorous activity. Bone. 1996;18(5):405-410.

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