テニス肘

テニス肘の原因はラケットの振り方にもある?

テニス肘の原因はバックハンド時に手首を伸ばす動作を何度も繰り返すから、と一般的に考えられています。しかしながら、この考え方はあまりにも単純すぎやしないかと疑問に思うわけです。テニス選手はバックハンドばかりやっているわけではなく、フォアハンドも多くやるわけですが、フォアハンドに関連する筋肉の怪我は比較的少ないわけです。ただ単純に使いすぎというのは少し違うのではないかと思います。

テニス肘

ポイント

  • インパクトの瞬間に合わせて筋肉が力を発揮することが肘への負荷を減らす可能性があります
  • 手首の角度の違いでテニス初心者はより急激に筋肉が引き伸ばされているようです
  • バックハンド時の衝撃が肘に伝わる度合いにも差があり、これによって肘への負荷が変わる可能性があります

 

バックハンドがテニス肘の原因なのか?

バックハンドの打ちすぎがテニス肘につながるかもしれませんが、本当にそれだけが原因なのでしょうか?

趣味でテニスをやっている人の怪我を調べてみたところ、手首を伸ばす筋肉の怪我の割合は多く、さらにテニス初心者の方がテニス上級者と比べてテニス肘を発症しやすいそうです。こういった統計をみると、やはりただ単純に筋肉を使いすぎているからという理由の他にも、身体への負担を高める要素があるのではないかと思います。

とある論文に「バックハンドがテニス肘の原因と考えられている」とあるのですが、その参考文献を実際に読んでみましょう。この研究ではテニスの上級者と初心者のバックハンド時の筋肉の活動量を計測し、筋肉が発揮している力を分析しています。

すると、テニス上級者のバックハンドは初心者に比べてインパクト前までは筋肉の出力が弱いのですが、インパクトの瞬間に合わせて急激に筋肉が力を発揮しているわけです

テニスの初心者と上級者の前腕の筋力発揮

(Riek et al 1999より引用)

そして、テニス上級者に比べて初心者は筋肉が急激に引き伸ばされ、筋肉により負荷が高い結果になっています

テニスのバックハンド

つまり、テクニックやフォームの問題も考えられるのではないでしょうか。

 

テニス初心者と上級者のバックハンドの違い

バックハンドの打ち方次第で肘への負担が変わってくる可能性があります。

 

  • バックハンドストロークのインパクト時の手首の角度を比べたところ、テニス上級者とテニス初心者では手首の角度が平均で約10度違っていたそうです。やはり手首の使い方を始めとするバックハンドのテクニックに差がありそうですね。
  • ある研究ではテニスのバックハンド時の衝撃の伝達について調べており、テニス初心者はバックハンドストローク時の衝撃の約40%が肘に伝わっているのに対し、テニス上級者はバックハンドストロークのインパクト時の衝撃が約10%しか肘に伝わっていないそうです。つまり、ボールを打つ時の衝撃が肘にどれくらい伝わるのかは、個人差があるわけです。

テニスのバックハンド時の振動の測定

(Wei et al 2006より引用)

これがどのくらい怪我につながっているのかまだまだ解明されていませんが、ボールの打ち方により身体への負荷が変わる可能性が考えられます。

 

まとめ

バックハンドをやりすぎてテニス肘になっていること以外にも様々な原因があり、筋肉やフォームなどにも原因があると考えられるわけです。効率的な動作を身につけることで肘への負担を減らせる可能性がありますね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Riek S, Chapman AE, Milner T. A simulation of muscle force and internal kinematics of extensor carpi radialis brevis during backhand tennis stroke: implications for injury. Clin Biomech (Bristol, Avon). 1999;14(7):477-483.

  2. De Smedt T, de Jong A, Van Leemput W, Lieven D, Van Glabbeek F. Lateral epicondylitis in tennis: update on aetiology, biomechanics and treatment. Br J Sports Med. 2007;41(11):816-819.

  3. Wei SH, Chiang JY, Shiang TY, et al. “Comparison of shock transmission and forearm electromyography between experienced and recreational tennis players during backhand strokes.” Clin J Sport Med2006;16:129–35.

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