疲労骨折

足の疲労骨折と地面からの圧力

地面からの力と足部の疲労骨折

一般的に練習のし過ぎによって疲労骨折が起こりますが、地面からどのような力がかかっているのかも足部の疲労骨折に影響する可能性があります。足の骨への負荷は重心や身体のバランスだけではなく、疲労状態、足の指や足首周りの筋肉の状態によっても地面から受ける負荷に影響を与えるようです。

 

ポイント

  • 疲労骨折と地面からの圧力には関係があると考えられています
  • 疲れなどによって地面からの圧力が変化することがあります
  • 筋肉の働きの低下によって骨への負荷が高まる可能性があります

 

疲労骨折と地面からの圧力

疲労骨折と地面からの圧力には関係があると考えられています。

疲労骨折と足底への圧力

(Matsuda et al 2017より引用)

  • 足部の疲労骨折をしたサッカー選手を10名を対象に歩行動作を分析したところ、怪我をしている部分の地面からの圧力は小さかったそうです同様の傾向は他の研究においても確認されています
  • 一方で疲労骨折をしているグループとそうでないグループに大きな違いは見られなかったという報告もあります
  • 約1000名を対象として足部の圧力を計測し、その後の怪我の発生を調査した研究があります。これによると足部の圧力はその後の疲労骨折の発生にあまり関係していなかったようです

これらの研究結果をまとめると疲労骨折した部分への地面からの圧力は減少している傾向にあり、これは怪我をしている部分をかばうような歩き方になっているのではないかと考えられます。地面からの圧力は疲労骨折をしている部分への負荷となりうるためこのようなことが起こるのではないかと思います。

足首の痛み

しかしながら、地面からの圧力が疲労骨折を引き起こすかどうかという因果関係を調べた研究は数が少なく、強い根拠があるわけではないかと思います。さらに疲労骨折をした場合に、その部分に体重をかけなようにすることで痛みを多少は軽減できることから、足底部の圧力と疲労骨折には何らかの関係性があると言えるのではないでしょうか。

いずれにせよ、地面からの圧力が一定の箇所に集中している場合には、疲労骨折につながるような負荷がかかる可能性は否定できないため、足部のバランスはしっかりと整えておいたほうがいいのではないでしょうか。

 

疲労による地面からの圧力の変化

疲労によって足底への圧力が変わる可能性があります。

 

疲労と足底への圧力の変化

(Weist et al 2004より引用)

  • 30名のランナーを対象にランニング時の足底の圧力を解析したところ、疲労時には足底の圧力の分布が変化し、全体的に圧力が高まっている傾向にあったようですこれにはいくつかの理由が考えられるのですが、疲労することで身体のバランスに乱れが生じること、疲労により筋肉の衝撃吸収の役割が低下していることなどが考えられるかと思います。
  • 足底の圧力の変化に伴い足首周りの筋肉の活動量の低下が大きい傾向にあり、これらの筋肉も地面からの衝撃を和らげる働きをしているということを示しているのかもしれません。
  • 他の研究でも疲労により足底への圧力の分布が変化していることが報告されています

このように疲労により足にどのような負荷がかかるのかが変わる可能性があるため、足回りの筋肉の持久力を高めるようなエクササイズを取り入れることも怪我予防にはありかもしれませんね。

 

足の指の筋肉の影響

足の骨への負荷は地面からの圧力だけではなく筋肉の働きによっても影響されます。

  • 献体による実験で歩行動作の骨の負荷を計測したところ、疲労などによる筋力低下によって骨への負荷が高まることが示唆されています7・8

中足骨への負荷の測定

(Donahue and Sharkey 1999より引用)

足の骨への負荷は地面からの衝撃だけでなく、ほんの数ミリに満たない程度ですが骨が変形するような力も加わっていると考えられています。この研究では歩行動作を再現して骨がどのくらい変形したのかを測定しており、筋肉の機能低下によって骨の変形が大きくなったという結果となっています。

足の指

このことから足の指の筋肉には骨の変形による負荷を軽減する可能性があり、足の指の筋肉の機能が低下した状態を再現した時に、足の骨への負荷が高まっていたということが考えられるのではないでしょうか。

足の指をしっかりと鍛えることが足部の疲労骨折を防ぐのに役に立つかもしれません。

 

まとめ

地面への圧力と疲労骨折の関係性についてはまだまだ不明な点も多いですが、基本的には身体のバランスを整える、足の指や足首の筋肉を鍛える、筋持久力のエクササイズも取り入れるといったことが役にたつのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Hetsroni I, Nyska M, Ben-Sira D, et al. Analysis of Foot Structure in Athletes Sustaining Proximal Fifth Metatarsal Stress Fracture: Foot & Ankle International. Published online March 1, 2010.
  2. Queen RM, Abbey AN, Chuckpaiwong B, Nunley JA. Plantar Loading Comparisons between Women with a History of Second Metatarsal Stress Fractures and Normal Controls. The American Journal of Sports Medicine. 2009;37(2):390-395.
  3. Matsuda S, Fukubayashi T, Hirose N. Characteristics of the Foot Static Alignment and the Plantar Pressure Associated with Fifth Metatarsal Stress Fracture History in Male Soccer Players: a Case-Control Study. Sports Med - Open. 2017;3(1):27.
  4. Dixon S, Nunns M, House C, et al. Prospective study of biomechanical risk factors for second and third metatarsal stress fractures in military recruits. Journal of Science and Medicine in Sport. 2019;22(2):135-139.
  5. Weist R, Eils E, Rosenbaum D. The Influence of Muscle Fatigue on Electromyogram and Plantar Pressure Patterns as an Explanation for the Incidence of Metatarsal Stress Fractures. Am J Sports Med. 2004;32(8):1893-1898.
  6. Fourchet F, Kelly L, Horobeanu C, Loepelt H, Taiar R, Millet G. High-Intensity Running and Plantar-Flexor Fatigability and Plantar-Pressure Distribution in Adolescent Runners. J Athl Train. 2015;50(2):117-125.
  7. Donahue SW, Sharkey NA. Strains in the metatarsals during the stance phase of gait: Implications for stress fractures. Journal of Bone and Joint Surgery - American Volume. 1999;81(9):1236-1244.
  8. Sharkey NA, Ferris L, Smith TS, Matthews DK. Strain and loading of the second metatarsal during heel-lift. J Bone Joint Surg Am. 1995;77(7):1050-1057.

-疲労骨折

© 2021 Hero's Body