しかし、なぜ膝を前に出すと痛みが出てしまうのでしょうか?実はそこには「てこの原理」が隠されているのです。
人の身体の仕組みを理解することで、より効果的なトレーニングを行うヒントになります。
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てこの原理が人の身体にも働いている
てこの原理を使えば、より大きな力を発揮できるというのはみなさんご存知かと思います。
参照http://www.actiontohappyhealthywealthy.com/leverage-why-always-use/
上の図から支点からの距離の重要性がわかるかと思います。支点からより遠いほど少ない重さでもより大きな力となっていますよね。
この支点からの距離というのは人の身体においてもとても重要な要素で、このような原理が人の身体にも働いているのです。
なぜカーフレイズで簡単に重い重量を挙げられるの?
カーフレイズはてこの原理で筋肉への負荷が軽くなるケースと言えるかもしれません。
ジムでカーフレイズをやったことがある人はわかるかと思いますが、カーフレイズでは重い重量を簡単に持ち上げることができます。女性でも100kg近くの重量を持ち上げることも珍しくありません。これは筋肉が強いからでしょうか?
参照https://imgur.com/gallery/ISH6I
カーフレイズで重い重量を持ち上げることができるのは、てこの原理が働いているからです。筋肉の力が働くのが支点から遠いため重い重量を簡単に持ち上げることができるんですね。これを第2のてこ(2nd class lever)と呼びます。
なぜスクワットでは簡単に重い重量が挙げられないの?
スクワットのフォーム次第ではテコの原理によって負荷が高まる可能性があります。
ふくらはぎの例では支点からの距離が遠いほど重い重量を簡単に持ち上げることができましたが、人の体においてはこのように働く関節は多くないのです。人の体においては第3のてこ(3rd class lever)によって働く関節が多いのです。
参照http://liftlaughlovelife.com/basic-lifting-biomechanics/
第3のてこの特徴は、筋肉は支点から近い距離にあるためにてこの原理によって簡単に重いものを持ち上げられないことです。一方でダンベルなどの重量が支点からより遠い距離にあることで、なおさら重くなってしまうことです。
このような理由からカーフレイズでは重い重量が簡単に持ち上げられるのに対し、スクワットでは重い重量が簡単には持ち上げられないんですね。
なぜスクワットで膝を前に出すと痛みがでるの?
とても簡潔な説明になってしまいますが、次の図のようにスクワットで膝を前に出してしまうと、支点からの距離が遠くなってしまいます。てこの原理の性質によりたとえ同じ重量であったとしても、膝関節により負荷がかかってしまうんですね。これが行き過ぎると痛みとなるわけですね。
参照https://fitness.stackexchange.com/questions/11501/squat-form-hips-and-ankles
実際のスクワットのフォームはもっと奥が深いのですが、フォームを変えることで膝への負荷を減らせる可能性があります。
まとめ
人の身体には「てこの原理」が働いており、その仕組みを理解することが痛みの予防やパフォーマンスアップにつながる可能性があります。