腰痛のメカニズム

腰椎分離症とスポーツへの復帰期間

腰椎分離症においては多少の骨の損傷があったとしても、痛みがないことや、スポーツができてしまうこともあるかと思います。しかしながら、腰椎の回復は安全にスポーツに復帰する上でとても大事な要素であり、慎重な判断が大事になってきます。

 

ポイント

  • 腰椎分離症からのスポーツ復帰には数ヶ月を要する傾向にあります。
  • 成長期や女性アスリートなど骨が弱くなりやすい人達には注意が必要です。
  • 多少の骨の損傷が残っていてもスポーツ復帰ができてしまうかもしれませんが、骨が回復しきっていない状態では腰への負荷は高まりやすいことに注意が必要です。

 

腰椎分離症の復帰期間

怪我がどのくらいの期間で回復するのかは整形外科医の先生の判断になるかと思いますが、過去の研究報告を知っておくことは役に立ちます。

  • ジュニアアスリートの腰椎分離症が対象の研究では3ヶ月の休養でその後の経過が極めて良好になりやすいことが報告されています
  • 腰椎分離症が修復するのには数ヶ月かかることがMRIによる研究で報告されています
  • 他の研究では腰椎分離症からのスポーツ復帰に平均で5ヶ月かかるという報告もあるようです3・4
  • 両側の腰椎分離症など腰椎の損傷度合いによって、修復期間が長くなる傾向にあるようです

症状によるかと思いますが、スポーツの復帰に数ヶ月かかることは覚悟したほうが安全ではないかと思います。

 

成長期のアスリート

成長期のアスリートなど年齢や性別によって、怪我のリスクが変わってくる可能性があります。

女子サッカー

  • 成長期においては骨が弱いため、腰椎分離症を発症しやすいと考えられています
  • 新入生などスポーツの負荷に慣れていないと腰椎分離症を発症しやすいという意見もあるようです
  • 特に女性はホルモンや栄養状態、思春期などの心理的要素なども影響するためか、女性の方がすべり症に発展するリスクが高いと考えられています7・8

このように腰への負荷がかかりやすい人達もいるということを覚えておいて損はないでしょう。

 

骨の損傷とスポーツ復帰

骨の損傷度合いとその後の症状の経過との関連は弱いという報告もあり1・9、骨が完全に修復していなくともスポーツができてしまうかもしれません。

ただ、骨が損傷していると腰への負荷も増してしまう可能性があるということには注意が必要かと思います。詳細は以下の記事をご覧ください。

脊柱分離症
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3ヶ月の休養があることでその後の経過が良くなりやすいことから、一定期間安静にして骨を回復させることは大事と言えるかもしれません。

また、早い段階での処置も大事であり、症状が進行すると骨が修復しにくくなる傾向にあります4・10

手術をすることになればスポーツ復帰までにさらに長い期間がかかってしまう可能性があるので11、慎重な判断が大切ではないでしょうか。

 

まとめ

腰椎分離症においては数ヶ月の復帰期間がかかり、骨をしっかりと回復させる期間を与えることが症状の悪化や再発を防ぐのに役に立つかと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. El Rassi G, Takemitsu M, Glutting J, Shah SA. Effect of sports modification on clinical outcome in children and adolescent athletes with symptomatic lumbar spondylolysis. Am J Phys Med Rehabil. 2013;92(12):1070-1074. doi:10.1097/PHM.0b013e318296da7e
  2. Yamane T, Yoshida T, Mimatsu K. Early diagnosis of lumbar spondylolysis by MRI. J Bone Joint Surg Br. 1993;75(5):764-768. doi:10.1302/0301-620X.75B5.8376435
  3. Iwamoto J, Takeda T, Wakano K. Returning athletes with severe low back pain and spondylolysis to original sporting activities with conservative treatment. Scand J Med Sci Sports. 2004;14(6):346-351. doi:10.1111/j.1600-0838.2004.00379.x
  4. Sys J, Michielsen J, Bracke P, Martens M, Verstreken J. Nonoperative treatment of active spondylolysis in elite athletes with normal X-ray findings: literature review and results of conservative treatment. Eur Spine J. 2001;10(6):498-504. doi:10.1007/s005860100326
  5. Warner WC, de Mendonça RGM. Adolescent Spondylolysis: Management and Return to Play. Instr Course Lect. 2017;66:409-413.
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  7. Zhang S, Ye C, Lai Q, et al. Double-level lumbar spondylolysis and spondylolisthesis: A retrospective study. J Orthop Surg Res. 2018;13(1):55. doi:10.1186/s13018-018-0723-3
  8. Kalichman L, Kim DH, Li L, Guermazi A, Berkin V, Hunter DJ. Spondylolysis and spondylolisthesis: prevalence and association with low back pain in the adult community-based population. Spine (Phila Pa 1976). 2009;34(2):199-205. doi:10.1097/BRS.0b013e31818edcfd
  9. Klein G, Mehlman CT, McCarty M. Nonoperative treatment of spondylolysis and grade I spondylolisthesis in children and young adults: a meta-analysis of observational studies. J Pediatr Orthop. 2009;29(2):146-156. doi:10.1097/BPO.0b013e3181977fc5
  10. Morita T, Ikata T, Katoh S, Miyake R. Lumbar spondylolysis in children and adolescents. J Bone Joint Surg Br. 1995;77(4):620-625.
  11. Bouras T, Korovessis P. Management of spondylolysis and low-grade spondylolisthesis in fine athletes. A comprehensive review. Eur J Orthop Surg Traumatol. 2015;25 Suppl 1:S167-175. doi:10.1007/s00590-014-1560-7

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