シンスプリント

ヒラメ筋がシンスプリントの原因になるのか?

シンスプリント

シンスプリントには様々な要因が考えられますが、ヒラメ筋もその原因のひとつではないか?という考え方があります。

ここで関連する文献を交えながら、そのメカニズムをご紹介していきます。

 

ポイント

  • ヒラメ筋はその付着位置と怪我の発生箇所からシンスプリントに関係している可能性があります
  • シンスプリントを発症した人達はヒラメ筋が硬く筋肉の活動量が増加していたそうです
  • このような傾向は他の筋肉にも当てはまり、ヒラメ筋だけの問題ではありません

 

シンスプリントとヒラメ筋の活動量

ヒラメ筋とシンスプリントには何らかの関係があるのかもしれません。

ヒラメ筋

  • ある研究によるとシンスプリントを発症した人達はヒラメ筋の活動量が増加していた傾向にあったそうです
  • 他の研究でもふくらはぎの筋肉がシンスプリントと関連していることが示唆されています2・3

このようなことから、シンスプリントとふくらはぎの筋肉、特にヒラメ筋がシンスプリントにつながるような負荷を生み出すことが考えられるかと思います。

 

ヒラメ筋の引っ張る力がシンスプリントにつながる?

ヒラメ筋はシンスプリントの発生箇所に近いため、シンスプリントに関係しているのではないか?という考え方があります。

後脛骨筋などよりもヒラメ筋のほうが、その筋肉が付着している位置からシンスプリントの発生箇所を説明しやすいわけですね。

(Brown 2016より引用)

  • 献体を調べたところ、ヒラメ筋のほうがシンスプリントを発症しやすい位置により近かったという報告があります
  • しかし献体を使った別の研究では後脛骨筋もヒラメ筋もその付着部分からシンスプリントを発症しやすい部分との関係性が限定的であるという見解が報告されています

このことからヒラメ筋の付着位置によるシンスプリントのメカニズムには疑問が残ります。

 

ただし、筋膜などを介して引っ張られるという考え方もあるので、これらの筋肉がシンスプリントにつながるような負荷を生み出す可能性はあるわけです。ただ、筋膜などを介すことでヒラメ筋以外の筋肉もシンスプリントにつながるような負荷を生み出す可能性があるのではないか?とも考えられます。

いずれにせよヒラメ筋はシンスプリントの原因になり得ますが、他の筋肉も同様にシンスプリントの原因になりうるのではないでしょうか?

 

ヒラメ筋と足部のプロネーション

ヒラメ筋とシンスプリントの関係で考えられている理由のひとつが、足部のプロネーションです。

足首のプロネーション

足部のプロネーションはシンスプリントに関係しており、足部のプロネーションがあることでヒラメ筋の活動量が増えるという報告もあるようです

このことから、ヒラメ筋がシンスプリントにつながるのではないか?と考えられるわけですね。

 

下腿の筋肉

しかしながら、足部のプロネーションがあることで筋肉の活動量が増えるのはヒラメ筋だけではありません。後脛骨筋など他の筋肉も足部のプロネーションによって、その筋肉の活動量が増える可能性があります

つまり、これはヒラメ筋特有のことではなく、他の筋肉にも同じような可能性があるのではないかと思います。

 

ヒラメ筋の硬さとシンスプリント

シンスプリントに伴い筋肉が硬くなる傾向があり、これがシンスプリントに関係しているかもしれません。

  • シンスプリントを発症したことがある人とそうでない人の筋肉の硬さを超音波で調べた研究がありますが、シンスプリントを発症した人のヒラメ筋の硬さには大きな違いはなかったという報告があります。この研究ではヒラメ筋ではなく、後脛骨筋などのほうが硬くなっている傾向にあったようです。
  • 一方でシンスプリントに伴いヒラメ筋が硬くなっていたという報告もあります

このようにヒラメ筋はシンスプリントに関係している可能性はありますが、ヒラメ筋特有の問題かどうかには疑問が残り、他の筋肉の影響も考えられるかと思います。

 

まとめ

ヒラメ筋はシンスプリントの原因の一つになり得る可能性があると思いますが、シンスプリントの原因はヒラメ筋だけではなく他の筋肉にも同じようなことが言える可能性があります。他の筋肉も含めてバランスを整えていくことがシンスプリントを防ぐ上で大事になってくるのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Naderi A, Moen MH, Degens H. Is high soleus muscle activity during the stance phase of the running cycle a potential risk factor for the development of medial tibial stress syndrome? A prospective study. Journal of Sports Sciences. 2020;0(0):1-9.
  2. Noh B, Ishii T, Masunari A, Harada Y, Miyakawa S. Muscle activation of plantar flexors in response to different strike patterns during barefoot and shod running in medial tibial stress syndrome. The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine. 2015;4(1):133-141.
  3. Michael RH, Holder LE. The soleus syndrome: A cause of medial tibial stress (shin splints). Am J Sports Med. 1985;13(2):87-94.
  4. Brown AA. Medial Tibial Stress Syndrome: Muscles Located at the Site of Pain. Scientifica (Cairo). 2016;2016:7097489.
  5. Stickley CD, Hetzler RK, Kimura IF, Lozanoff S. Crural fascia and muscle origins related to medial tibial stress syndrome symptom location. Med Sci Sports Exerc. 2009;41(11):1991-1996.
  6. Kinoshita K, Okada K, Saito I, et al. Alignment of the rearfoot and foot pressure patterns of individuals with medial tibial stress syndrome: A cross-sectional study. Phys Ther Sport. 2019;38:132-138.
  7. Murley GS, Landorf KB, Menz HB, Bird AR. Effect of foot posture, foot orthoses and footwear on lower limb muscle activity during walking and running: a systematic review. Gait Posture. 2009;29(2):172-187.
  8. Saeki J, Nakamura M, Nakao S, Fujita K, Yanase K, Ichihashi N. Muscle stiffness of posterior lower leg in runners with a history of medial tibial stress syndrome. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports. 2018;28(1):246-251.
  9. Akiyama K, Akagi R, Hirayama K, Hirose N, Takahashi H, Fukubayshi T. Shear Modulus of the Lower Leg Muscles in Patients with Medial Tibial Stress Syndrome. Ultrasound Med Biol. 2016;42(8):1779-1783.

-シンスプリント

© 2021 Hero's Body