シンスプリント

マラソンランナーに多いシンスプリントのメカニズム

シンスプリント

練習量が増えるとシンスプリントを発症することは珍しくありません。シンスプリントは脛の内側の怪我の総称であり、筋肉系の故障や疲労骨折など色々な種類の怪我を含むことがあります。シンスプリントは慢性的な怪我でありその回復にも時間がかかることも珍しくありませんし、ひどい時には疲労骨折などへと発展する可能性があります。

シンスプリントは単に練習量の増加だけでなく、様々なことが原因になっている可能性があります。練習量を減らして休養するだけでなく身体のバランスを整えたり、ランニングフォームを修正したり、生活習慣を見直したりと色々な対策を打つことができると思います。

 

ポイント

  • 足部のプロネーションはシンスプリントに関係しているようです
  • 足のアーチが崩れていることがシンスプリントに関係しているようです
  • シンスプリントを発症した人達は筋肉が硬い傾向にあったようです

 

足のアライメントの影響

足のアライメントがシンスプリントに関係している可能性があります。

とある研究ではシンスプリントを発症している人は次の図のように足のアライメントが乱れている傾向にあったようです。この傾向は他にも多くの研究でも確認されており、足のアライメントは修正しておいたほうがいいでしょう。

足首のプロネーション

また、下の図の左側が示すようにシンスプリントを発症していたランナーの重心はより直線的にそして内側に傾いていたそうです

シンスプリントと足底の圧力分布

(Kinoshita et al 2019より引用)

 

重心がうまく分散されていないことで、特定の箇所に負荷がかかりやすい可能性があると考えられるわけですね。色々な要因があるかとは思いますが、足のアライメントの変化もひとつの原因かもしれませんね。

 

左右の脚の長さの違い

左右の脚の長さが違うことで身体への負荷が変わってくる可能性があります。

 

脚の長さの違い

参照https://jointeffortcharleston.com/2019/08/08/do-you-really-have-a-true-leg-length-difference/

  • シンスプリントを発症している人のほうが左右の脚を比べた時にその長さの違いが大きかったという研究報告があります

足の長さは筋肉のバランスの乱れが原因となる場合と、骨のそもそもの長さが違う場合とあります。左右のバランスを修正できるのならば改善させてみる価値があるかもしれませんね。

 

足のアーチの影響

足の怪我でアーチの重要性はよく耳にしますし、シンスプリントにおいても関係する可能性があります。

足のアーチを計測

(Noh et al 2015より引用)

  • ある研究ではシンスプリントを発症している人のほうがランニング中に足のアーチが崩れやすい傾向にあったそうです

足のアーチの機能を改善していくことが怪我のリスクを減らす可能性がありますね。

 

シンスプリントには筋肉の硬さが関係している?

シンスプリントの対処方法のひとつに脚の筋肉をほぐすというものがあり、と脚の筋肉の硬さが原因となって痛みを発症している可能性も考えられています。

 

(Saeki et al 2018より引用)

  • シンスプリントを発症していたランナーは全体的に筋肉が硬い傾向にあるようです
  • あくまでこの研究はシンスプリントを発症しているランナーを対象に行われていて、筋肉の硬さによりシンスプリントを発症したのか、あるいは身体を守るために筋肉が硬くなっているのか因果関係はわかりません。

筋肉の硬さは防御反応という可能性も少なからずあることを考えると、ただ筋肉を柔らかくするのではなく、関節の安定性を確保しながら筋肉を柔らかくしていったほうが役に立つかと思います。

 

骨の構造の違いが疲労骨折の原因?

シンスプリントによる疲労骨折も起こり得ますが、骨の構造的な強さにも注目をしたほうがいいかもしれません。

有限要素法による脛骨への負荷の算定

(Nazer et al 2011より引用)

  • マラソンランナーの骨をCTスキャンで撮影しその骨の構造を分析した研究があり、疲労骨折を発症したグループとそうでないグループを比べた時、骨の太さや大きさという項目に違いがあったようです
  • マラソンランナーとバスケ選手で骨の負荷に違いがあるのかどうかを比べた研究があり、マラソンランナーのほうが全体的に骨への負荷が高かったようです。。これはおそらくマラソンランナーの骨の構造が弱いことがひとつの理由として考えられると思います。

 

このように疲労骨折を起こす場合には練習量だけでなく、骨の耐久性などの構造的な要因も影響していることがあります。

その他にも筋肉の働きなどによっても、骨への負荷が変わってくることがあるようです。

脛骨疲労骨折のメカニズム

 

まとめ

シンスプリントの原因には、足のアライメント、筋肉の硬さなど様々なものがあるので色々な角度から取り組んでいくことが役に立つかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Kinoshita K, Okada K, Saito I, et al. Alignment of the rearfoot and foot pressure patterns of individuals with medial tibial stress syndrome: A cross-sectional study. Phys Ther Sport. 2019;38:132-138.

  2. Sanhudo JAV, Gomes JLE. Association Between Leg Length Discrepancy and Posterior Tibial Tendon Dysfunction. Foot & Ankle Specialist. 2014;7(2):119-126.

  3. Noh B, Masunari A, Akiyama K, Fukano M, Fukubayashi T, Miyakawa S. Structural deformation of longitudinal arches during running in soccer players with medial tibial stress syndrome. Eur J Sport Sci. 2015;15(2):173-181.

  4. Saeki J, Nakamura M, Nakao S, Fujita K, Yanase K, Ichihashi N. Muscle stiffness of posterior lower leg in runners with a history of medial tibial stress syndrome. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports. 2018;28(1):246-251.

  5. Popp KL, Frye AC, Stovitz SD, Hughes JM. Bone geometry and lower extremity bone stress injuries in male runners. Journal of Science and Medicine in Sport. September 2019.

  6. Wang H, Kia M, Dickin DC. Influences of load carriage and physical activity history on tibia bone strain. Journal of Sport and Health Science. November 2016.

  7. Nazer RA, Klodowski A, Rantalainen T, Heinonen A, Sievänen H, Mikkola A. A full body musculoskeletal model based on flexible multibody simulation approach utilised in bone strain analysis during human locomotion. Computer Methods in Biomechanics and Biomedical Engineering. 2011;14(6):573-579.

-シンスプリント

© 2021 Hero's Body