足の怪我のメカニズム

成長期のお子さんに多いシーバー病のメカニズム

かかとの痛み

シーバー病のメカニズムには諸説ありますが、骨が成長過程にある10歳前後の子供達に多く発生すると言われています。サッカー選手などに多く、ダッシュやジャンプ動作によってかかとの骨が引っ張られて、炎症を起こし、時には骨にも影響を与えることがあります

 

ポイント

  • シーバー病の人たちは足首の可動域が減少している傾向にあるようです
  • シーバー病の人たちはかかとに重心がある傾向にあるようです
  • 成長期におけるアキレス腱の発達度合いもシーバー病に影響するかもしれません

 

シーバー病と足首の可動域の減少

足首の可動域もシーバー病に関係しているかもしれません。

  • シーバー病の人達とそうでない人達を比べたところ、シーバー病を抱えている人達の足首の可動域が大きく減少していたようです。健康なグループとシーバー病のグループを比べた時に可動域が10度近く違っています。

筋肉が硬くなることで骨を引っ張る力に影響を及ぼしている可能性がありますね。

 

シーバー病と重心の変化

シーバー病を持っている人は次のように足底の圧力に変化があると言われています。左の図がシーバー病を持っている人の足底の例です。これは静止状態で立った時のものを測定しており、かかと付近により大きな圧力がかかっているようです。

シーバー病を持っている人たちの足底の圧力

(Becerro-deBenga-vallejo et al 2014より引用)

また、歩行時の足底の圧力を計測したところ、左の図のようにシーバー病のグループはかかとにより大きな圧力がかかっていたそうです。

シーバー病を持っている人たちの歩行時の足底の圧力

(Becerro-deBenga-vallejo et al 2014より引用)

身体の重心が後方に行き過ぎると、地面からの力をうまく利用できなくなってしまう可能性があります。

歩行時の床反力

参照https://musculoskeletalkey.com/normal-gait/

こういったところがシーバー病と関係しているかもしれませんね。

 

シーバー病とランニング動作の変化

シーバー病によりランニング動作が変化する可能性があります。

サッカーの試合

  • ある研究でシーバー病のグループとそうでないグループの歩行時とランニング時の動作を比べたそうですが、シーバー病のグループは比較的短い距離の歩幅で脚の回転がより早かったそうです

このことからシーバー病を持っている人は怪我をしたことで足をかばうために走り方が変化している可能性もあるそうです。

 

成長期のかかとの骨の構造

成長期の骨の構造で負荷がかかりやすくなるのではないか?という考え方があります。

上記のようにシーバー病ならではの特徴がいくつかありましたが、これらの研究はかかとの骨にかかる負荷を直接計測したわけではなく、あくまで地面に加えられた力を測定した結果となっています。

ここで興味深い研究があり、この研究ではMRIや超音波画像診断などを使い足の構造などを調べ、シーバー病のリスク要因をより直接的に評価している研究です。

踵の骨とモーメントアームの長さ

(Hashizume 2013より引用)

骨の構造が違うことでかかとへの負荷が変わってくるわけで、その影響を調べたところ骨の構造に年齢間での差は観察されなかったそうです

 

成長期のアキレス腱の強度

成長期ではアキレス腱の発達が追いついていない可能性があります。

アキレス腱

  • エコー検査を用いてアキレス腱付着部を調べたところ、成長期の子供は体重増加などの影響があるにもかかわらず、7〜9歳のグループと10〜13歳のグループとのアキレス腱付着部の耐久性に大きな違いはみられなかったそうです4。

このことから、語弊があるかもしれませんが簡単な言葉で言うならば「身体の成長にアキレス腱の耐久性が追いついていない」という可能性があります。

耐久性が低い状態で負荷をかけ続けたら怪我に繋がりやすくなってしまいます。

 

シューズやインソールの効果

専門家によるインソールの処方は身体への負担を和らげる可能性があります。

シーバー病を持つお子さんに、足に合ったシューズを選ぶことやインソールを処方するなどの対応が広く行われています。というのも上記のようにシーバー病を持つ人は足底まわりの力学的な変化が生じているため、より負荷を少なくできるようなシューズが望ましいと考えられています。

インソールの処方

しかし、怪我をした人の足の状態は千差万別でひとりひとり違うものになっています。したがってこれをやっておけば大丈夫という絶対的なものはありません。それを反映しているのか、シーバー病に対するシューズやインソールの処方に関する論文がいくつか報告されていますが、論文の証明力も限定的でありまだまだわからないことも多くあるそうです

シューズやインソールについては、実際にたくさんのインソールを作製した経験を持つ専門家に処方してもらうのがいいでしょう。

 

まとめ

怪我の原因には色々な要素が絡んでおり、ひとりひとりの状態に応じて身体のバランスを整え、かかとへの負荷を減らしていくことがシーバー病を予防するために大切かもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. James AM, Williams CM, Haines TP. “Effectiveness of interventions in reducing pain and maintaining physical activity in children and adolescents with calcaneal apophysitis (Sever’s disease): a systematic review.” J Foot Ankle Res. 2013;6:16.

  2. Becerro-de-Bengoa-Vallejo R, Losa-Iglesias ME, Rodriguez-Sanz D. Static and Dynamic Plantar Pressures in Children With and Without Sever Disease: A Case-Control Study. PHYSICAL THERAPY. 2014;94(6):818-826.

  3. McSweeney S, Reed LF, Wearing SC. Vertical ground reaction forces during gait in children with and without calcaneal apophysitis. Gait Posture. 2019;71:126-130.

  4. Hashizume, Satoru. Structure of foot and ankle -biomechanical risk factor of Sever's disease-. Dissertation 2013.

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