足の怪我のメカニズム

ランニング時の足の回転数は怪我と関係している?

マラソンランナーが記録を伸ばすために走り込みを行うことには怪我のリスクがつきものです。怪我を防ぐために色々な対策をすることができますが、走り方次第で身体への負荷が変わってくることがあります。ランニングは歩幅と回転数によって決まるという考え方もあり、ランニング時のピッチ数も走り方に影響を与える可能性が少なからずあるかもしれません。

 

ポイント

  • ピッチ数を減らすと一歩あたりの負荷が増える可能性があります
  • ピッチ数と怪我の発生率の関係はほとんどみられなかったようです
  • ピッチ数が極端に低い場合には怪我が増える事例もあるようです

 

ピッチ数と身体への負荷について

ピッチ数の変化により多少は身体への負荷が変わるかもしれません。

 

床反力とケイデンスの関係性

(Tenforde et al 2019より引用)

  • 82名のランナーの走りを解析したところ、ピッチ数とランニング時の地面にかかる力との関係性は弱かったそうで、他の研究においても同様の傾向が報告されています
  • 他の研究では、ピッチ数を15%や30%など通常よりも大きく下げると地面により大きな力が加わっていたことが報告されています。これはジャンプするような動作に近づくため一歩あたりの負荷があがるのではないかと考えらます。
  • 反対にピッチ数を上げることで膝関節や股関節への負担をわずかに減らせるという研究報告があります

 

しかし、一歩あたりの負担が減ったとしてもピッチ数が上がるということは歩数も多くなるということを表しており、累積での負担の軽減にならない可能性もあります。そのためピッチ数を変化されることの影響を1歩あたりの身体への負荷で算出することには限界があるかもしれません。

 

ピッチ数は怪我の発生率にあまり関係ない?

ピッチ数が怪我の発生と関係しているケースは限られているようです。

マラソン

  • ピッチ数と怪我の発生率には関係性があるのかを調べた研究があります。82名のランナーの走りを解析したところ、怪我をしたランナーと怪我をしていないランナーとの間にランニング時のピッチ数に大きな差は見られなかったそうです
  • 別の研究にて381名の走る動作を解析し、その後を9ヶ月間に怪我ないかを追跡調査したところ、怪我をしたランナーと怪我をしていないランナーとの間にランニング時のピッチ数に大きな差は見られなかったそうです
  • 一方で68名の高校生ランナーを対象とした研究において、ピッチ数と怪我の発生率に関係性があったという報告があります。この研究ではピッチ数が1分間に164歩以下の場合とよりも少ない場合に怪我が多くなっていたようで、一般的には1分間に180歩であると言われていることを考えるとなかなか低い数字ではないかと思います。

以上より、ピッチ数が極端に少ないのでない限りは怪我との関連性は低いと言えるのではないかと思います。

 

まとめ

ピッチ数と怪我との関係性は強いわけではないようなので怪我のリスクはあまりきにする必要がなく、走りやすい好みのピッチ数で問題ないかと思います。ただし、ピッチ数が極端に少ない場合には注意が必要かもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Tenforde AS, Borgstrom HE, Outerleys J, Davis IS. Is Cadence Related to Leg Length and Load Rate? Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. Published online March 31, 2019.

  2. Futrell EE, Jamison ST, Tenforde AS, Davis IS. Relationships between Habitual Cadence, Footstrike, and Vertical Load Rates in Runners. Med Sci Sports Exerc. 2018;50(9):1837-1841.

  3. Hobara H, Sato T, Sakaguchi M, Sato T, Nakazawa K. Step frequency and lower extremity loading during running. Int J Sports Med. 2012;33(4):310-313.

  4. Heiderscheit BC, Chumanov ES, Michalski MP, Wille CM, Ryan MB. Effects of step rate manipulation on joint mechanics during running. Med Sci Sports Exerc. 2011;43(2):296-302.

  5. Szymanek EB, Miller EM, Weart AN, Morris JB, Goss DL. Is step rate associated with running injury incidence? an observational study with 9- month follow up. Intl J Sports Phys Ther. 2020;15(2):221-228.

  6. Luedke LE, Heiderscheit BC, Williams DSB, Rauh MJ. Influence of Step Rate on Shin Injury and Anterior Knee Pain in High School Runners. Med Sci Sports Exerc. 2016;48(7):1244-1250.

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