足の怪我のメカニズム

足底筋膜炎とその構造の変化について

足底筋膜炎はランナーにとっての悩みのひとつであり、練習量が多すぎたり慣れないシューズなどの環境の変化で足の裏の痛みへと繋がることがあります。足底筋膜の構造という点に着目すると、厚さや弾力性、重心や接地などが怪我のメカニズムに関係している可能性があります。

 

ポイント

  • 足底筋膜炎を起こすと水分が集まり体積が増えます
  • 足底筋膜炎を起こすと弾力性が失われ結果的に脆い状態であると言えます
  • 足への使い方次第で弾力性が強くなる部分や弱くなる部分が変わってくるようです

 

怪我で足底筋膜が厚くなる

怪我をすると負傷した部分に炎症などで厚みがでる可能性があります。

 

足底筋膜炎

  • 足底筋膜炎を持っている人達を30名を対象に超音波で足底筋膜の厚さを調べた研究があり、足底筋膜炎を持っている人達の足底筋膜の厚さは増えている傾向にあったそうです
  • 炎症を抑える注射やシューズの調整、ストレッチなどの色々と治療を行った後に再度足底筋膜を測定したところ厚さが減少していたそうです。

足底筋膜炎により厚みが増えるのは色々な原因が考えられますが、炎症反応や血流の変化により足底筋膜の厚みが増している可能性が考えられます。このため厚みがあることが丈夫であるとは限らないわけです。

 

怪我で足底筋膜の弾力性が低下する

弾力性も怪我予防の観点で大切な要素と考えられています。

弾力性

  • 足底筋膜炎と持っている人達の足底筋膜の弾力性を超音波で調べた研究があり、足底筋膜炎を持っている人は柔らかく弾力性が低い傾向にあるそうです
  • 足底筋膜炎の治療後にはこの弾力性の低下が回復している傾向にあるそうです

こういったことから弾力性の低下は足底筋膜炎と関係していると言えるかと思います。弾力性が低下することは引っ張られるような負荷への耐性が落ちてしまう可能性が考えられ、これが足底筋膜炎につながる原因のひとつかもしれません。

 

足底筋膜の弾力性と足のアーチへの影響

足底筋膜の弾力性が低いことは耐久性だけでなく足のアーチにも影響を及ぼす可能性があります。

足底筋膜の弾力性が足のアーチを支える要素のひとつであり、足底筋膜炎を持っている人は加重時に足のアーチがより崩れやすい傾向にあることが報告されています

足のアーチのレントゲン

(Shin et al 2010より引用)

足のアーチが崩れることで衝撃吸収力の低下などのさらなる影響が考えられます。

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足底への圧力次第で足底筋膜が変化する?

重心のかけかたや接地の仕方次第で足底筋膜が変化する可能性があります。

バレエダンサーの足底分布

(Yum et al 2019より引用)

  • バレエダンサーの足底への圧力と足底筋膜の構造を比べた研究があります。これによるとバレエダンサーのほうがつま先近くの弾力性が高く、かかとの弾力性が低い傾向にあったそうです
  • フォアフット着地とかかと着地のランナーの足底筋膜の違いを調べた研究があり、これによるとフォアフット着地をしているランナーはかかと着地のランナーに比べて足底筋膜の弾力性が低下している傾向にあったそうです。
  • 足底筋膜炎を持っているランナーとそうでないランナーとでは足底の圧力に違いはみられなかったそうです

議論はありますが、足にどのような負荷をかけるのかによって足底筋膜がどのように適応するのかが変わってくる可能性があり、適度な負荷を与えて怪我に強くしておくことは大事ではないでしょうか。

 

まとめ

足底筋膜の構造の変化、特に弾力性の低下は足の機能に影響する可能性があり、これが足底筋膜炎の原因のひとつになっている可能性があります。しかし、あくまで足底筋膜の構造の変化はひとつの要因にすぎず、一般的にはふくらはぎの筋肉の柔軟性の低下など他にも色々なことが原因として考えられます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

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