膝の怪我のメカニズム

鵞足炎が治りにくくなってしまうメカニズム

膝の内側の痛みのひとつに鵞足炎と呼ばれるものがあります。

一般的には慢性的な負荷が膝の内側にかかり続けることで炎症を起こし鵞足炎が引き起こされると考えられています。

 

ポイント

  • 膝の不安定さが鵞足炎のリスクとなっています
  • 膝が内側に入るような状態も鵞足炎へとつながる可能性があります
  • 膝周りの筋肉をバランス良く鍛えて、膝の安定性を確保することが役立ちます。

 

鵞足(Pes Anserine)

鵞足には3つの筋肉がくっついています。

Pes-anserine-anatomy

参照https://www.sportsinjurybulletin.com/uncommon-injuries-medial-knee-pain-from-the-pes-anserinus-part-i/

 

半腱様筋

 

 

鵞足炎と膝の不安定さについて

膝の不安定さが膝への負荷へとつながる可能性があります。

  • 膝の外反に加えて膝の左右の不安定さがある場合に 鵞足炎のリスクが高まるのではないか? と考えられています1
  • 鵞足の筋肉には膝の外反や回旋を防ぐ機能があるのではないか?と考えられています2・3。膝が不安定だとこういった筋肉がより働かなければならず、負荷が高まる可能性があります。

膝の内反及び外反

こういったことから鵞足炎の負荷を減らすためには膝周りを整え、膝の不安定さを解消していくようなエクササイズを取り入れることが役に立つ可能性があります。

 

変形性膝関節症と鵞足炎の関連性

変形性膝関節症も脚の機能低下によって引き起こされている部分もあり、膝の不安定さがさらなる怪我を招く可能性があります。

変形性膝関節症を持っている人がが鵞足炎を併発することが珍しくないそうで、約20%超の割合で鵞足炎があったというデータもあるそうです3・4

変形性膝関節症

 

変形性膝関節症による鵞足の変化

怪我によって膝にさらなる負荷が生まれる可能性があります。

  • エコー検査により調べたところ変形性膝関節症を持っている人達のほうが鵞足の付着部の腱の厚さがある傾向にあり、変形性膝関節症の症状が重いほど厚さがあったようです
  • これには色々な可能性が考えられるのですが、まずは炎症などが起こることで厚みが増すことや、負荷に適応して肥大化している可能性なども考えられます。

変形性膝関節症により軟骨がダメージが受けており、膝の衝撃吸収能力が低下していることからより大きな負荷が膝にかかっている可能性が考えられ、これにより 鵞足炎へと発展してしまうことも考えられるかと思います。

 

対処法

痛みや炎症をコントロールしつつ、エクササイズなどで膝周りの筋肉を鍛えることで膝の不安定さを解消しやすくなります。

膝周りには大きな筋肉だけではなく細かな筋肉もあるので、そういったところも忘れずに鍛えることが役に立ちます。

サポーターも膝の安定性を確保するのに役立ちますが、どちらかというと一時的な効果に優れている分、長期的な効果には少し不安が残ります。

筋肉をバランス良く鍛えて天然のサポーターを確保することが長期的には重要になってくるかと思います。

 

まとめ

鵞足炎の負荷を減らすためには膝周りの安定性を確保できるように身体のバランスを整えて いくことが役に立つかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Alvarez-Nemegyei J. Risk factors for pes anserinus tendinitis/bursitis syndrome: a case control study. J Clin Rheumatol. 2007;13(2):63-65.
  2. Uysal F, Akbal A, Gökmen F, Adam G, Reşorlu M. Prevalence of pes anserine bursitis in symptomatic osteoarthritis patients: an ultrasonographic prospective study. Clin Rheumatol. 2015;34(3):529-533.
  3. Toor AS, Limpisvasti O, Ihn HE, McGarry MH, Banffy M, Lee TQ. The significant effect of the medial hamstrings on dynamic knee stability. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2019;27(8):2608-2616.
  4. Sapp GH, Herman DC. Pay Attention to the Pes Anserine in Knee Osteoarthritis. Curr Sports Med Rep. 2018;17(2):41.
  5. Toktas H, Dundar U, Adar S, Solak O, Ulasli AM. Ultrasonographic assessment of pes anserinus tendon and pes anserinus tendinitis bursitis syndrome in patients with knee osteoarthritis. Mod Rheumatol. 2015;25(1):128-133.

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