膝の怪我のメカニズム

膝蓋腱炎と腱の強度低下について

膝蓋腱炎は時にジャンパー膝などとも呼ばれ、ジャンプやダッシュなどの動作を繰り返す人達に発症することが多い症状です。

一般的には膝蓋腱と繋がっている太ももの筋肉の使いすぎによって負荷がかかると考えられています。しかし、単なる練習のしすぎといった要因だけではなく、もしかしたら腱の構造による影響もあるかもしれません。

 

ポイント

  • 膝蓋腱障害には耐久力の低下が伴うことがあります
  • 耐久力が低下している部分が怪我をしやすい傾向にあります
  • 負荷のかけ方次第で腱の耐久力が変わってくる可能性があります

 

腱の耐久性の低さが怪我の原因なのか?

腱の耐久性は低下することがあり、これが怪我に影響することもあります。

  • 膝蓋腱傷害を発症している選手とそうでない健康な選手を比べたところ、膝蓋腱傷害を発症しているグループは膝蓋腱の耐久性が低い可能性があることが報告されています
  • 耐久性が低いということは、同じ力でもより多くのストレスが膝蓋腱へかかるということを意味しています。

このように同じ競技に取り組んでいても腱の耐久性に違いがでることがあるようです。

 

耐久性が低い部分が怪我をしやすい

腱の耐久性は怪我のしやすさに関係していて、耐久性の低いところは怪我をしやすい傾向にあります。

膝の痛み

  • 一般的には膝蓋腱の遠位部の耐久力が高いと言われています
  • 実際に膝蓋腱障害を発症した人は耐久性が弱いとされている近位部を怪我している傾向にあります

このことから膝蓋腱の耐久性と怪我を発症傾向に関連性が考えられます。

 

負荷への適応と腱の強度

人の身体は適切な負荷がかかることで適応していきます。

大腿四頭筋の解剖図

  • 適切な負荷を与えることでその機能は高まり、反対に過剰な負荷や弱すぎる負荷ではその機能が弱っていく可能性があります
  • 例えば大腿四頭筋が硬くなってしまうことは過剰な負荷がかかっているサインであり、大腿四頭筋の硬さは膝蓋腱炎リスクであると考えられています

膝蓋腱へ適切な負荷を与えていくことでより耐久性が増し、怪我をしにくい状態にしていくことが役に立ちます。

 

膝蓋骨や筋肉が適切に働いているのか?

膝蓋腱の不適切な働きにはたくさんの要素が考えられます。

 

膝蓋骨と物理的な優位性

(Dan et al 2018より引用)

例えば上の図のように膝蓋骨の位置や角度が違うことで物理的な優位性が変わってきます

膝蓋骨が適切な状態にないことで、物理的な優位性を失い通常よりも大きな負荷がかかってしまうことが考えられるのではないでしょうか。

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まとめ

腱の耐久力の低下だけが全ての原因ではありませんが、膝の機能を改善していき適切な負荷を与えることができると怪我に強い状態へとなっていくかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Couppé C, Kongsgaard M, Aagaard P, et al. Differences in tendon properties in elite badminton players with or without patellar tendinopathy. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports.

  2. Kongsgaard M, Reitelseder S, Pedersen TG, et al. Region specific patellar tendon hypertrophy in humans following resistance training. Acta Physiol (Oxf). 2007;191(2):111-121.

  3. Pearson SJ, Hussain SR. Region-specific tendon properties and patellar tendinopathy: a wider understanding. Sports Med. 2014;44(8):1101-1112.

  4. Witvrouw E, Bellemans J, Lysens R, Danneels L, Cambier D. Intrinsic Risk Factors for the Development of Patellar Tendinitis in an Athletic Population: A Two-Year Prospective Study
  5. Dan M, Parr W, Broe D, Cross M, Walsh WR. Biomechanics of the knee extensor mechanism and its relationship to patella tendinopathy: A review. Journal of Orthopaedic Research. 2018;36(12):3105-3112.

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