身体のケア

筋力検査をやっても筋力不足が見落とされることがある

弱い筋肉をしっかりと鍛えることが怪我を防ぐために大切です。

私自身そう信じて身体を鍛えてきましたが、それでも筋力不足が見落とされることがあります。

 

アメリカ留学時にスポーツ医学の現場で行われいたトレーニング方法の全てをメモし、その全てのエクササイズをやり込んでも筋力不足が残っていました。

筋力不足は見落とされやすい、そんな話を書かせていただきたいと思います。

 

弱い筋肉を鍛えることの大切さ

ランニング筋肉

全身にはたくさんの筋肉があります。

その中でも自分の好きな筋肉を集中的に鍛えたくなるもので、細かい筋肉などは忘れ去られることがよくあります。

弱い筋肉があると、そこからほころびが出る可能性があります。

運動量が増えたり、持ち上げる重量が増えたりすると、細かい筋肉をおろそかにしていることが怪我へとつながる可能性があります。

 

このため弱い筋肉をトレーニングで補強していくことが怪我予防の上でとても大切なのですが、

意外にも「どの筋肉が弱いのか?」ということがわかりにくいのです。

 

一般的な筋力検査の長所と短所

筋力検査の種類

手で抵抗を加えて筋力を計測するもので、徒手筋力検査などと呼ばれています。

特別な道具もいらず簡単にでき、筋力も5段階評価とシンプルなものになっています。

理学療法

専用の設備を使って筋力を数値化することもあります。

手術後のリハビリなどで、こういった設備が用いられることがあります。

(Drover et al 2004より引用)

長所

筋力検査を行うことのメリットは著しい筋力不足を調べることができることです。

怪我でしばらく身体を動かさない、運動をしていないと筋肉がどんどん衰えていきます。

こういった大きな怪我や手術などにおける、著しい筋力不足を検査するのに適した方法であると言えます。

 

短所

大きな怪我や手術をしている人向けであること

一般的な筋力検査の弱点は著しい筋力不足でなければ見落とされることがあることです。

大きな怪我や手術をしている人ならばいいのですが、アスリートなど普段から運動している人の筋力不足がわかりにくいことです。

スプリント

5段階評価という小さな枠の中だけで評価するのは限界がありますし、機械で数値化しても筋バランスの評価には限界があります。

 

スポーツの動きとの関連性に限界があること

一般的な筋力検査ではシンプルな動きの中で特定の筋肉を検査しますが、スポーツなどの複雑な動きと必ずしも関係していないことがあります。

ベッド上での検査がスポーツのパフォーマンスは別物であることは珍しくありません。

スポーツにおいては複数の筋肉をまとめて使うことが多いため、筋肉の連動性を考慮した上で筋力検査を行うことが大切ではないかと思います。

 

エクササイズの中で筋力を評価

エクササイズやトレーニングをやりながら、その中で筋力を評価することが広く行われている方法かと思います。

 

長所

エクササイズの中で筋力評価をするメリットは効率が良いことです。

筋力評価とトレーニングを同時に行うことができます。

ボックスジャンプ

例えば、ジャンプの飛距離や高さで脚の筋肉のつき方がある程度わかりますし、ジャンプは脚の筋肉を鍛えるトレーニングにもなります。

サイドプランク

体幹トレーニングがうまくできなければ体幹が弱いと考えることができますし、これ自体がすでにトレーニングになっています。

 

評価とトレーニングがセットになっていて効率が良いので、エクササイズの中で筋力を評価することが広く取り入れられていると思います。

 

短所

筋肉の働きを評価する精度に限界がある

エクササイズで大まかな筋力不足をしらべることはできても、ひとつひとつの筋肉の働きまで詳細に調べることはできません。

ランジ解剖

現場ではエクササイズの動作をみて「〇〇筋が弱い」と判断することも多々あるかと思いますが、これは主観的な推測であり、実際にその筋肉を調べてみないと確証は得られません。

とはいえ他に良い方法がないので、このような経験と勘による評価を行うことが現実的な選択肢となります。

 

痛みや怪我に必ずしも関係していないことがある

トレーニングをやること自体が目的ではなく、痛みや違和感を減らしてスポーツのパフォーマンスを上げることが目的です。

できるだけ多くのエクササイズをこなせることが望ましいですが、トレーニングやエクササイズの出来と痛みや怪我が必ずしも関係していないことがあります。

ウェイトリフティング

トレーニングやエクササイズの種類が山ほどある中で、効果のある適切なものを選ぶことが重要になってくるのですが、

その選択には主観的で曖昧な部分も多くあります。

 

一定レベルに達した人への効果が低い

全てのエクササイズをやればいいかのかというと、そこまで単純なものではないと思います。

私はアメリカ留学時にスポーツ医学の現場で行われていたエクササイズの全てをメモを取り、その全てのエクササイズを何度も練習して身体を鍛えたことがあります。

その結果、私が抱えていた膝の痛みはある程度軽減されましたが、それでも長距離を走ると膝に違和感が残りました。

 

動きの中で筋力を検査する方法

痛みや違和感が出る動作の中で筋肉の働きを調べることが望ましいです。

例えばスクワットで膝の痛みがでるならば、スクワットの中で1個1個の筋肉を検査することで有益な情報が得られます。

理論上はこのような方法が望ましいのですが、現実的にはこのような方法はあまり行われていません。

なぜなら、技術的にこのような方法を取り入れることが簡単ではないからです。

 

筋電図による評価

スポーツの動きのなかで筋肉の働きを調べる際には、筋電図が使われることがあるかと思います。

(Luera et al 2014より引用)

筋電図はセッティングやデータ処理に時間がかかるし、そもそも精度がそんなに高くありません。

研究目的で筋電図が使われることは多々ありますが、使い勝手の悪さからかスポーツ医学の現場で使われることは少ないです。

筋電図

私自身が自腹で筋電図を購入して色々と試したことがあります。

「革命を起こすぞ〜!」と数十万円を支払って購入した筋電図は、妻からガラクタと言われてしまっています。

 

独自開発の筋力検査

従来の筋力検査だけではその精度に限界があるのではないか?もっと有益で使える方法はないか?

と何年も試行錯誤を重ねた結果、独自開発の筋力検査を生み出すことができました。

通常の筋力検査は「〇〇kg」といった力の強さが検査結果になりますが、

独自開発の筋力検査ならば、その筋肉を鍛えた場合に「痛みが減る・減らない」という検査結果が約10秒で出ます。

 

例えば、マラソンで膝に違和感があるのならばマラソンに近い動きで筋力検査を行い、

その筋肉を鍛えるとマラソン時の「違和感が減る・減らない」ということを約10秒で教えてくれるわけです。

より直接的で有益な検査結果を出すことができます。

 

この新たな方法を開発してわかったことは、筋力不足が見落とされていることが想像以上に多いということです。

私自身アメリカでたくさんトレーニングをして鍛えたつもりになっていたのですが、まだまだ筋力不足がありました。

 

どの筋肉が筋力不足なのかを知ったうえでトレーニングをすることで、必要なところに効かせることができるようになります。

私が抱えていた長年の違和感は消え去りました。

 

まとめ

筋力検査には精度に限界があるため、筋力検査を行っても筋力不足が見落としてまうことがあります。

しっかりと弱い筋肉を見極めた上でトレーニングをすることで、高い効果を生み出せる可能性があります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

Drover JM, Forand DR, Herzog W. Influence of Active Release Technique on Quadriceps Inhibition and Strength: A Pilot Study. Journal of Manipulative & Physiological Therapeutics. 2004;27(6):408-413. doi:10.1016/j.jmpt.2004.05.006

Luera MJ, Stock MS, Chappell ADW. Electromyographic Amplitude vs. Concentric and Eccentric Squat Force Relationships for Monoarticular and Biarticular Thigh Muscles. Journal of Strength and Conditioning Research. 2014;28(2):328-338. doi:10.1519/JSC.0b013e3182a1f434

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