「身体が発するメッセージに気がつく」というのは簡単なことではなく、高いレベルで実現するには意識的に取り組んでいくことが大切になります。そこで身体の声に気がつくために具体的に何をしたらいいのかを説明させていただきたいと思います。
何かがおかしいという違和感を大事にする
何かがおかしいということを早い段階で気がつくことはとても大事です。あきらかな痛みであれば誰にだってわかりやすいかと思います。ポイントは、わずかな違いに気が付けるかどうかです。
ちょっとした違いなので、それを無視してスポーツをすることもできますし、熱中しているうちに違和感を感じていたことは忘れ去っているかもしれません。しかし、その小さな違和感に気がつくことが大事なんです。ただの違和感だと片付けるのではなく、その小さなズレもキッチリと修正していくことが大事です。
ここで注意したいポイントとして、小さな違和感は意外と修正することが難しいという問題があります。せっかく違和感を見つけることができたとしても、それを修正することができなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。ここは腕がものをいうところで、選手や施術者の腕によって差が生まれるところです。ささいな違和感を修正できる腕を持っている人ほど、後々大きな財産となっていくことでしょう。
左右差で比べて違和感を探してみる
まずは左右で同じ動きをしてみることをお勧めしています。例えば、単に腕をあげる動作でも多くの人は左右に小さな違いがあるのです。
上腕骨の位置や、首の筋肉の張り具合、肩甲骨の動き、肩甲骨の滑らかさ、骨と骨がぶつかるような感覚、思わず手が前に挙がってしまうこと、例をあげればキリがありません。左右で比べることのメリットは、比較対象があるのでわかりやすいことです。
毎日の練習後に左右差を比べ続けてみると、疲労が溜まっていくにつれて左右差がどんどん大きくなっていくことに気がつくことでしょう。大きな怪我に発展する前にこういった些細な違いに気がつくことができるようになると、怪我を未然に防ぐことに役に立ちます。そして、身体を良い状態に整えることができるのでスポーツのパフォーマンス向上にもつながっていきます。
力の流れが滞っているところを探してみる
力がうまく伝わらない部分に何かしらの改善点があることがあります。
多くのスポーツは全身の連鎖運動によって成り立っています。物理エネルギーが連鎖的に伝わっていくのです。
参照:https://www.quora.com/What-does-kinetic-chain-mean
ピッチング動作でいえば、地面からの反力が脚を伝わり、体幹を伝わり、やがて腕に一点集中して大きな力として放出されます。
この力の流に意識を払ってみてください。そう簡単なことではありませんが、注意してみると力の流れが滞っているところに気が付くことができます。
どこか力がうまく伝わっていない部分があると、その周辺に負荷が集中しやすくなってしまいます。負荷が高い状態を繰り返していると、やがて炎症や痛みとして身体に症状が表れて来ます。まずは力の流れがスムーズになるように身体をケアしてみてください。より効率的な動きを実現しやすくなります。決して簡単なことではありませんが、これができるようになると怪我の予防とパフォーマンス向上に大いに役に立つことでしょう。
まとめ
身体が発するメッセージに早く気がつくことで怪我の予防やパフォーマンスのアップをすることができます。ささいな違和感や左右差、力の伝達などを感じてみることが役に立つかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。