腰痛のメカニズム

寝具や寝る時の姿勢で本当に腰痛が軽減されるのか?

睡眠と腰痛

腰痛を抱えている人は寝ている時にも腰痛に悩まされることがあり、寝具や寝る姿勢を変えることで腰痛が楽になることがあります。

世間では柔らかいマットレスがいい、硬いマットレスがいいなど、様々な情報が飛び交っており何が正しいのかわからないことがあります。

ここで科学的な知見を交えながら、本当に腰痛を軽減できるのかどうかについて書かせていただきたいと思います。

 

ポイント

  • 寝ている時に脊柱がニュートラルになるようなが好ましいとされています。
  • マットレスの硬さは中くらいが良い傾向にありますが、体格によって最適な硬さが変わる可能性があります。
  • 寝ている時の体重の分散やクッション性能に関しては議論が分かれ、明確な結論は得られていないようです。

 

ベッドやマットレスと腰痛

ベッドやマットレスを評価するのに様々な指標が用いられています。

マットレスの体重の分散

マットレスやベッドが体重をどのように分散するのか?ということが指標のひとつに用いられますが、

どのように体重や圧力の分散をしたらいいのかは議論が分かれており、明確な結論は得られていないようです

マットレス圧力の分散

寝具のセールスポイントのひとつとして目にすることも多いかもしれませんが、統計上は再現性が高くない指標なので参考程度にしておくことが無難かと思います。

 

マットレスの硬さ

ベッドやマットレスは硬い方が腰痛に良い、など様々な説で溢れていますが、

統計上は中くらいの硬さのマットレスが痛みの軽減効果があるという結果になっています

これは証明力の強いシステマティックレビューによる研究結果であり、やはり極端に硬すぎず柔らかすぎないほうがいいかもしれません。

マットレスの硬さ

興味深い点は人によって好みの硬さが異なるという点であり、主観的な要素にも影響されやすいということです。

人によって硬いベッドが効果的、柔らかいベッドが効果的、という違いがあります。

寝具に関して様々な説が溢れているのは個人差も影響していると思います。

 

自分に合ったものを選ぶということは大切なことで、

ベッドやマットレスの硬さを自分で調整したり、マットレスをオーダーメイドのものすると腰痛の軽減効果がみられたという研究結果も出ています

 

寝ている時の脊柱のアライメント

寝ている時の姿勢寝る時の腰痛

寝ている時に背骨が曲がった状態では腰痛に影響する可能性があると考えられていて、

背骨がニュートラルな状態で寝ることが腰痛を軽減させると考えられています2・4

 

寝具の選択は脊柱のアライメントに影響を及ぼす可能性がありますし、

その人の体重によって脊柱をニュートラルにするためのマットレスの硬さなどが変わってくる可能性があります

寝る時の姿勢と腰痛

マットレス腰痛

このためどの姿勢が良いのかは、寝具によっても左右されることがあります。

 

寝る姿勢の調整

新しく寝具を購入するとなるとそれなりの費用がかかりますが、

寝る時の姿勢を工夫することで脊柱をニュートラルに近づけることができ、腰痛が楽になることがあります。

例えば、横になって膝を曲げて、その膝の間に枕を挟むことが腰痛を軽減させる方法のひとつとして知られています。

寝る時の姿勢

他にも、仰向けの状態で腰や膝の下にクッションを置いて調整するのもひとつの方法となっています。

これらの方法は簡単にできる方法であり、試してみて効果があったらラッキーくらいの認識でいいかもしれません。

 

考察

腰痛

腰痛にも様々な種類があり、腰を反ると痛みが出る場合、背中を丸めると痛みが出る場合などが違ってくることがあります。

このため腰痛が楽になるような姿勢が違ってくるということが起こり得ますし、誰にでも当てはまる絶対的に正しい姿勢というものはないかと思います。

 

ただ、腰痛を抱えている人は普段の生活において自分に合っていない姿勢を取っていることも珍しくないので、

寝具を変えてみる、寝る姿勢を変えてみるという選択で腰痛が楽にできる可能性はあるかもしれません。

 

クッション性に優れているなど様々なセールスポイントを持った寝具が販売されていますが、

客観的な科学的検証の結果では腰痛を軽減できるような再現性の高い方法はそんなに多くないようです。

 

脊柱のアライメントがニュートラルになるような寝具が腰の負担を軽減するのに好ましく、

中くらいの硬さのマットレスが効果的な傾向にありますが、体格などにも左右されるので最後はその人に合っているかどうかがポイントになります。

 

まとめ

腰痛を抱えている人は寝具が合っていなくて寝ている時にも腰に負荷がかかっている可能性もあるため、

自分に合った楽になる寝具を見つけることが役に立つ可能性があります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Jacobson BH, Boolani A, Dunklee G, Shepardson A, Acharya H. Effect of prescribed sleep surfaces on back pain and sleep quality in patients diagnosed with low back and shoulder pain. Applied Ergonomics. 2010;42(1):91-97. doi:10.1016/j.apergo.2010.05.004
  2. Radwan A, Fess P, James D, et al. Effect of different mattress designs on promoting sleep quality, pain reduction, and spinal alignment in adults with or without back pain; systematic review of controlled trials. Sleep Health. 2015;1(4):257-267. doi:10.1016/j.sleh.2015.08.001
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  5. Leilnahari K, Fatouraee N, Khodalotfi M, Sadeghein MA, Amin Kashani Y. Spine alignment in men during lateral sleep position: experimental study and modeling. BioMed Eng OnLine. 2011;10(1):103. doi:10.1186/1475-925X-10-103

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