前十字靭帯損傷

前十字靭帯の緩みによって引き起こされる代償動作

前十字靭帯損傷により身体の動きが変わり、代償動作が引き起こされることが珍しくありません。

ここで前十字靭帯が緩いことで引き起こされる代償動作のメカニズムについて書かせていただきたいと思います。

 

ポイント

  • 前十字靭帯が緩いと膝が不安定になり、怪我のリスクが高まります。
  • 前十字靭帯が緩いことで特定の筋肉の活動量が高まることがあります。
  • ジャンプの着地時などに膝を固めて膝の不安定さを補うことがあります。

 

前十字靭帯の緩さ

前十字靭帯には膝を安定させ、骨が変な方向に動かないように固定させる役割があります。

しかし靭帯が緩くなってしまうと、強度が低下して膝が不安定になってしまいます。

 

前十字靭帯損傷

これに加えて前十字靭帯が緩いと関節位置の把握が鈍くなります

これは前十字靭帯にも身体の動きを検出するセンサーの役割があり、靭帯が緩いことでセンサーの働きが悪くなると考えられるためです。

前十字靭帯損傷におけるバランス感覚の低下について

 

前十字靭帯が緩いことによる代償動作

前十字靭帯が緩いと、筋肉の活動量を高めて膝を固めようとする代償動作が生まれる可能性があります。

  • 前十字靭帯が緩いとジャンプの着地時などにハムストリングスやふくらはぎの筋肉の活動量が増える可能性が示唆されています1・2
  • 前十字靭帯が緩いと膝を固めるようなジャンプ着地動作になることが報告されています
  • 前十字靭帯が緩いと筋肉の反応速度が低下することが報告されています

代償動作は千差万別であるため特定の動きを示すわけではありませんが、筋肉の活動量を高める、膝を固めるといった傾向があります。

ジャンプの着地と前十字靭帯への負荷

 

考察

ここからは考察になりますが、いち専門家の考察というのは客観的な証明力が弱いという前提で読んでいただければと思います。

 

前十字靭帯が緩いということは膝が不安定な状態であるため、これを補うように身体が反応するのではないかと考えられます。

靭帯の緩さは膝を固めることである程度補うことができるため、膝を固めるような代償動作が誘発されるのではないかと思います。

膝のサポーター

できることならば多くの筋肉を動員して膝を安定させたいところですが、

神経の連携がうまくいかずに特定の筋肉ばかり動員してしまったり、センサーの働きが悪く適切なタイミングで筋肉を働かせることができなかったりと、

どこか不完全な部分も多々見受けられるかと思います。

 

そして実際には他の要因も混ざってくるため研究結果の通りにはならないことも多いかと思います。

例えば特定の筋肉が弱かったり、膝に痛みを抱えていたりすると制約も多くなるため、効率的な身体の使い方がしにくくなる可能性があります。

その結果、できる範囲でなんとか膝を守ろうとするため効率的とは言えないような代償動作となることもあるのではないかと思います。

 

まとめ

代償動作には様々な要因がありますが、身体を守るために関節の不安定さを補おうとする場合もあります。

代償動作を減らすためには関節を安定させていくことが役に立つかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Rozzi SL, Lephart SM, Gear WS, Fu FH. Knee joint laxity and neuromuscular characteristics of male and female soccer and basketball players. Am J Sports Med. 1999;27(3):312-319. doi:10.1177/03635465990270030801
  2. Shultz SJ, Carcia CR, Perrin DH. Knee joint laxity affects muscle activation patterns in the healthy knee. J Electromyogr Kinesiol. 2004;14(4):475-483. doi:10.1016/j.jelekin.2003.11.001
  3. Keizer MNJ, Hijmans JM, Gokeler A, Benjaminse A, Otten E. Healthy subjects with lax knees use less knee flexion rather than muscle control to limit anterior tibia translation during landing. J Exp Orthop. 2020;7(1):32. doi:10.1186/s40634-020-00246-6

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