変形性膝関節症

軟骨の構造と変形性膝関節症のリスクについて

変形性膝関節症

関節の軟骨は水分とコラーゲン、そしてプロテオグリカンなどから構成されています。これらの軟骨を構成する要素はMRIなどにより測定することができ、その構造の変化によって膝の衝撃吸収能力に影響を与える可能性があります。これにより変形性膝関節症へと繋がる関係性を調べることができます。

 

ポイント

  • プロテオグリカンには衝撃吸収能力があります
  • コラーゲンには衝撃吸収能力や耐久性に影響を与えます
  • 水分にも衝撃吸収能力があります

 

プロテオグリカンについて

プロテオグリカンも衝撃吸収能力や膝の機能と関係しています。

 

軟骨がダメージを受ける前の変化をMRIで確認することができ、早い段階で変形性膝関節症などを発見するために使われていたりするそうです。

具体的にはMRIのT1ρ relaxation timeが軟骨の中のグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan)という物質と関係していて、この物質の量は軟骨の剛性や衝撃吸収能力に影響を与える可能性があります

(Matzat et al 2013より引用)

いわゆるヒアルロン酸やコンドロイチンなどといったものはこのグリコサミノグリカンの分類になるようです。

ちなみに、グルコサミン等を摂取しても効果があまり期待できないことに注意が必要です(全日本民医連ホームページより)。というのも、グルコサミンを生成するにはブドウ糖なども必要であり、サプリメントなどでは軟骨を改善させるための十分な材料が確保できないからです。ですのでサプリメントを買う前に、まずはご飯をしっかりと食べることをおすすめします。

サプリメント

 

コラーゲンについて

軟骨のコラーゲンも衝撃吸収能力に影響を与える可能性があります

このコラーゲンの状態や配列の変化がその後の変形性膝関節症の発症率に影響していることが報告されています5・6。軟骨における水分やコラーゲンの構造などはMRIのT2 relaxation timeにて調べることができます

 

参照https://fxmed.co.nz/collagen-a-natural-alternative-for-musculoskeletal-conditions-2/

ここで健康な人と変形性膝関節症を持っている人を比べた研究があり、興味深いことに軟骨の量や厚さに差は見られなかったものの、コラーゲンの構造や水分などには重要な違いがあったことが報告されています

ちなみに、コラーゲンやプロテオグリカンの変化による衝撃吸収能力への影響を直接調べた研究は限られていました。衝撃吸収能力に対する影響は、身体の他の部位に対する研究結果や一般的な考え方などからきているのではないかと思われます。

 

水分について

水分は衝撃を和らげることができます。

水分

炎症を起こした時に負傷箇所に水分が溜まるのは血液などの循環や防衛物質の提供などの役割がありますが、衝撃を吸収して身体を守る為という考え方もあります。

また、股関節は水分を逃さないように股関節包で覆われているなんてことも報告されています。

このように水分には衝撃吸収の役割があると考えられています。

 

まとめ

軟骨の構造の変化などにより衝撃吸収能力が低下していることが変形膝関節症の兆候かもしれません。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

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  6. Joseph GB, Baum T, Alizai H, et al. Baseline mean and heterogeneity of MR cartilage T2 are associated with morphologic degeneration of cartilage, meniscus, and bone marrow over 3 years--data from the Osteoarthritis Initiative. Osteoarthr Cartil. 2012;20(7):727-735.
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  8. Matzat SJ, van Tiel J, Gold GE, Oei EHG. Quantitative MRI techniques of cartilage composition. Quantitative Imaging in Medicine and Surgery. 2013;3(3):162-174-174.

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