変形性股関節症

変形性股関節症と歩行動作への影響について

歩行動作は身体の状態を表すバロメーターのひとつであり、歩行動作の変化が時に貴重な情報をもたらすことがあります。そこで今回は変形性股関節症の人達の歩行動作がどのように変化するのかについて書かせていただきたいと思います。

 

ポイント

  • 変形性股関節症の特徴として、ゆっくり歩くことや、歩幅が短いといった傾向があるようです
  • 股関節の可動域がその後の悪化するかどうかに関係しているそうです
  • 筋力の低下も変形性股関節症と関係しており、定期的な運動も大切になります

 

変形性股関節症の歩行動作の特徴

変形性股関節症の人達の歩行動作の特徴として、ゆっくり歩くことや、歩幅が短いこと、股関節の可動域が小さいといった傾向があるようです

橋の上を歩く人

中には歩行時の股関節の負荷が大きくなっているという報告もあるものの、全体的には歩行時の負荷が小さいという傾向にあるようです3〜5

この理由のひとつとして、変形性股関節症を抱えている人達はゆっくり歩いているため負荷が軽減されている可能性があります。逆に言うと、身体に不調があるからこそゆっくりとしか歩けないことも考えられます。

 

柔軟性や姿勢による影響

可動域の低下や姿勢が股関節痛に関係している可能性があります。

  • 変形性股関節症を持っている人の歩行動作の特徴を調べ、その後1年間でどのように変化したのかを追跡した研究があり、股関節の可動域がその後の股関節痛が悪化するかどうかに関係している結果となったそうです
  • 同じ研究において姿勢の違いを調べたところ、猫背や脊柱の柔軟性の低下の低下が身体機能の低下と関連していたそうです

猫背

このため股関節の可動域を改善するためのストレッチや、お尻の筋肉を鍛えるエクササイズ、姿勢を改善していくことが大切かもしれませんね。

 

筋力の低下が関連している?

変形性股関節症と筋肉には関係があり、このように筋肉の使われ方にも変化が生じていることがあります。

 

変形性股関節症と筋肉に関する研究

  • 変形性股関節症の人達は小臀筋がより早く働く傾向があり、より症状が重い人ほどこの傾向が顕著であったという報告があります
  • 一般的に変形性股関節症の人達は筋力が低下している傾向にあり、これが歩行動作が変化している要因のひとつかもしれません。
  • 筋力を鍛えても簡単には歩行動作が改善されないという報告もあり、筋肉を鍛えるだけで解決できるような単純なものはないかと思います。

このように議論は残るものの、定期的に有酸素運動をするなど運動の習慣があることで症状が改善させる可能性があるようです10

マラソン

やはり定期的に身体を動かすことは大事になってくるかと思います。身体の状態と相談しながら、できる範囲で身体を動かす習慣を持つことが役に立つのではないでしょうか。

 

まとめ

身体をかばうために歩行動作が小さくなる可能性がありますが、身体のケアをしながら定期的に運動やエクササイズをすることで徐々に身体が良い方向に変化していくかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Eitzen I, Fernandes L, Nordsletten L, Risberg MA. Sagittal plane gait characteristics in hip osteoarthritis patients with mild to moderate symptoms compared to healthy controls: a cross-sectional study. BMC Musculoskelet Disord. 2012;13(1):258.

  2. Liao T-C, Samaan MA, Popovic T, et al. Abnormal Joint Loading During Gait in Persons With Hip Osteoarthritis Is Associated With Symptoms and Cartilage Lesions. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. Published online November 30, 2019.

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  4. Eitzen I, Fernandes L, Nordsletten L, Risberg MA. Sagittal plane gait characteristics in hip osteoarthritis patients with mild to moderate symptoms compared to healthy controls: a cross-sectional study. BMC Musculoskelet Disord. 2012;13(1):258

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  7. Zacharias A, Pizzari T, Semciw AI, English DJ, Kapakoulakis T, Green RA. Comparison of gluteus medius and minimus activity during gait in people with hip osteoarthritis and matched controls. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports. 2019;29(5):696-705.

  8. Judd DL, Thomas AC, Dayton MR, Stevens-Lapsley JE. Strength and functional deficits in individuals with hip osteoarthritis compared to healthy, older adults. Disabil Rehabil. 2014;36(4):307-312.

  9. Krauss I, Hein T, Steinhilber B, Janßen P. A 12-week exercise program for patients with hip osteoarthritis has no influence on gait parameters: A secondary analysis of a randomized controlled trial. Gait Posture. 2020;78:6-12.

  10. Goh S-L, Persson MSM, Stocks J, et al. Relative Efficacy of Different Exercises for Pain, Function, Performance and Quality of Life in Knee and Hip Osteoarthritis: Systematic Review and Network Meta-Analysis. Sports Med. 2019;49(5):743-761.

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