ハムストリングスの肉離れ

ハムストリングスの肉離れと走行距離による影響

ハムストリングスの肉離れはダッシュやスプリントなど速いスピードで走っている時に起こりやすいのですが、走行距離や練習量などによっても影響されることがあります。

関連する文献を交えながら、走行距離とハムストリングスの肉離れの関係についてご紹介していきたいと思います。

 

ポイント

  • ダッシュやスプリントの回数や頻度が増えてくるとハムストリングスの肉離れのリスクになります。
  • 走行距離が増えてくるとハムストリングスの肉離れにつながることもあります。
  • 普段慣れていないような量のダッシュやスプリントをすると肉離れを起こしやすく、慣れている量であれば多少運動量が増えても肉離れにはつながりにくいようです。

 

走行距離とハムストリングスの肉離れ

練習や試合などで走行距離が長くなってくるとハムストリングスの肉離れにつながることがあります。

サッカーの練習

  • GPSによりフットボール選手の走行距離を1シーズン追跡したところ、走行距離が増えるとハムストリングスの肉離れが増えることが報告されています
  • 別の類似の研究では2シーズンにわたり練習と試合を追跡したところ、走行距離とハムストリングスの肉離れに関係がみられなかったことが報告されています

このように走行距離は決定的な要因ではないものの、走行距離が増えてきた時には怪我のリスクに注意が必要かもしれません。

 

スプリントの頻度とハムストリングスの肉離れ

ダッシュやスプリントの頻度や回数が増えてくるとハムストリングスの肉離れのリスクが高まるようです。

  • GPSによりフットボール選手を2シーズンにわたり練習と試合を追跡したところ、スプリントやダッシュの回数が増えるとハムストリングスの肉離れのリスクが高まることが報告されています
  • 選手個人の2年間の平均的なダッシュ回数よりも増えると、数週間以内にハムストリングスの肉離れを引き起こしやすいようです
  • 別の研究においてもスプリントやダッシュの量を急激に増やすと肉離れを起こしやすく、普段から多くのダッシュやスプリントをしている選手は肉離れを起こしにくいそうです

このように普段慣れていないような量のダッシュやスプリントをするとハムストリングスの肉離れを起こしやすく、

特に持久力が低い選手がダッシュやスプリントの量を急激に増やすことには注意が必要かもしれません。

ハムストリングスの肉離れと筋持久力や筋疲労との関係

 

スポーツのシーズンと肉離れ

スポーツではシーズンによってコンディションや試合数が変わったりすることがありますが、急激に運動量が増える時期にはハムストリングスの肉離れも起こりやすくなるかもしれません。

サッカーのウォームアップ

例えば、長い休養が明けてシーズンが始まった時にハムストリングスを肉離れしやすかったり4・5、あるいはシーズン中に試合数が増えてくると肉離れをしやすい可能性が考えられます

ヨーロッパサッカーを14年間で13万試合以上分析した研究では、試合の間隔が5日以内になると筋肉系の故障のリスクが高まることが報告されています

いずれにしても、慣れていない状態で急激にダッシュやスプリントの回数が増えてくることに注意が必要かもしれません。

 

まとめ

ハムストリングスの肉離れはダッシュやスプリント動作によって引き起こされやすく、急激に練習量を増やすなど普段慣れないような量は肉離れにつながることがあります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Ruddy JD, Pollard CW, Timmins RG, Williams MD, Shield AJ, Opar DA. Running exposure is associated with the risk of hamstring strain injury in elite Australian footballers. Br J Sports Med. 2018;52(14):919-928. doi:10.1136/bjsports-2016-096777
  2. Duhig S, Shield AJ, Opar D, Gabbett TJ, Ferguson C, Williams M. Effect of high-speed running on hamstring strain injury risk. Br J Sports Med. 2016;50(24):1536-1540. doi:10.1136/bjsports-2015-095679
  3. Malone S, Owen A, Mendes B, Hughes B, Collins K, Gabbett TJ. High-speed running and sprinting as an injury risk factor in soccer: Can well-developed physical qualities reduce the risk? J Sci Med Sport. 2018;21(3):257-262. doi:10.1016/j.jsams.2017.05.016
  4. Colby MJ, Dawson B, Heasman J, Rogalski B, Gabbett TJ. Accelerometer and GPS-Derived Running Loads and Injury Risk in Elite Australian Footballers. Journal of Strength and Conditioning Research. 2014;28(8):2244-2252. doi:10.1519/JSC.0000000000000362
  5. Clemente FM, Silva R, Castillo D, Los Arcos A, Mendes B, Afonso J. Weekly Load Variations of Distance-Based Variables in Professional Soccer Players: A Full-Season Study. IJERPH. 2020;17(9):3300. doi:10.3390/ijerph17093300
  6. Ekstrand J, Hagglund M, Walden M. Injury incidence and injury patterns in professional football: the UEFA injury study. British Journal of Sports Medicine. 2011;45(7):553-558. doi:10.1136/bjsm.2009.060582
  7. Bengtsson H, Ekstrand J, Waldén M, Hägglund M. Muscle injury rate in professional football is higher in matches played within 5 days since the previous match: a 14-year prospective study with more than 130 000 match observations. Br J Sports Med. 2018;52(17):1116-1122. doi:10.1136/bjsports-2016-097399

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