ハムストリングスの肉離れ

ハムストリングスの肉離れを起こしやすい走り方とは?

ハムストリングスの外側

ダッシュやスプリントなどの全力疾走でハムストリングスの肉離れが起こりやすく、走り方次第ではハムストリングスの負荷へとつながるという考え方もあるかもしれません。

ここで関連する文献を交えながら、走り方とハムストリングスの肉離れの関係についてご紹介していきたいと思います。

 

ポイント

  • 肉離れにつながるようなランニングフォームは少ないようです。
  • ランニング中の体幹やお尻の筋肉の活動量の低下は怪我のリスクとなることがあります。
  • 走るスピードやパワーといった要素もハムストリングスの肉離れに影響を与えます。

 

走る動作とハムストリングスの肉離れ

走る動作を分析するには様々な視点があります。それぞれ大きな要素を見ていきたいと思います。

 

ランニングフォーム

決定的に肉離れにつながるようなランニングフォームはあまりないことが研究で明らかになっています

女性アスリート

一般的にハムストリングスの肉離れは筋肉が引き伸ばされて引き起こされると考えられていますが、

ハムストリングスがより引き伸ばされるような走り方など、ランニングフォームの解析では決定的な要因とまでは言えないようです

というのも一般的に動作解析での怪我予防には限界があり、怪我のリスクと関係していないことも珍しくありません。

ストレッチで肉離れ防ぐには限界がある?

 

根拠は弱いのですが、体幹の傾き、骨盤の前傾などはハムストリングスの肉離れのリスクを高める可能性があるような走り方も少なからずあります。

ハムストリングスの肉離れと骨盤の関係について

 

筋肉の活動量

ランニング時の筋肉の働きが肉離れに関連している可能性があります。

ハムストリングス

  • 肉離れをしたサッカー選手は体幹の筋肉やお尻の筋肉の活動量が少ない傾向にあることが報告されています
  • ハムストリングスの内側・外側の筋肉の働きも肉離れと関連している可能性が示唆されています。

原理原則として全ての筋肉には身体を守る役割があり、基本的に筋肉の働きが著しく低下しているのは好ましくありません。

筋肉をバランス良く鍛えることは怪我を防ぐ上でとても大事であることが多いです。

ハムストリングスの肉離れと大腿二頭筋

 

走るスピード

もしかすると、ランニングフォームよりも走るスピードなどのほうが肉離れへの影響が大きいかもしれません。

スプリンター

  • 練習よりも試合のほうがハムストリングスの肉離れが多いことが報告されています
  • ハムストリングスの肉離れをした選手のほうが足が速い傾向にあったという研究結果もあるそうです
  • 水平方向の力を生み出す能力の低い選手はハムストリングスの肉離れのリスクがあることが報告されています

研究数が少なく強い証明力があるわけではありませんが、少なくとも走るスピードやパワーという要素もハムストリングスの肉離れに影響しているかと思います。

 

考察

ここからは個人的な考察を書かせて頂きますが、いち専門家の意見というのは客観的な証明力が弱いという前提のもと、参考程度に読んでいただけたら幸いです。

 

ランニング動作の分析には様々なものがあるかと思いますが、その中でも注目されやすいポイントとして

・悪いフォームで走っていないか?

・効率的なランニングをしているか?

といった項目があるかもしれません。これはこれで大切なことなのですが・・・

 

一般論として細かなテクニックよりもスピードやパワーという要素のほうがはるかに影響が大きいことが珍しくありません。

どのように最大パワーを生み出しているのか?という視点が意外と大事だったりします。

 

まとめ

kハムストリングスの肉離れにつながるような決定的なランニングフォームは少ないものの、速いスピードで走ることがハムストリングスの負荷へとつながりやすいということを頭の片隅に入れておいたほうがいいかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Kalema RN, Schache AG, Williams MD, Heiderscheit B, Siqueira Trajano G, Shield AJ. Sprinting Biomechanics and Hamstring Injuries: Is There a Link? A Literature Review. Sports. 2021;9(10):141. doi:10.3390/sports9100141
  2. Kenneally-Dabrowski C, Brown NAT, Warmenhoven J, et al. Late swing running mechanics influence hamstring injury susceptibility in elite rugby athletes: A prospective exploratory analysis. Journal of Biomechanics. 2019;92:112-119. doi:10.1016/j.jbiomech.2019.05.037
  3. Schuermans J, Van Tiggelen D, Palmans T, Danneels L, Witvrouw E. Deviating running kinematics and hamstring injury susceptibility in male soccer players: Cause or consequence? Gait & Posture. 2017;57:270-277. doi:10.1016/j.gaitpost.2017.06.268
  4. Schuermans J, Danneels L, Van Tiggelen D, Palmans T, Witvrouw E. Proximal Neuromuscular Control Protects Against Hamstring Injuries in Male Soccer Players: A Prospective Study With Electromyography Time-Series Analysis During Maximal Sprinting. Am J Sports Med. 2017;45(6):1315-1325. doi:10.1177/0363546516687750
  5. Ekstrand J, Hägglund M, Waldén M. Epidemiology of Muscle Injuries in Professional Football (Soccer). Am J Sports Med. 2011;39(6):1226-1232. doi:10.1177/0363546510395879
  6. Ishøi L, Thorborg K, Hölmich P, Krommes K. Sprint Performance in Football (Soccer) Players with and without A Previout Hamstrings Strain Injury: An Explorative Cross-Sectional Study. Intl J Sports Phys Ther. 2020;15(6):947-957. doi:10.26603/ijspt20200947
  7. Edouard P, Lahti J, Nagahara R, et al. Low Horizontal Force Production Capacity during Sprinting as a Potential Risk Factor of Hamstring Injury in Football. IJERPH. 2021;18(15):7827. doi:10.3390/ijerph18157827

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