股関節の怪我のメカニズム

大臀筋のエクササイズ

大臀筋の解剖図

大臀筋は身体で一番大きな筋肉であり股関節を伸ばす働きがあります。ランニング動作やジャンプ動作などあらゆる動作に関わってくるとても重要な筋肉で、お尻が発達しているといい選手だと言われていたりします。

大臀筋はとても重要な筋肉なのですが、お尻をうまく使えないために他の筋肉でカバーしていたりすることが珍しくありません。これを示すかのように、膝周りの筋肉に比べて大臀筋が発達している選手のほうが100メートル走のタイムが速かったという研究結果もあります

 

大臀筋と怪我のリスクについて

お尻をうまく使えないことは身体のあらゆるところへと影響し、腰痛や膝、足首の怪我などのリスクとも関係しています。

  • アキレス腱障害を持っているランナーは大臀筋の働くタイミングが遅延している傾向にある
  • ハムストリングスの肉離れを発症したサッカー選手は大臀筋の働きが低下していた
  • 慢性的な腰痛をもっている人はそうでない人と比べて大臀筋が発達していない

このように全身のいたるところの怪我と大臀筋の働きが関係しているという研究が多く報告されています。大臀筋はパワーを生み出すために大切で、大臀筋がしっかりと機能しないと他の部位でカバーしなければいけず負荷が高まってしまう傾向にあります。

 

大臀筋のエクササイズ

大臀筋にうまく力が入らないということがよくあり、特に怪我をしている人にこういった傾向が強くなります。そのためシンプルで負荷の少ないエクササイズから徐々に大臀筋の使い方を覚えることが重要です。うまくできない場合にはより簡単なエクササイズに取り組むことをオススメしています。簡単そうに見えるエクササイズでもなかなかお尻をうまく使えないということがあるためです。

 

Prone Gluteus Extension エクササイズ

まずはお腹が床についた状態の大臀筋のエクササイズから始めてみましょう。股関節から脚を動かすイメージでそのままゆっくりと数センチ足を挙げます。この動作を繰り返しましょう。

エクササイズを実施するときのポイントとして・・・

  • 足を上げる時にお尻に力が入っていることを感じながらエクササイズを行いましょう。
  • 腰から動かしてしまうと他の筋肉が働いてお尻の筋肉への効果が下がってしまうので、下腹部は床につけたまま股関節から動かしましょう。
  • 股関節の可動域が限られているので、足がほんの数センチ程度しか動きませんが、数センチの動きでもお尻が使えている感覚があれば大丈夫です。

Donkey Kick エクササイズ

四つん這いの姿勢でお尻を鍛えるエクササイズです。四つん這いの姿勢になるのでお尻の筋肉を使うことが少し難しくなります。膝を90度にした状態で股関節から足を挙げていきます。太ももが水平よりも少し上になるくらいまで挙げて、ゆっくりと戻しましょう。この動作を繰り返しましょう。

 

エクササイズを実施するときのポイントとして・・・

  • 足を挙げる時にお尻に力が入っていることを感じながらエクササイズを行いましょう。
  • 腰が反ったりしてしまうと他の筋肉が働いてお尻の筋肉への効果が下がってしまうので
  • 腰はできるだけリラックスしてニュートラルな状態を保ったままエクササイズを行いましょう。
  • お尻に力を入れて股関節から動かすことを意識しましょう。

Gluteus Bridges エクササイズ

お尻の筋肉を使う感覚がつかめてきたら今度は足を地面につけた状態でのエクササイズに移っていきます。お尻で地面を押すことが求められるので難易度が少しあがります。膝を曲げて仰向けに寝た状態から、お尻を持ち上げる動作を繰り返します。

エクササイズを実施するときのポイントとして・・・

  • お尻に力が入っていることを感じながら、お尻で地面を押すようにしてお尻を持ち上げましょう。
  • 腰から動かしてしまうと他の筋肉が働いてお尻の筋肉への効果が下がってしまうので、腰はできるだけリラックスした状態を保ったままエクササイズを行いましょう。
  • かかとの位置がお尻から離れてしまうと大臀筋への効果が弱まる可能性があるので、かかとの位置をお尻に近づけた状態でエクササイズを行いましょう。

 

まとめ

大臀筋をうまく使いながらエクササイズをすることは意外と難しく、正しいフォームでやっていてもお尻を使う感覚がわからないという場合もあります。そのような時には他の原因が考えられるので、プロの指導を受けることをオススメしています。

 

<参考文献>

  1. Sugisaki N, Kobayashi K, Tsuchie H, Kanehisa H. Associations Between Individual Lower-Limb Muscle Volumes and 100-m Sprint Time in Male Sprinters. Int J Sports Physiol Perform. 2018;13(2):214-219.

  2. Franettovich Smith MM, Honeywill C, Wyndow N, Crossley KM, Creaby MW. Neuromotor Control of Gluteal Muscles in Runners with Achilles Tendinopathy: Medicine & Science in Sports & Exercise. 2014;46(3):594-599.

  3. Schuermans J, Danneels L, Van Tiggelen D, Palmans T, Witvrouw E. Proximal Neuromuscular Control Protects Against Hamstring Injuries in Male Soccer Players: A Prospective Study With Electromyography Time-Series Analysis During Maximal Sprinting. Am J Sports Med. 2017;45(6):1315-1325.

  4. Amabile AH, Bolte JH, Richter SD. Atrophy of gluteus maximus among women with a history of chronic low back pain. PLoS ONE. 2017;12(7):1.

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