腰痛

柔軟性が高すぎると腰痛の原因になることがある?

バレエのような柔らかさ

一般的には柔軟性が高いことがいいとされていますし、定期的にストレッチをすることで怪我を防げることが多いです。

しかし、柔軟性が高ければ高いほどいいわけではありません。最適な状態というのは状況や競技特性によっても変わってきます。

 

ポイント

  • 柔軟性が高すぎることで関節が不安定になることがあります
  • 柔軟性が低すぎても腰の負荷につながることがあります
  • 関節の安定性を保ちながら柔軟性を確保することがポイントです

 

柔軟性と腰痛の関係

一般的に腰痛を抱えている人は柔軟性が低下し、身体が硬くなっている傾向にあると言えるかと思います。

体幹部の側屈

ある研究で5000名以上を対象に柔軟性と腰痛の関係性を分析したところ、体幹部の側屈などが腰痛と関係していることが報告されています

このため腰痛改善の一環としてストレッチなど様々な方法で柔軟性を向上させることが行われています。

ハムストリングスのストレッチをする男性

 

ストレッチの腰痛改善効果

一般的にストレッチには一定の腰痛改善効果が認められています

定期的なストレッチを続けることで腰痛が改善していくという研究結果がありますし、ヨガなどにも腰痛の改善効果があります

ハムストリングスのストレッチ

ヨガやストレッチには腰痛の改善効果がありますが、他の方法に比べて特別優れた腰痛改善効果があるわけではありません4・5

というのも柔軟性だけが腰痛の原因ではなく、柔軟性に加えて筋力や姿勢といった複数の要因が腰痛に関係しています。

これらの要因をバランスよく改善していくことが腰痛改善の基本となります。

 

高すぎる柔軟性が腰痛の原因となるケース

柔軟性を高めることは腰痛の改善に役立ちますが、柔軟性が高いことでかえって腰痛が引き起こされるケースもあります。

 

最適な硬さは状況次第で変わる

例えば最速を求めるF1カーでは無駄を徹底的に削ぎ落とすことが役に立ちます。

一方で戦車のように鋼鉄の重いボディが頑丈な車体をつくり、ゴツゴツした悪路でも力強く進むことができます。

筋肉の硬いことに対して一般的に悪いイメージがありますが、筋肉が硬くなることで損をすることもあれば役に立つこともあります。

柔軟性が高いことには長所だけでなく短所もあります。

筋肉が硬くなることで関節などをサポートする機能が得られ、一方で柔軟性が高すぎると関節が不安定になることもあります。

それを示すかのうように、柔軟性が高い新体操やフィギュアスケートの選手達が腰痛に悩まされることは珍しくありません6・7

必ずしも柔軟性が高ければ高いほどいいわけではなく、柔軟性と筋力は適度なバランスを保つことが大切です。

 

適切な柔軟性とは?

基本的にスポーツや競技で必要な柔軟性があれば十分です。

そのスポーツで使わないほどの柔軟性は役に立たない可能性があり、むしろ柔軟性が高すぎるが故に腰痛が引き起こされることもあります。

実際に過剰に柔軟性が高い人のほうが腰痛が数倍多かったというような研究結果もあるくらいです

腰痛がある男性

柔軟性が低い人が可動域を高めることは大事なのですが、それは正常な範囲内での可動域を獲得することが大事です。

ストレッチが腰痛に役立つとはいえ、ヨガや新体操の選手のような極端な柔らかさは必要ないことが多いと思います。

 

柔軟性の改善方法について

腰痛のリスクを下げながら、効果的に柔軟性を高めるにはストレッチやマッサージ、筋膜リリースなどの複数の方法を取り入れることが役立ちます。

それぞれの方法でほぐせる箇所が微妙に違うので、複数の方法を取り入れることで負荷を分散し、満遍なく柔軟性を上げやすくなります。

お尻のフォームローラー

柔軟性をアップさせるにしても闇雲にストレッチをするのではなく、必要な部分にピンポイントで効かせることによってより高い効果を得ることができます。

⇨腰痛の整体施術 | 越谷市 | Hero's Body

 

まとめ

ストレッチなどで柔軟性を高めることが腰痛の改善に役立ちますが、過剰な柔軟性は逆効果になることがあります。

スポーツや競技に必要な正常な可動域を獲得することが大切です。

 

<参考文献>

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