変形性股関節症

大腿骨の前後の向きと変形性股関節症

変形性股関節症

股関節の負荷に影響を与える要因には様々なものがありますが、大腿骨の向きが変形性股関節症に繋がっているという考え方があります。骨の形状によって物理的な負荷が変わり怪我のリスクとなりうる可能性がありますが、それぞれの研究で異なる結果が出ており、この考え方には議論があるようです。

 

ポイント

  • 骨の向き次第で軟骨への負荷が変わる可能性があります
  • 骨の向きと変形性股関節症について明確な結論は出ていないようです
  • 多少のものはそこまで怪我のリスクを高めませんが、極端なものには注意が必要です

 

Anteversionと変形性股関節症

大腿骨が極度に前(内側)を向いている場合には変形性股関節症のリスクが高まる可能性があります。

大腿骨前捻

参照https://www.healigo.com/blog/2016/12/14/all-squats-were-not-created-equal

  • 変形性股関節症とそうでない人を比べたところ、変形性股関節症を持っている人達は大腿骨が前を向いている傾向にあったそうです。しかし、これはあくまで数度の違いであったことに注意が必要です。
  • 別の研究では大腿骨の向きと変形性股関節症との関連性は見られなかったそうです
  • 大腿骨や骨盤の角度には他にも様々な要素があり、例えば股関節の外転の角度との組み合わせで負荷がかわってくるという研究結果もありますし、てこの原理の違いなども影響してくるようです

このように結果が分かれており、大腿骨が前を向いているかによって股関節の負荷に影響を与える可能性はあるものの、これだけで決まるほど決定的な要因ではないのかもしれません。

 

Retroversionと変形性股関節症

大腿骨が相対的に後ろ(外側)を向いている場合には変形性股関節症のリスクが高まる可能性があります。

大腿骨後捻

参照https://www.healigo.com/blog/2016/12/14/all-squats-were-not-created-equal

  • ある研究では変形性股関節症を持っている人たちは大腿骨が後ろを向いている傾向にあったそうです5・6
  • 大腿骨が後ろを向いている場合には股関節のスペースが減少している傾向にあったという報告もあることから、こういった要素も変形性股関節症に影響しているのかもしれません。
  • ある研究で歩行中や階段の上り下りの際の負荷を算定したところ、大腿骨の向きが後ろを向いていることで股関節の同じ場所に負荷がかかりやすい傾向があったとする研究結果があります

このように大腿骨の向きで腿骨と骨盤の接触の仕方によって負荷が変わってくる可能性があります。

 

意見が分かれる

大腿骨が相対的に前を向いている場合に変形性股関節症につながるという意見もあれば、後ろを向いている場合に変形性股関節症につながるという意見もあります。

どちらにも一定の科学的根拠があるようですが、相反する部分などもあり一概に答えを出しにくい状態ではないかと思います。

大腿骨と骨盤の接触の仕方は様々であり、接触面積や、関節の動き、さらには負荷が集中しやすい箇所の違いなどの様々な要素が変形性股関節症に関係しているかと思います。

そして、大腿骨への物理的な負荷だけが変形性股関節症の要因ではなく、遺伝的なものや生理学的な要因なども十分に考えられます。

大腿骨が前を向いたほうがいいのか後ろを向いたほうがいいのか?というよりも、通常の範囲を逸脱している場合にはそれが股関節への負担を高める原因になっていないかをチェックするといった考え方でもいいのかもしれません。

 

まとめ

股関節の負荷には様々な要因が絡んでいるため、大腿骨の向きだけが決定的な要因になるとは限らないようです。通常の範囲を超えているような場合であれば、周辺の筋肉を整えるなどして過度な負荷がかからないように調整してみるということを試してみてもいいのかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

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