研究手法

元公認会計士による科学的根拠の読み解き方のヒント

公認会計士として働いた経験が科学的根拠や論文を読み解く時に役にたつことがあります。

というのも、公認会計士の主な仕事のひとつが監査であり、要は不正やミスを発見するというのが役割だったりするわけです。

この経験があるからこそ科学的根拠を鋭く読みとくことができることがあり、人が気がつかなかったことに気がついたり、データに不必要に踊らされるのを防いだりと何かと役に立つことがあります。

今回は会計士として約6年間働いた経験ならではの、科学的根拠を読み解くヒントをご紹介したいと思います。

 

 

統計による分析の賛否

会社が不正を働いていないか、ミスをしていないかを調べるときに、残念ながら統計はあまり力を発揮しません。

どちらかというと統計は、訴訟や裁判になった時に会計士はちゃんと仕事をしていましたと客観的に証明するための、いわゆる守りのツールだったりします。

本当に不正や誤りがないかどうかを調べる時には、統計ではなく他の方法を使うわけです。

 

少ないデータでは統計の力が弱いが

そもそもサンプル数が少なかったり、データの量が小さかったりする場合には統計で分析する意義が弱まってしまいます。

これは私個人の考えですが、売り上げが100億円以下の企業の取引を調べるのであれば統計に頼るよりも、人の経験や専門家の勘のほうが大きな力を発揮することが多いような気がします。

なぜなら、データ量が少ないので人の頭脳で分析しやすいですし、人のほうが多角的な視点で物事を見ることができるからです。

 

大規模なデータでは統計が力を発揮するが

一方で大規模なデータに対しては人の経験や勘というものが通用しにくくなります。

データが大きすぎるので人の頭で考えられるキャパシティを超えてしまうために、色々な統計を駆使して分析していったほうが価値があると思います。

 

ただ、あらゆる角度から多角的に分析するという人間ならではの技術があまり通じなくなり、数字のトリックに翻弄され、

意外なところを見落としてしまうという可能性もあるのではないかと思います。

 

合理性に着目する

さて、なぜこうも統計による分析よりも人の頭脳による分析を信頼しているかといいますと、

重大な不正や誤りを見つけるには数値やデータを見るだけでは不十分だからです。

 

このような表現ではわかりにくいので、旦那の浮気を疑う妻という例を挙げてみましょう。

夫のいつもと違う些細な行動が浮気の発見につながったりするわけですね。

夫のお小遣いという数値を調べるにしても、いつ、誰と、どんな目的で出かけたの?というように数字以外の部分に着目すると思うんです。

 

つまり、嘘を見破るために大切なことは数値やデータなんかよりも、

「なんでそんなことするの?」

「それって意味あるの?」

という疑問や女性の勘が大事だったりするわけです。

 

これはもう訓練や経験によって磨かれていくもので、なかなか簡単にできるものではないかもしれません。

 

怪我のメカニズムに関する論文を読む時には、

「なぜ、身体はそういう反応をするのだろうか?」

「それって意味あるのだろうか?」

と繰り返し問い続けることが大事だったりするのではないでしょうか。

 

ブラックボックスへの対処法

科学技術の進歩は目覚ましく、次々と高度な技術が開発されています。

しかしながら、そんな高度な技術にも誤りがあり、時には誤った結論を導いてしまったりします。

 

高度な技術ほど人為的なミスに注意

基本的に人は間違いを犯す生き物であり、ミスをゼロにすることはできません。

何重に確認しようとも、ミスをするときはミスをしてしまいます。

 

たとえハイテク技術の精度がどんなに高かったとしても、それを使う人間が過ちを犯す可能性があるということです。

むしろ、ハイテク技術であればあるほどパラメーターの設定が複雑になっていき、人為的なミスが増える可能性が高まりますし、

ブラックボックスといわれるほどの難しい技術ならば、第三者が検証することも困難になっていきます。

 

ブラックボックスを検証するには

ブラックボックスのように複雑怪奇なものは、どんなに頑張ってもそれを理解するには限界があります。

そういう時に役にたつ知恵のひとつとして、ブラックボックスの入口と出口を検証する方法です。

 

たとえブラックボックスを完全に理解できなくとも、そこに入口と出口があるわけで、そちらは比較的検証がしやすかったりします。

例えば、夫の給料という入口とお財布やクレジットカード明細などの出口を押さえてしまえば、夫はそう簡単に好き勝手できないわけです。

 

 

最先端のコンピューターで身体への負荷を算出したとして、

どういうデータをコンピュータに入力したのか?とか、実際にその通りに怪我をするのか?といったことを検証することが役に立つわけですね。

スポーツサイエンス

 

まとめ

ダラダラと小難しいことを並べてしまいましたが、

数字に表れない部分の解析というのが大事だったりするんではなかろうか、と思うわけです。

少しでも何かの参考になれば幸いです。

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