首の怪我のメカニズム

首の椎間板へのダメージと負荷の変化

首の椎間板

椎間板には衝撃吸収などの役割がありますが、首のヘルニアや椎間板の変形などで擦り減ることにより椎間板の機能が低下し、周辺組織への負荷が高まる可能性があります。怪我の再発を防ぐためにも首の機能を高めて負荷がかかりにくいような、いい状態を保っていくことが大切になってくるかと思います。

 

ポイント

  • 首を大きく曲げることで椎間板への負荷が高まる可能性があります
  • 椎間板がダメージを受けることで、その構造が変化する可能性があります
  • 怪我をすることで機能が低下し、さらなる影響が出ることも考えられます

 

首を曲げることによる椎間板への負荷

首を大きく曲げることで椎間板への負荷が高まる可能性があります。

  • 首の屈曲時には椎間板に負荷がかかりやすい傾向にあります1・2
  • 首の伸展時には関節の接触によって衝撃吸収がなされているため屈曲時のほうが椎間板への負荷が高いと考えられています。このため首を曲げる動作を繰り返していると、首の椎間板のヘルニアなど怪我につながりやすいと考えられています。
  • 首を曲げる方向などにより椎間板への負荷がかかり、どのような椎間板の怪我となるのかが変わってくる可能性があります。椎間板だけが首を支える組織ではなく靭帯などと合わせて首が支えられており、こういったところにも影響が出る可能性があります。

(Adams et al 1980より引用)

このように首を大きく曲げることが首の負荷につながる可能性があります。

 

 

椎間板の状態が変わることで負荷も変わってくる

椎間板がダメージを受けることで、その構造が変化し、周辺組織への負荷が高まる可能性があります。

  • 椎間板の変形により椎間板がすり減ってくると首を動かすときの負荷が変化することが示唆されています。コンピューターのシミュレーションでは首の伸展時の椎間板や関節への接触による負荷が高まることが報告されています。さらには椎間板変形により可動域が変化し、隣接する関節に接触の負荷がかかる可能性もあるようです。
  • 首の椎間板の状態によっても周辺組織の構造に影響がでている場合もあるそうです。献体を調査したところ首の椎間板の変性が進行していると首のスペースが小さくなったり、椎間板自体の高さが変化する傾向があることが報告されています
  • 椎間板の変形による高さの変化は関節の接触の負荷を高める可能性があります

(Sohn et al 2004より引用)

このように構造的な要因も負荷に影響を与える可能性があります。

 

椎間板の損傷による機能低下

怪我をすることで機能が低下し、それによってさらなる影響が出ることも考えられます。

首の痛み

  • 椎間板のダメージによってその機能が低下し、首の安定性が低下している可能性があります
  • 椎間板へのダメージが周辺組織にさらなる負荷を招く可能性があると考えられます
  • 不安定な状態が続くと骨などにも影響がでることがあります10

このように椎間板の怪我で首への負荷が高まってしまい、さらなる怪我へとつながる可能性があるわけですね。このため首の痛みを改善し、そのうえで首の機能を高めるようなエクササイズに取り組み、身体を丈夫にしてさらなる怪我を防いでいくことが大切になってくるかと思います。

 

まとめ

椎間板が擦り減ることやヘルニアにより首の機能低下や構造的な変化が生じる可能性があり、首の機能をしっかりと高めておくようなエクササイズに取り組むことが怪我の予防に役に立つかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Adams MA, Hutton WC, Stott JR. The resistance to flexion of the lumbar intervertebral joint. Spine. 1980;5(3):245-253.
  2. Adams MA, Green TP, Dolan P. The strength in anterior bending of lumbar intervertebral discs. Spine. 1994;19(19):2197-2203.
  3. Nachemson A. Mechanical stresses on lumbar disks. Curr Pract Orthop Surg. 1966;3:208-224.
  4. Aultman CD, Scannell J, McGill SM. The direction of progressive herniation in porcine spine motion segments is influenced by the orientation of the bending axis. Clin Biomech (Bristol, Avon). 2005;20(2):126-129.
  5. Hussain M, Natarajan RN, An HS, Andersson GBJ. Progressive disc degeneration at C5-C6 segment affects the mechanics between disc heights and posterior facets above and below the degenerated segment: A flexion-extension investigation using a poroelastic C3-T1 finite element model. Med Eng Phys. 2012;34(5):552-558.
  6. Sohn HM, You JW, Lee JY. The relationship between disc degeneration and morphologic changes in the intervertebral foramen of the cervical spine: a cadaveric MRI and CT study. J Korean Med Sci. 2004;19(1):101-106.
  7. Hussain M, Natarajan RN, An HS, Andersson GBJ. Patterns of height changes in anterior and posterior cervical disc regions affects the contact loading at posterior facets during moderate and severe disc degeneration: a poroelastic C5-C6 finite element model study. Spine. 2010;35(18):E873-881.
  8. Moroney SP, Schultz AB, Miller JA, Andersson GB. Load-displacement properties of lower cervical spine motion segments. J Biomech. 1988;21(9):769-779.
  9. Hussain M, Natarajan RN, Chaudhary G, An HS, Andersson GBJ. Posterior facet load changes in adjacent segments due to moderate and severe degeneration in C5-C6 disc: a poroelastic C3-T1 finite element model study. J Spinal Disord Tech. 2012;25(4):218-225.
  10. Fakhoury J, Dowling TJ. Cervical Degenerative Disc Disease. In: StatPearls. StatPearls Publishing; 2020. Accessed August 25, 2020. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK560772/

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