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裸足ランやミニマリストシューズは怪我のリスクを高めるのか?

ランニング愛好家の中には裸足ランニングやミニマリストシューズを使っている方もいらっしゃるかと思います。シューズに頼るのではなく、人間本来の機能を取り戻すために裸足ランニングという手法が注目されることがあります。大きな議論を巻き起こした裸足ランニングですが、そのメカニズムについて現時点の研究でわかっていることについて解説していきたいと思います。

爽やかに裸足ランニングをする女性

参照https://www.medscape.com/viewarticle/751618

ポイント

  • 裸足ランニングでは局所的な負荷が高まる可能性があります
  • 裸足ランニングに身体が徐々に適応していく可能性があります
  • 裸足ランニングでも怪我の発生率に大きな変化はみられないようです

 

裸足ランニングでランニングフォームが変わる

裸足ランニングやミニマリストシューズでランニングフォームが変化します1〜3

裸足ランニング

  • 地面にかかる力が和らぐ傾向がある。
  • 膝への負荷が減り、足首での衝撃吸収が増える可能性がある。
  • よりフォアフット着地に近い形になる傾向がある。
  • 足底筋膜や足の指への負荷が増える可能性がある。
  • 足のプロネーションが減る傾向がある。
  • ストライドが短くなる傾向がある。

このように身体のいたるところで変化が生じます。これはシューズでの衝撃吸収ができない分、他のところで衝撃を吸収しなくてはならないので、ランニングフォームに変化が生じると考えられています。

 

長期的に使うことで身体が徐々に適応していく

裸足ランニングを続けていると徐々に身体が適応していくそうです。

裸足ランニングを導入した当初は軽減された地面からの力が、継続的に裸足ランニングをすることで徐々に増えていくことが報告されています

当初は恐る恐る走っていたのが、慣れてきたことで徐々に力強く走れるようになっているのかもしれません。また、関連する部位を鍛えられた結果であるという見方もできるかもしれません。

5本指シューズ

そして、ミニマリストシューズを履いていると足の指の筋肉が鍛えられ足の衝撃吸収能力が増す可能性がありますが、どちらにせよ足周りに一定の負荷がかかりやすい状態であるということを表しており5・6、限度を超えない範囲であれば徐々に適応していくことが大切かと思います。

 

足底筋膜への負荷

裸足ランニングでは足底筋膜炎などのリスクが高まる可能性が考えられます。

足底筋膜炎の解剖図

ある研究で裸足ランニングでは足底筋膜がより引き伸ばされる可能性があることが報告されています。これには足の指の使われ方やアーチの崩れなどが関係しているようです。

高い負荷がかかり続ければ足底筋膜炎を引き起こす可能性があります。

 

骨へのストレス

裸足ランニングを取りれることで骨への負荷が大きくなることが考えられます。

足の骨へのストレス

ある研究では10週間の5本指シューズによるトレーニングの影響を調べたところ、通常よりも足の骨の腫れが大きくなっていたことが報告されています

このような高い負荷が骨にかかり続ければいずれ疲労骨折などへと繋がることが考えられます。

 

総合的な怪我の発生率は変わらない?

裸足ランニングを導入しても怪我の発生率にはそこまで大きな違いはないかもしれません。

足首の痛み

裸足ランニングに関する怪我の発生率の研究

  • ミニマリストシューズを使って怪我が増加したという報告もあります
  • 経験豊富なミニマリストシューズのユーザーは怪我が少ない傾向にあったという報告もあります10
  • 裸足ランニングでポジティブな効果があった人もいればネガティブな効果があったどちらの事例もあります。

現時点では怪我の発生率に関する研究数は少ないので明確な答えは出せませんが、裸足ランニングやミニマリストシューズを使ったから一概に怪我をするわけではなく、その取り入れ方や適応のさせ方などによっても影響すると思います。

 

まとめ

裸足ランニングに関して総合的な怪我の発生率に大きな変化はないかもしれませんが、局所的な負荷がかかる場所が変わります。ですので、その人に合っているのかどうか?いつもと違うところに刺激を入れる、などという視点で考えることが大切なのかもしれませんね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

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