股関節インピンジメント

股関節の骨の構造による影響〜α角について〜

股関節の骨の構造

股関節の骨の構造次第で可動域や身体動作に影響を与える可能性があります。股関節の骨の構造の評価方法は数多く存在していますが、今回は股関節のα角に焦点を当てて解説してみたいと思います。

 

ポイント

  • 軟骨への負荷が高まる可能性があるようです
  • 股関節の内旋の可動域の低下が影響していることがあります
  • 歩き方や走り方にも少なからず影響を与える可能性があるようです

 

股関節のα角について

(Nötzli et al 2002より引用)

股関節のα角は骨の形状を評価する際に用いられる指標のひとつとなっています。

股関節インピンジメントの一種であるCam deformityの判断基準のひとつに、α角が55°以上の場合というのが用いられたりしています

 

スポーツに取り組むことで徐々に骨に影響を与えることがあり、股関節インピンジメントなどに伴い後天的にもα角が変化する可能性もあるようです。

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α角の簡易的な評価方法

正確にα角を評価するのならばレントゲンやMRIなどの精密検査が必要ですが、簡易的な評価方法もあるようです。

(Bagwell et al 2016より引用)

上での図のように距離を計測するのですが、左右差が4cm以上の場合にはα角が大きくなっている可能性があるようです

ただ、股関節の周りの筋肉などの他の要素によっても影響されるので、あくまで簡易的な評価方法かと思います。

 

股関節のα角と内旋の可動域

股関節の内旋の可動域の低下とα角には多少の関係性があるかもしれません。

股関節の内旋の可動域の測定

  • 股関節の内旋の可動域が20°以下の場合には、α角が増加している傾向にあるという報告があります
  • 股関節インピンジメントによる手術などに伴うα角が改善によって、股関節の内旋の可動域が改善される傾向にあるという報告もあるようです

ただ、股関節の内旋の可動域の低下が必ずしもα角による影響というわけではなく、他の要素も考えられるため、あくまで可能性のひとつにすぎないかと思います。

 

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股関節のα角と動作への影響について

股関節のα角によっては、歩き方や走り方にも少なからず影響を与える可能性があるようです。

サッカーの試合

α角が大きいことで歩行時の重心が前方にする傾向がみられたという報告や、ランニング動作に違いが生まれていたという報告もあります

しかしながら、研究数が少ないことや他の要因による影響が大きいことから、どのような変化が起こるのか?を画一的に断言できないかと思います。

 

まとめ

股関節の骨の形状によって可動域や身体動作にも影響を与える可能性があるようです。影響を与える要素が膨大になるため簡便化されたパターンを示すことはできませんが、可能性のひとつとして頭の片隅においておくのも悪くはないかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Gerhardt MB, Romero AA, Silvers HJ, Harris DJ, Watanabe D, Mandelbaum BR. The Prevalence of Radiographic Hip Abnormalities in Elite Soccer Players. Am J Sports Med. 2012;40(3):584-588.
  2. Trindade CAC, Briggs KK, Fagotti L, Fukui K, Philippon MJ. Positive FABER distance test is associated with higher alpha angle in symptomatic patients. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2019;27(10):3158-3161.
  3. Bagwell JJ, Bauer L, Gradoz M, Grindstaff TL. THE RELIABILITY OF FABER TEST HIP RANGE OF MOTION MEASUREMENTS. Int J Sports Phys Ther. 2016;11(7):1101-1105.
  4. Guler O, Isyar M, Karataş D, Ormeci T, Cerci H, Mahirogulları M. A retrospective analysis on the correlation between hip pain, physical examination findings, and alpha angle on MR images. J Orthop Surg Res. 2016;11.
  5. Kelly BT, Bedi A, Robertson CM, Dela Torre K, Giveans MR, Larson CM. Alterations in Internal Rotation and Alpha Angles Are Associated With Arthroscopic Cam Decompression in the Hip. Am J Sports Med. 2012;40(5):1107-1112.
  6. Hagen M, Abraham C, Ficklscherer A, Lahner M. Biomechanical study of plantar pressures during walking in male soccer players with increased vs. normal hip alpha angles. Technology & Health Care. 2015;23(1):93-100.
  7. Lahner M, von Schulze Pellengahr C, Walter PA, et al. Biomechanical and functional indicators in male semiprofessional soccer players with increased hip alpha angles vs. amateur soccer players. BMC Musculoskelet Disord. 2014;15:88.

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