前十字靭帯損傷

前十字靭帯再建手術の方法次第で膝がねじれやすくなる?

前十字靭帯

前十字靭帯損傷後は変形性膝関節症のリスクが高まることからリハビリなどで膝の機能を高めることはとても大切です。

ここで膝関節のねじれという要素も変形性膝関節症に関係している可能性があり、膝のねじれに対する安定性を確保することが重要になってきます。

 

ポイント

  • 手術方法によっては靭帯の強度が足りず、膝のねじれに弱い場合があります
  • 過度なねじれは軟骨への負荷につながる可能性があります
  • 軟骨に負荷がかかり続けると変形性膝関節症などにつながる可能性があります

 

脛骨の回旋が前十字靭帯の負荷に

脛骨のねじれ、いわゆる回旋の動作は膝の負荷につながると考えられています。

脛骨の内旋がわずか5°違うだけでも軟骨の負荷は大きく変わってくる可能性があるそうです1・2

膝の内反

この脛骨の変化により軟骨の負荷のかかる位置が変化し、変形性膝関節症などのリスクへとつながる可能性があります。

変形性膝関節症と歩行動作の変化について

 

脛骨のねじれと軟骨への負荷について

過度な脛骨のねじれは軟骨への負荷につながる可能性があります。

前十字靭帯を断裂した人たちの脛骨が内旋しているという研究報告もあれば1、外旋しているしているという研究報告もあります3・4

脛骨の内旋と外旋

参照http://www.southfloridasportsmedicine.com/external-tibial-torsion.html

それぞれの研究における測定方法の違いや手術方法の違いなども理由でこのような違いが生まれている可能性があります。

いずれにせよ、前十字靭帯再建手術により脛骨にねじれが生まれる可能性があり、過度なねじれは軟骨への負荷につながるリスクがあるかと思います。

 

手術によって作られた靭帯は機能が微妙に違う?

手術によって作られた靭帯は膝の安定性に劣る場合もあるようです。

前十字靭帯の繊維

参照https://www.healthclues.net/blog/en/single-bundle-vs-double-bundle-acl-surgery/

  • 手術により再建された靭帯は直線方向の動きに強いのですが、ねじれに対する安定性が弱い場合があります4・5
  • その理由のひとつが再建される靭帯の形であると考えられています。前十字靭帯には前内側線維と後外側線維束という2つで構成されているのですが、手術で再建される前十字靭帯が1本であった場合には本来の前十字靭帯と微妙に異なるわけでして、特にねじれへの安定性が弱くなる傾向にあるようです4・6
  • 手術方法によってもねじれに対する安定性が変わってくるようで、強すぎたり弱すぎたりと微妙な調節が必要になってくるかもしれません6〜8

ここは整形外科医の判断となりますし、これだけをもって手術がよくないというわけでもありません。

ポイントとしては手術の方法によっては膝の回旋の安定性が失われるケースがあるので、身体のケアやトレーニングに注意したほうがいい、といったところでしょうか。

 

まとめ

前十字靭帯断裂により脚のねじれに対する安定性が失われている場合があり、ここを改善していくようなエクササイズなども取り入れると役に立つ可能性があります。

 

<参考文献>

  1. Andriacchi TP, Dyrby CO. Interactions between kinematics and loading during walking for the normal and ACL deficient knee. J Biomech. 2005;38(2):293-298.
  2. Andriacchi TP, Briant PL, Bevill SL, Koo S. Rotational changes at the knee after ACL injury cause cartilage thinning. Clin Orthop Relat Res. 2006;442:39-44.
  3. Scanlan SF, Chaudhari AMW, Dyrby CO, Andriacchi TP. Differences in tibial rotation during walking in ACL reconstructed and healthy contralateral knees. J Biomech. 2010;43(9):1817-1822.
  4. Tashman S, Collon D, Anderson K, Kolowich P, Anderst W. Abnormal rotational knee motion during running after anterior cruciate ligament reconstruction. Am J Sports Med. 2004;32(4):975-983.
  5. Moewis P, Duda GN, Jung T, et al. The Restoration of Passive Rotational Tibio-Femoral Laxity after Anterior Cruciate Ligament Reconstruction. PLOS ONE. 2016;11(7):e0159600.
  6. Hemmerich A, van der Merwe W, Batterham M, Vaughan CL. Knee Rotational Laxity in a Randomized Comparison of Single- Versus Double-Bundle Anterior Cruciate Ligament Reconstruction. Am J Sports Med. 2011;39(1):48-56.
  7. Scopp JM, Jasper LE, Belkoff SM, Moorman CT. The effect of oblique femoral tunnel placement on rotational constraint of the knee reconstructed using patellar tendon autografts. Arthroscopy. 2004;20(3):294-299.
  8. Noyes FR. The Function of the Human Anterior Cruciate Ligament and Analysis of Single- and Double-Bundle Graft Reconstructions. Sports Health. 2009;1(1):66-75.

-前十字靭帯損傷

© 2022 Hero's Body