前十字靭帯損傷

忘れがちですがハムストリングスは前十字靭帯損傷を防ぐのに重要です

前十字靭帯断裂

サッカーやバスケットボールなどダッシュやジャンプなどを繰り返すスポーツで前十字靭帯損傷が起こりやすいと言われています。前十字靭帯を断裂してしまうと手術とリハビリを余儀なくされ、スポーツに復帰するのに半年以上かかってしまうことも珍しくなく、この怪我でシーズンを棒に振ってしまう選手が後を絶ちません。

一般的には脚がねじれることで前十字靭帯の怪我の原因であると言われていたりします。しかし、前十字靭帯の怪我の要因はこれだけに限ったものではなく、他にも負荷を高めてしまう要因があります。

 

ポイント

  • ハムストリングスを鍛えることで前十字靭帯への負荷を軽減できる可能性があります
  • ハムストリングスが十分に鍛えられていないことは珍しくありません
  • ハムストリングスの左右差なども生まれやすい傾向があるようです

 

ハムストリングスの筋肉が前十字靭帯を守る?

一般的に脛が前方に移動することによって前十字靭帯への負荷がかかると考えられています。

ハムストリングスが前方への剪断力を防ぐ

参照https://www.peakendurancesport.com/endurance-injuries-and-health/muscles-and-tendons/a-balanced-approach-to-leg-strength/

そして、上の図のようにハムストリングスは骨を後方に移動させる力が働くため、前十字靭帯への負荷を減らせると考えられています。こういった理由からハムストリングを鍛えることは前十字靭帯の怪我を防ぐために重要ではないかと考えられています

ハムストリングスの筋肉

 

ハムストリングスの強さと前十字靭帯への負荷

ハムストリングスを鍛えることで前十字靭帯の負荷を軽減できる可能性があります。

 

ジャンプの着地とハムストリングの関係の測定

(Blackburn et al 2013より引用)

  • ここでハムストリングスの強度と前十字靭帯への負荷を調べた研究があり2、その結果ハムストリングスの強度が高いことで前十字靭帯への負荷が減少していたことが確認されています。
  • 他にもハムストリングスを鍛えることは前十字靭帯への負荷を軽減するのに有効であるという報告がなされています
  • ハムストリングスの疲労により前十字靭帯への負荷を高めてしまう可能性があります。このため持久力もきっちりと鍛えておいたほうがいいかと思います。

ハムストリングスの重要性を頭でわかっていても、ついつい忘れたり軽視してしまうことがあるので注意が必要です。というのもハムストリングスの筋力が十分なのかどうか?ということを測定するのは意外と手間がかかるもので、なんとなくハムストリングスを鍛えた気になってしまうこともあるのではないでしょうか。

 

前十字靭帯再建手術後もハムストリングスに注意

前十字靭帯の手術後においてもハムストリングをしっかりと鍛えることが重要です。

というのもリハビリの初期においては徹底的に鍛えることは多くても、スポーツへ復帰する時期などにはダッシュやジャンプなどのエクササイズが増えてきて、ハムストリングスを鍛えることの意識が徐々に希薄になってくることがあるからです。

とある研究においては前十字靭帯の手術後の3年後には約半分の人達がハムストリングスの筋力に左右差が生まれていたという報告があります

ハムストリングスの筋力に左右差があると、歩行動作やジョギングの動作が変化し、膝のねじれなどにより負荷を高めてしまうリスクとなる可能性が考えられます。

 

まとめ

このようにハムストリングスは前十字靭帯と深い関わりがあるのですが、ハムストリングスを鍛えることがおそろかになってしまうことも珍しくありません。怪我のリスクを下げるためにもパフォーマンス向上のためにもハムストリングスを忘れずに鍛えておきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Shimokochi Y, Shultz SJ. Mechanisms of Noncontact Anterior Cruciate Ligament Injury. J Athl Train. 2008;43(4):396-408.

  2. Blackburn JT, Norcross MF, Cannon LN, Zinder SM. Hamstrings Stiffness and Landing Biomechanics Linked to Anterior Cruciate Ligament Loading. Journal of Athletic Training. 2013;48(6):764-772.

  3. Blackburn JT, Pamukoff DN. Geometric and architectural contributions to hamstring musculotendinous stiffness. Clin Biomech (Bristol, Avon). 2014;29(1):105-110.

  4. O’Connor KM, Johnson C, Benson LC. The Effect of Isolated Hamstrings Fatigue on Landing and Cutting Mechanics. Journal of Applied Biomechanics. 2015;31(4):211-220.

  5. Abourezk MN, Ithurburn MP, McNally MP, et al. Hamstring Strength Asymmetry at 3 Years After Anterior Cruciate Ligament Reconstruction Alters Knee Mechanics During Gait and Jogging. Am J Sports Med. 2017;45(1):97-105

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