前十字靭帯損傷

前十字靭帯再建と抜釘手術による膝の安定性

私がアメリカにいた時には、前十字靭帯再建術で抜釘手術というのはあまり強く印象に残っておらず、日本に帰国してから抜釘手術というものを頻繁に耳にするようになりました。

 

私がただただ注意を払っていなかったからなのか、アメリカの前十字靭帯再建術のトレンドが違うのか、アメリカでは保険の関係上で抜釘手術はやらないことが多い、人体に害のないインプラントを使用していて後で取り除く必要がない、などの諸説があるようですが詳しいことはわかりません。

一体これは何なんだ?ということで抜釘手術について調べてみました。

 

インプラントなどの効果

再建した靭帯がうまく癒合するまでスクリューやネジなどで固定する役割があります。

(Kösters et al 2020より引用)

  • インプラントを使用した前十字靭帯再建術のほうが膝が安定し、前十字靭帯への負荷につながる脛骨の前方移動が小さかったことが報告されています
  • 手術後の回復状況についてはインプラントを使用した場合とそうでない場合とで大きな違いは見られなかったそうです1・2

 

抜釘の必要性

前十字靭帯再建手術後にインプラントを取り除く抜釘(ばってい)を行うことがあります。

 

膝にインプラントが入っていることによる違和感などの理由により抜釘を行うことがありますが、抜釘を行わないことも珍しくないようで、整形外科医の先生と相談しながら決めることかと思います。

 

抜釘した後の膝の安定性が変化するのか?ということを調べた研究がありますが、約2年後のフォローアップ検査では抜釘をしても膝の安定性に大きな変化はないということが報告されています

(Häberli et al 2019より引用)

あくまでインプラントは再建した靭帯がうまく結合するまでの期間を固定するものなので、当然の結果かもしれませんね。

 

まとめ

抜釘手術に関しては機能面がどうこうというよりも、その国の慣習や保険制度、整形外科医の先生の裁量や判断によるところが大きいのかもしれません。

 

<参考文献>

  1. Kösters C, Glasbrenner J, Spickermann L, et al. Repair With Dynamic Intraligamentary Stabilization Versus Primary Reconstruction of Acute Anterior Cruciate Ligament Tears: 2-Year Results From a Prospective Randomized Study. Am J Sports Med. 2020;48(5):1108-1116. doi:10.1177/0363546520905863
  2. Hoogeslag RAG, Brouwer RW, Boer BC, de Vries AJ, Huis In ’t Veld R. Acute Anterior Cruciate Ligament Rupture: Repair or Reconstruction? Two-Year Results of a Randomized Controlled Clinical Trial. Am J Sports Med. 2019;47(3):567-577. doi:10.1177/0363546519825878
  3. Häberli J, Bieri KS, Aghayev E, Eggli S, Henle P. Dynamic intraligamentary stabilization of anterior cruciate ligament repair: hardware removal has no effect on knee laxity at 2-year follow-up. Arch Orthop Trauma Surg. 2019;139(5):639-644. doi:10.1007/s00402-019-03113-x

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