アキレス腱障害

アキレス腱炎のリスクと腱の構造的な変化

ランニングやジャンプなどの動作によってアキレス腱が酷使され、アキレス腱炎などの怪我が引き起こされると考えられています。

ここでアキレス腱炎を引き起こしやすいアキレス腱の構造的な特徴についてご紹介していきたいと思います。

 

アキレス腱炎につながりやすい特徴

アキレス腱のエコー検査によって怪我をしやすいアキレス腱の状態というものが明らかにされつつあります

 

アキレス腱の厚み

アキレス腱の過剰な厚みは将来のアキレス腱障害のリスクとなる可能性があります。

(Fredberg and Bolving 2002より引用)

  • アキレス腱が部分的に厚くなっていた人達は将来のアキレス腱障害を発症しやすい傾向にあったことが報告されています3・7
  • アキレス腱の厚みの違いは将来のアキレス腱障害を発症した人に関係していないとする研究結果もあります2・5・6

一般的に腱の厚みがあるほうが強度があり怪我をしにくいとされていますが、怪我の場合には炎症を起こして周辺組織が腫れて厚みが増していることもあります。

他の部位においても同様の傾向が複数確認されており、次の記事が参考になるかもしれません。

足底筋膜炎とその構造の変化について

 

アキレス腱の硬さ

アキレス腱の過剰な硬さは将来のアキレス腱障害のリスクとなる可能性があります。

(U et al 2008より引用)

  • アキレス腱が硬くなっている人は将来のアキレス腱障害を引き起こしやすいことが報告されています2・4
  • アキレス腱の硬さは将来のアキレス腱障害との関係がみられなかったという研究結果もあります5・6・7

一般的にはアキレス腱が硬いほど強度が高く怪我をしにくいと考えられていますが、怪我をしている場合には防御反応として硬くなっていることがあり、過剰な硬さは症状の悪化へとつながることもあります。

 

アキレス腱への血流

アキレス腱障害に血流が関係している可能性も考えられています。

(Boesen et al 2012より引用)

  • アキレス腱の血流が少しばかり増加している人はアキレス腱障害を発症しやすい傾向にあることが報告されています
  • アキレス腱の血流の状態は将来のアキレス腱障害の発生率に影響しないとする研究結果もあります2・5・7・8

損傷が小さいうちは血流が増加させて組織の修復をしようとするのですが、損傷が大きくなってくるとむしろ血流が低下することもあるようです

単純な血流の大小だけでアキレス腱の状態を評価するのは難しいのかもしれません。

 

アキレス腱の状態を整えるには?

基本的にはアキレス腱の厚み・硬さ、血流があるほうが健康的で怪我をしにくいのですが、過剰な反応を引き起こしている場合にはアキレス腱の怪我のリスクとなってしまいます。

アキレス腱のケア

基本的にはアイシングや物理療法などで炎症をコントロールして過剰な厚みや硬さを解消していき、トレーニングで厚みと硬さを強化していくことになります。

負荷のかけすぎには注意が必要で、適度な負荷になるように調整することでアキレス腱を強化していくことができます。

腱を強くするためのトレーニング

 

まとめ

過剰な負荷がかかり続けるとアキレス腱の構造的な変化が生じる可能性があり、これがアキレス腱の強度の低下を招き怪我へとつながることがあります。

適切な負荷とケアによってアキレス腱を健康な状態に保つことが役に立つのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

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