膝の怪我のメカニズム

膝を圧迫することで膝の機能が変化する

膝を怪我した時にサポーターが使われることがありますが、膝が腫れることにもサポーターに通ずるメカニズムが隠されている可能性があります。身体にはまだまだ隠された役割があると考えられ、私たちの身体は想像以上に賢くできているのかもしれません。

 

ポイント

  • 膝が腫れて圧迫されている状態のほうが片脚立ちが安定することがあるようです
  • 膝をサポーターなどで圧迫することでバランスが安定しやすくなるようです
  • 膝の腫れは身体に備わっている緊急時のサポーターという役割もあるかもしれません

 

膝関節への圧力が膝の機能を助ける?

興味深いことに膝が腫れていて、関節内の圧力が高まっている状態で膝の機能が高まることも少なからずあるようです。

膝関節

  • 腫れを再現した状態のほうが関節の動きをより正確に感知していたという研究結果があります
  • 生理食塩水を膝に注入し、腫れを再現した状態のほうが片脚立ちの姿勢が安定していたことが報告されています

このように膝の関節内の圧力が高いことで膝の機能を助ける可能性もあるわけです。

 

ただし、長期的に好ましいとは言い難いので注意が必要なのですが。

膝の腫れ
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サポーターなどで膝関節を圧迫する効果

サポーターなどで膝関節を圧迫することで膝の機能が少しばかり高まります。

  • 変形性膝関節症がある膝にバンデージを巻くことでより正確に膝関節の動きを認知できるようになることが報告されています
  • 膝にスリーブで圧力をかけることでジャンプ時のバランスが安定しやすくなることが報告されています
  • サポーターによる膝関節の動きの認知や膝関節の安定性が安定性が少し改善されることが報告されています

このようにサポーターをつけることでの安心感というのは、膝関節が圧迫されることが関係しているのかもしれません。

 

ただし、サポーターをつけることでの怪我の発生率が大きく変わるわけではないということに注意が必要です。

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まとめ

このように膝関節への圧力によって膝の機能が補助される可能性があるため、もしかしたら膝の腫れは人の身体に備わっているサポーターの役割もあるのかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

<参考文献>

  1. Ferrell WR, Gandevia SC, McCloskey DI. The role of joint receptors in human kinaesthesia when intramuscular receptors cannot contribute. J Physiol. 1987;386:63-71.
  2. Palmieri RM, Ingersoll CD, Cordova ML, Kinzey SJ, Stone MB, Krause BA. The effect of a simulated knee joint effusion on postural control in healthy subjects. Arch Phys Med Rehabil. 2003;84(7):1076-1079.
  3. Barrett DS, Cobb AG, Bentley G. Joint proprioception in normal, osteoarthritic and replaced knees. J Bone Joint Surg Br. 1991;73(1):53-56.
  4. Kuster MS, Grob K, Kuster M, Wood GA, Gächter A. The benefits of wearing a compression sleeve after ACL reconstruction. Med Sci Sports Exerc. 1999;31(3):368-371.
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